こんにちは、物欲紳士です。
今回は、目まぐるしく移り変わるガジェット系製品の中では古い話だけど、ソニーのwena wrist proを【リストバンドとして使用してみた】ので、レビューしてみたい。
楽天EdyなどのICカードをリストバンドとして使いたい方
「ガジェットっぽくない感じ」でスマートウォッチを使いたい方
「スマートウォッチを使いたいけど、腕時計も併用したくて移行できない」という人は(少数派かもしれないけど)それなりにおられるかと思う。
腕時計が大好きで長年コレクトしている筆者もそのひとり。
また、生真面目な国民性のココ日本では、「職業柄、周りの目が厳しくて…」なんて人も多かろうと思う。
そんな方にも、参考の1つになれば幸いだ。
実際に使ってみてwenaの製品・サービスについて自分なりに考えたことも、最後に述べたい。
ブランド(ソニー)と、wena wristについて
ソニー (Sony) について
ソニー (Sony) は、日本の電機メーカー。
1946年創業。
おそらく国内で知らない人はほぼいない、日本を代表する「黒物家電」ブランドの1つ。
現在は金融・音楽・映画など、家電以外にも幅広く事業を展開している。
祖業のエレクトロニクス分野では、近年はゲームなどの情報・ネットワーク分野への進出も著しい。
下記の記事で、ソニー発の腕時計製品 "FES Watch" を紹介している。
合わせて見てみてほしい!
wena wristについて
wena wrist(ウェナ・リスト)は、ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた "wena project" 発の製品群。
"wena" とは、"wear electronics naturally"(エレクトロニクスを、自然に身につける)を略したものだそう。
スマートウォッチは「ガジェット感」があって、無機的で敷居が高い。
旧来の腕時計を好む人は、上のような考えを持つ「比較的、保守的な価値観の人」が多いのだろう。
wena wristは、そんな「スマートウォッチに興味はあるけど、腕時計も捨てがたい」と考える層がターゲットの製品だと言えそうだ。
この基本コンセプトを実現する方法として、腕時計の本体は残しつつ、バンドをスマートウォッチ化している点に特色がある。
それほど着目されていなかったバンドに注目することで、既存技術(腕時計)の価値観と、新技術(スマートウォッチ)の利便性の「ハイブリッド」を狙っているわけだ。
こういう発想からは、(一般的なイメージとは異なる?)ソニーの「日本企業らしさ」が垣間見えて、なかなか興味深い。
アップルウォッチを始めとするスマートウォッチは、腕時計の世界で言えば「黒船」。
黒船の来襲に対して、「ガチで対抗する」という考え方もあるけど、wena projectの発想は「『新規技術』と『既存の価値観』との、どちらにも融和的」なわけだ。
このような柔軟性(悪く言えば優柔不断さ)は「大河ドラマの世界」(幕末〜明治維新)なんかからも見いだせるところ。
よく言われる話だけど、新しいモノを上手く取り入れようとする受容性というのは、やっぱり日本人のDNAに根付いたものなのかもしれない。
ちょっと話が逸れたけど、筆者が保有しているのは "wena wrist pro"(2017年発売)。
2021年時点での最新モデルは "wena 3" で、今回レビューするのは旧製品ということになる。
エレクトロニクスの旧製品をレビューしても仕方がないし、色々なメディア等でされつくしている感もある…。
そこで本記事では「wena wristをリストバンドとして使う」ことをメインテーマとして、その方法・感想について書いてみたい!
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wena wristを「リストバンド化」する!
はじめに:wena wristの問題点
wena wristの主な課題、それは下記の2点だ。
① 多くの電子マネーに対応も、Suicaには未対応(だった)
② かざしづらい機器のある「バックル・スタイル」
上記のうち①は最新版 "wena 3" では改善し、ついにSuicaへの対応を果たした。
ただ、依然として②の原因となっている「バックルを高機能化する」というスタイルは不変だ。
何が問題なのかを説明したい。
手首の表側(手の甲側)に装着するスマートウォッチとは異なり、反対側の「手の平側」にスマートウォッチの機能を追加するのが、wena wristのスタイル。
駅の改札機などであれば、使い勝手上「バックル・スタイル」でも問題はない。
(実際のところ、JRはかなりの資金・マンパワーを投じて「(Suicaの)かざすスタイル」を開発している。
改札機など、機器のデザインも然り。)
ところが「かざす対象」が自販機とかになった瞬間、とたんにかざしづらくなるのだ。
「かざす対象」の読み取り面が垂直
読み取り部の高さは腰くらい
自分の身体と、読み取り部との距離は「半歩」(30〜50cm)くらい
「手首を『自販機のコイン投入口付近』にかざす」のをイメージして、試してみてほしい。
上の3つが重なった瞬間、「手首の裏側を読み取り部に近づける」のは、(関節の可動域的に)人類にはちょっと無理がある体勢だと分かる。
さらに自販機だけでなく、一部のATMやコンビニのレジ、コインロッカーなど、上の3点が揃う機器は結構存在し、なおかつ増加傾向にある。
逆に言えば、上の「3条件」のうち1つでも崩せば「バックル・スタイル」でも、ラクにかざすことが可能。
(半分ネタだけど)例としては上の写真のような「密着かざし」、「反転かざし」なんかがある。
…街中で怪しすぎるので、こんな体勢が必要なリストバンドは【一般向けには絶対普及しない】でしょう!(笑)
このように、wena wristが提案する「バックル・スタイル」は、相手機器との相性という点では課題があるとも言えるのだ。
目指すのは、本田△スタイル!
さらに言えば、本ブログでも一部をご紹介してきたけれど、筆者は腕時計を30本以上所有する、ちょっとしたマニア。
筆者のような層は少数派だろうけど、いかにバンドの機能が魅力的でも、日毎に腕時計のバンドをいちいち付け替えるのは面倒すぎる。
本体とバンドのデザインが合わない組合せも出てくるし、そもそもブレスレットだって腕時計の一部だからね…。
というわけで目指すのは、「左腕に腕時計、右腕に『リストバンド化』したwena」という、名付けて本田△スタイル!
「両腕に腕時計」という独自のスタイルを貫く、元サッカー日本代表・本田圭佑選手をオマージュしたスタイルとなっている…!
というわけで、このスタイルの実現に必須となる「wena wristを『リストバンド化』する方法」について考えてみる。
wena wrist(メタルバンド)をリストバンド化する方法
結論から書いてしまうと、方法は結構簡単。
wena wrist proの金属バンド版はその構造上、腕時計本体がないと手首に巻きつけられる「リング状」にはならない。
ところで腕時計本体と金属ブレスレット用のバックルだけど、どちらも「バネ棒」と呼ばれる部品で固定する方式が主流。
要するに固定方法が同じなので、本体の代わりに(バネ棒式の)バックルを持ってきても繋がるのだ。
こうして作ってみたのが、上写真の「Wバックル」スタイル。
表側(wena wrist本体)のバックルと、背面に付けたバックルのどちらで着脱するか、初めは迷うけれどすぐに慣れる。
このスタイルにするために必要な部品は、下記のような感じになる。
◆22mmのバックル付属の(安い)金属バンド(下記は一例)
◆(Cリングを取り外せる)時計バンド用工具
まず、「バックル取り用」にはwena wristに標準品の幅と同じ、【22mm幅】のバックルを使用する。
中国製のものなら、ECサイトで3000円くらいで購入可能。
あと今回の加工だけに限らないけど、ブレスレットの長さ調整には、専用工具があったほうが無難。
コマ間の連結部品(いわゆるCリング)は紛失しやすく、紛失すると面倒なので。
それほど高価な工具ではないので専用工具を入手した上、部品が飛んでいかない環境で作業するのがオススメではある。
人呼んで「本田△スタイル」の感想…
こうして完成した「本田△スタイル」。
wena wristの課題だった「かざしづらさ」も解消でき、多数の腕時計とも共存可能になった。
便利に活用するつもりだったけれど、結局はあまり使わなくなってしまった…。
理由は「リストバンド化したwena wrist」が「想定以上にゴツすぎた」から…。
単純に筆者の好みの問題だけど、左腕にクラシカルで華奢な腕時計をすると、左右でバランスが取れない感じになるのが、どうしても気になった。
結局は常時着用する感じではなく、シンプルな夏の軽装時に、アクセント的に使用している。
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ちょっと上の腕時計なんかに近い「SF感」があって、(腕時計とは共存させてないものの)これはこれで面白いかなとは思う…!
ちなみに、最新版の「wena 3」でも、同様の方法で「リストバンド化」は可能(なはず)。
Suicaだけでなく時刻表示まで付き、腕時計としても使えるように進化しているようだ。
さらに言えば「wena 3」の方が、筆者が抱いた「ゴツすぎる」「腕時計と合わない」という不満点も緩和されそうだ。
…だけど、個人的には「wena 3」で手打ちにするのは、まだ時期尚早かなと考えている。
まとめ:根元にあるコンセプトを、もっと掘り下げたい
この記事では「バックルを追加する加工」で "wena wrist pro" をリストバンド化してみた上で、筆者なりのスマートウォッチとの付き合い方について考えた。
色々と考えてはみたけれど、筆者だけでなくソニーも頭を悩ませる(?)「腕時計とスマートウォッチの共存問題」は、現時点では未解決のまま…。
ちょっと考えてしまったのは、「ソニーは "wena project" を通して、ウォッチバンドを作りたかったんだっけ?」ということ。
試しにwenaのコンセプト(*筆者の想像)と、この記事の内容をチャート化してみた。
wena wristの大目的は、あくまで「腕時計のスタイルと、スマートウォッチの機能の共存」(もしくはさらに上流?)。
「バンドにスマートウォッチ機能を実装する」のは、あくまで手段にすぎなかったはずだ。
「ウォッチバンドの進化」を追求してきた「想い」は理解するけど、バンド以外にも存在する「大目的を達成するための、他の手段」についても掘り下げてほしいのだ。
手段はいくつもあるけど、個人的に気になっているのは「バングル(的なもの)」。
スマートウォッチの機能を入れ込むには、主にサイズ面で更なる技術革新が必要だろうけど、いつの日にか実装できるようになるはず。
そもそも、現時点では「手首の細い女性のニーズに応えたサイズ感」になっているとは言い難く、別の面でも小型化の原動力がありそうだしね…。
さらに言えば、「本体の付属品であるバンド」よりも「バングル本体」の方がアクセサリーとして売りやすい (うまく作れば)売価を上げられる 儲かりそう! という点も見過ごせない。
わざわざ筆者が書くまでもなく、世界中のメーカーも、同様の内容を考えてはいるはず。
そして上のFitbit用の社外ベルトのように、wena wristよりも「この地平に近い商品」が販売されていたりもする。
筆者としては「腕時計とスマートウォッチの共存問題」について考えるのは、満足できる「スマートバングル(?)」が世に出るまで、一時的にお預けとしたいと考えた。
そしてその日が来るまでのwena wristの健闘にも、大いに期待したいと考えている…!
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