こんにちは、物欲紳士です。
今回は珍しく(?)、最近購入したガジェットをレビューしたい。
本記事でレビューするのは、ソニー (Sony) のBluetoothイヤホン、"LinkBuds" WF-L900。
まずはブランド(ソニー)と、本製品の概要について見ていきたい…!
ブランド(ソニー、LinkBuds)と、このイヤホンについて
ソニー (Sony) について
ソニー (Sony) は、日本の電機メーカー。
1946年創業。
おそらく国内で知らない人はほぼいない、日本を代表する「黒物家電」ブランドの1つ。
現在は金融・音楽・映画など、家電以外にも幅広く事業を展開している。
祖業のエレクトロニクス分野では、トランジスタ・ラジオ('60年代)やウォークマン('70年代)・CD('80年代)など、AV機器に名作が多い。
近年はゲームなどの情報・ネットワーク分野にも進出。
近年のソニー製品については、別記事で下記製品をレビューしている。
合わせて見てほしい!
ソニーのヘッドホンと、 "LinkBuds"(リンクバッズ)について
歴史的にはAV機器メーカーとして発展してきたソニー。
ヘッドホンにも名作が多い。
本ブログ的な視点にハマるロングライフな名作として知られているのが、のMDR-CD900ST。
バブル期の1989年(!)に発売。
MDR-CD900STは、いわゆる「スタジオ御用達のヘッドホン」。
アーティストのレコーディングシーンなどで、かなりの確率で画面内に登場する機種だ。
スタジオ向けという「原音(元データ)をチェックする機器」を製造しているのは、ソニーの強みの1つでもある。
さらに一般向けのヘッドホンも、用途に応じて幅広い製品をラインナップしている。
数ある製品の中から近年のヒット作を紹介すると、のフルワイヤレスイヤホン・WF-1000XM4が挙げられる。
フルワイヤレスイヤホンを象徴するヒット作と言えば、「リンゴの耳うどん」。
…だけど、「使い勝手はいいけど音質に満足できない」という方も、それなりにおられる。
そんな層の受け皿になったのがWF-1000Xシリーズ、というわけだ。
現代の生活に対応した幅広い製品を展開しつつ、音質面での長年の知見で「聴かせる」のも、ソニー製品の特徴の1つ。
で、そんなソニーのイヤホン製品中、本年(2022年)にデビューした最新作が、今回レビューする "LinkBuds" (リンクバッズ)シリーズ。
本シリーズの特徴をざっくりと述べると、「音質重視な製品も多い」ソニーが提案する「カジュアルなBluetoothイヤホン」という点になる。
WF-L900について
そんなソニー・イヤホンの新ライン "LinkBuds" シリーズの第1弾製品にあたるのが、本機WF-L900。
本機の特徴を筆者的にかいつまむと、以下の通りになる。
「耳を塞がない」新感覚の形状
メーカー史上最軽量の小型軽量さ
ナチュラルテイストなデザイン
まず最大の特徴なのは「耳孔部に穴が空いている」という、イヤホン・ヘッドホンとしては新感覚の形状。
元々ヘッドホンって、「外音を遮蔽することによる没入感」が特長の製品。
この特長はイヤホンの多くも引き継いでいて、ある意味で「メリットを自ら放棄した形状」とも言えるわけだ。
使用感が気になるところだけど、詳細については下項でレビューしていきたい!
2点めのサイズ・重量について。
本機は、(発売時点で)ソニーのフルワイヤレスイヤホン史上最小・最軽量を謳っている。
1点めの「穴あきスタイル」と合わせ、「付けていることを忘れる、使用感の軽さ」を目指した製品だと言えそうだ。
そして3点めの特長に挙げたいのはナチュラル感のあるデザイン。
ソニー製品は全般的に「硬質」というか、男性的でミニマムなデザインの製品が多い気がする。
本機は、そんな従来の製品イメージとは一線を画す「優しい雰囲気」が特徴。
筆者は「グレー色」を選択したけど、ケースの形状・色味もどこか「河原の小石」っぽい。
手に馴染む優しさが感じられる。
この辺りを「良しとするか」は、好みの問題。
従来製品の「尖った感じ」が好みな方も多いかもしれない。
…だけど、(製品のように)「人に優しく」が近年のソニーの重要テーマ(?)っぽいのも事実。
…好き嫌いはさておき、デザインの面でも「多くの人に愛用してほしい」というメーカーの意思を感じる。
ソニーのWF-L900:良い点と、イマイチな点
さてさて、そんなこんなで筆者が入手した、注目のワイヤレスイヤホン "LinkBuds" 。
結論から言うと、個人的な「スマホ向けイヤホンの決定版?」と思えるほど、本機を気に入って愛用中。
2ヶ月ほど愛用して感じた良い点・イマイチな点は、以下の通り。
(独特だけど)慣れれば快適な装着感
「完全ワイヤレス製品」としての優れた重心設計
「外音を聞き取れる」ことの安心感
音質は必要にして十分
自動調整機能は、もう少しチューニングが必要
本体タップによる調整は、稀に誤動作あり
「永年愛用可能」とは言えない点
以下にて、それぞれについて説明していきたい…!
独特だけど、慣れれば快適な装着感
慣れ親しんだ「耳孔に突っ込んで保持」というスタイルのイヤホンと比較すると、本機の装着性は独特。
ドライバーが格納された「リング部」と、本体部の「フィッティングサポーター」(5サイズが付属)を耳にはめて保持する形態になる。
「耳孔に突っ込んでいる」という感覚がなく、慣れないうちは「装着できているの?」となる。
…けど、慣れてしまえば至極快適な装着感。
通常のイヤホン・ヘッドホンでは気になる「耳周りの圧迫感」や「長時間の装着による、耳孔内のムレ」もない。
慣れてしまえば付けているのを忘れる装着性が魅力だと感じた。
「完全ワイヤレス製品」としての、優れた重心設計
前項(装着感について)と若干カブるけど、本機の特色を少し技術的な視点から見ていきたい。
「リング部」と「サポーター部」での固定による優れたフィット性だけど、この点には本体の優れた重心設計も関係していそうだと感じた。
ワイヤレスイヤホンにとって「最大のネック」なのは、装着中の落下などによる紛失。
個別の製品名を挙げるのは避けるけど、このタイプの製品には本体の重心バランスがイマイチな製品も多い。
で、そういった製品は落下→紛失の憂き目に合いやすいように思える。
具体的に述べると、「本体の重心が外向きな機種」がそれ。
本体のスペック(特にバッテリー容量など)を充実させようとすると、どうしても本体サイズを拡大したくなる。
すると「装着時に重心が外寄り」になる。
結果的に満員電車内などで「何かが耳に触れた時」などのちょっとした耳への衝撃で落下の憂き目に合うわけだ。
…ちょっと蛇足にはなるけど、特徴的なアップルの通称「耳からうどんデザイン」。
「重心」という観点で捉えると、この「耳うどん形状」って結構優れている。
「耳うどん形状」にはケース内で本体を保持するガイドだけではなく、装着時の重心を「下寄り」にする意味も込められているのだ。
重心を下に持ってくることで、外れるような衝撃が加わっても「『うどん部分』が耳孔に引っかかって留まる」ことが期待できる。
結果的にフィット感向上&落下防止に繋がるわけで、この辺り使い勝手に対するアップル製品の配慮には、抜かりのなさがある。
話を戻すと、本機に関しては「耳からうどん」とは異なるアプローチ。
前項で述べた保持形態に加えて「重心バランスを内向きにする」ことでフィット性を高めたと思われるのが本機なのだ。
具体的に説明すると、まずは本機の特徴でもある「本体の小型軽量化」。
さらにドライバーを格納する「リング部」の外装には、恐らく金属(軟鉄?)が採用されている。
リング部の金属部材には複数の意味があるはずだけど、その1つになっていそうなのが重りとしての役割。
本体を軽量化しリング部に重量を持たせることで、重量のバランスが「リング部寄り」になる。
結果的にフィット感が高まって不用意な落下にも強いことが期待できるわけだ!
「耳からうどん」とは別アプローチだけど、こうした細かな設計的配慮には日本製品らしさを感じる。
「外音を聞き取れる」ことの安心感
本機の最大の特徴は、「耳孔を塞がないスタイル」。
当然だけど、外部の音は遮蔽できない。というか丸聞こえ。
だけどスマホと併用しての屋外使用を前提とすれば、むしろ安心感がある。
屋外でのイヤホン使用時に「外音が聞こえない不便さ&危険性」がある場面って、実は結構多い。
具体的には駅内・通勤電車内のアナウンスとか、徒歩移動中のクルマの走行音など。
近年では「本体マイクを併用した外音取り込み機能」を備える機種も多い。
だけど切り替えの面倒くささも考えると、むしろ本機のように「丸聞こえ」な方が実用的。
(当然だけど)「丸聞こえ」形状の弊害として考えられるのは「音漏れ」。
だけど本機の音漏れ対策は割としっかりしていて、(通常レベルの音量なら)不思議と気になる音漏れが発生しないのも良い。
音質は必要にして十分
気になる音質について。
筆者自身がオーディオマニアではない点にはご留意いただきたいけど、(マニアでない限り)日常使いには何ら問題なく、ストレスを感じない音質だと感じた。
音源別に述べると、まずポップス・クラシックなどの「ボーカル&アコースティックな楽器」が主体の音源。
こうした音源では伸びやかさが感じられる。
本機のデザインイメージ通りのナチュラルな音質には好感が持てる。
一方で重低音の再現性が重要となる、ダンスミュージックなどの「打ち込み系の音源」。
構造的に密閉性が低い点が影響するのか、こうした音源に対する音質はいま一歩…。
外音を分離できないため、出先などでの騒音が大きい場面では「重低音不足」がより顕著になると感じた。
一般的な「ライトなヘッドホン&イヤホン」と似ているけど、本機には「中〜高音をメインとする音源」が特に似合いそうだ。
「重低音メインの音源を、ガッツリ聴く」用途向けには、より遮音性の高い製品を選ぶのが良さそうだと感じる。
自動調整機能は、もう少しチューニングが必要
以上、本機の「良い点」を見てきた。
以下では、イマイチに感じた点についても説明していきたい!
専用のスマホアプリを導入することで細かな設定変更が可能な点も、本機の特徴の1つ。
中でも「アダプティブボリュームコントロール」と呼ばれる、外音に応じた音量の自動調整機能を備える点が特徴となっている。
外部サイトのレビュー記事では概ね好評なようにも感じた本機能。
…だけど、筆者的にはイマイチに感じた。
本体内にスピーカーだけでなくマイクを備え、本体マイクが拾う音量に応じてボリューム調整をしてくれるのが、本機の方式。
具体的に述べると「外音がうるさい状況で、音量を上げる」といった動作になる。
機能自体は便利だけど、「ボリュームがフワッと上がる」際の効き方が大袈裟かつ不自然なのが、むしろ気になった。
ボリューム調整に関しては、「タップ動作で調整する」というマニュアル操作も可能。
筆者は自動調整機能をオフにしたけど、アプリで「自動ボリューム調整の効き具合」を弱めに設定できれば、違和感を減らせる気もした。
第1弾の製品でもあるので、この辺りは今後の製品改良にも期待したい…!
本体タップによる調整は、稀に誤動作あり
前項でも触れたけど、(多くのライバル機種と同様に)本機も「タップ動作による操作」が可能。
可能な操作は「再生・停止」「曲送り・曲戻し」「音量調整」など。
スマホアプリから、左右それぞれにお好みの機能を割り付けできる。
この辺は良くある感じだけど、本機で特徴的なのは「タップ動作の検出に本体マイクを使用」していると思しき点。
タップ検出用のセンサー・ボタンを備える機種も多いけど、そうした構造を持たないシンプル設計なわけだ。
結果的に本体の軽量化にも寄与できているはずで合理的な設計ではある。
…けど、現時点ではごく稀に誤検出が発生する点が気になった。
具体的に述べると、例えば「本機を装着しながら食事を取る」というシーン。
どうやら、「モグモグ…」(咀嚼)の伝導音をタップ音として誤検出することがあるようだ。
まあ「筆者の食べ方が汚い」のかもしれず、全く問題がない方もおられるかも。
だけど「誤検出に対する精度」は、検出アルゴの設定次第でもある。
第1弾の製品でもあるから、今後の製品改良・アップデートにも期待したい!
「永年愛用可能」とは言えない点
最後に挙げたいのは本機だけでなく「Bluetoothイヤホンの宿命」とも言うべきポイント。
スマホの進化と共に、より便利に・ストレスフリーに進化した完全ワイヤレスイヤホン。
残念ながら典型的なデジタル製品で、「5年・10年と愛用できるモノ」ではない。
使用頻度にもよるけど、基本的には「本体のバッテリーが劣化したら買い換える製品」だと捉えるべきだろう。
レコードやアンプ、スピーカーなどのアナログ系AV製品って「使い込める」点が魅力。
ワイヤード(コード付き)のヘッドホンもその延長線上にあり、それが「高価だけどファンが多い」理由の1つになっている。
一方、現在では肝心なスマホにヘッドホン端子がない製品が主流。
「永年愛用できるアナログ製品」は魅力的だけど、それらを求めてもただの愚痴(?)にしかならないのが現実。
「ロングライフな定番品」を推す当ブログとしては、やや残念ではある。
…のだけど、これは「デジタル化」に伴いカメラなどの多くの製品が辿ってきた道。
製品カテゴリーの特性上、「エイジングさせて永年使い込む逸品」ではないと割り切るのが良さそうだ。
まとめ:「ワイヤードの穴あきモデル」も、ラインナップを希望…!
今回は、筆者の最近のお気に入りから、ソニー (Sony) のワイヤレスイヤホン・ "LinkBuds" WF-L900についてレビューした。
(独特だけど)慣れれば快適な装着感
「完全ワイヤレス製品」としての優れた重心設計
「外音を聞き取れる」ことの安心感
音質は必要にして十分
自動調整機能は、もう少しチューニングが必要
本体タップによる調整は、稀に誤動作あり
「永年愛用可能」とは言えない点
「カジュアルにイヤホンを使う」という用途を踏まえると「どうして今までなかったのか!」と、目からウロコだと感じる。
それが本機の「穴あきスタイル」。
そこそこお値段もする本機だけど、むしろ数千円レベルの「カジュアル用途向けのワイヤードイヤホン」に展開しても良いさそうだと感じた。
なお製造的な観点で言うと、ドライバーが円形ではなくリング状になるのが、本機の特徴。
…だけどドライバーのキーデバイスとなる「ネオジム磁石や鉄板」にとって、実はリング形状ってそれほど珍しい形でもない。
(イヤホン用途としては珍しいけどね…。)
大量に製造できれば、それほどのコスト高にもならないのでは?とも期待できる。
将来性のある構造に思えたので、さまざまなタイプのイヤホン製品への展開にも期待したいと感じた!
ソニー ワイヤレスイヤホン LinkBuds WF-L900
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