こんにちは、物欲紳士です。
今回は、目まぐるしく移り変わるガジェット系製品の中では古い話だけど、ソニーのwena wrist proを【リストバンドとして使用してみた】ので、レビューしてみたい。
楽天EdyなどのICカードをリストバンドとして使いたい方
「ガジェットっぽくない感じ」でスマートウォッチを使いたい方
「スマートウォッチを使いたいけど、腕時計も併用したくて移行できない」という人は(少数派かもしれないけど)それなりにおられるかと思う。
腕時計が大好きで長年コレクトしている筆者もそのひとり。
また、生真面目な国民性のココ日本では、「職業柄、周りの目が厳しくて…」なんて人も多かろうと思う。
そんな方にも、参考の1つになれば幸いだ。
実際に使ってみてwenaの製品・サービスについて自分なりに考えたことも、最後に述べたい。
ブランド(ソニー)と、wena wristについて
ソニー (Sony) について
ソニー (Sony) は、日本の電機メーカー。
1946年創業。
![ソニーセンター(ベルリン)](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/05/sony-center_640.jpg)
ソニーのベルリンでの拠点、ソニーセンター
おそらく国内で知らない人はほぼいない、日本を代表する「黒物家電」ブランドの1つ。
現在は金融・音楽・映画など、家電以外にも幅広く事業を展開している。
祖業のエレクトロニクス分野では、近年はゲームなどの情報・ネットワーク分野への進出も著しい。
下記の記事で、ソニー発の腕時計製品 "FES Watch" を紹介している。
合わせて見てみてほしい!
wena wristについて
wena wrist(ウェナ・リスト)は、ソニーの新規事業創出プログラムから生まれた "wena project" 発の製品群。
"wena" とは、"wear electronics naturally"(エレクトロニクスを、自然に身につける)を略したものだそう。
![wena wrist(着用イメージ)](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/05/58_wena-wrist_03.jpg)
バックル側にスマートウォッチの機能を搭載するというのが、wena wristのイメージになる
スマートウォッチは「ガジェット感」があって、無機的で敷居が高い。
旧来の腕時計を好む人は、上のような考えを持つ「比較的、保守的な価値観の人」が多いのだろう。
wena wristは、そんな「スマートウォッチに興味はあるけど、腕時計も捨てがたい」と考える層がターゲットの製品だと言えそうだ。
この基本コンセプトを実現する方法として、腕時計の本体は残しつつ、バンドをスマートウォッチ化している点に特色がある。
それほど着目されていなかったバンドに注目することで、既存技術(腕時計)の価値観と、新技術(スマートウォッチ)の利便性の「ハイブリッド」を狙っているわけだ。
こういう発想からは、(一般的なイメージとは異なる?)ソニーの「日本企業らしさ」が垣間見えて、なかなか興味深い。
![](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/05/sunrise-ship_640.jpg)
(★写真はイメージです)
アップルウォッチを始めとするスマートウォッチは、腕時計の世界で言えば「黒船」。
黒船の来襲に対して、「ガチで対抗する」という考え方もあるけど、wena projectの発想は「『新規技術』と『既存の価値観』との、どちらにも融和的」なわけだ。
![](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/05/samurai_640.jpg)
(写真はイメージです)
このような柔軟性(悪く言えば優柔不断さ)は「大河ドラマの世界」(幕末〜明治維新)なんかからも見いだせるところ。
よく言われる話だけど、新しいモノを上手く取り入れようとする受容性というのは、やっぱり日本人のDNAに根付いたものなのかもしれない。
ちょっと話が逸れたけど、筆者が保有しているのは "wena wrist pro"(2017年発売)。
2021年時点での最新モデルは "wena 3" で、今回レビューするのは旧製品ということになる。
エレクトロニクスの旧製品をレビューしても仕方がないし、色々なメディア等でされつくしている感もある…。
そこで本記事では「wena wristをリストバンドとして使う」ことをメインテーマとして、その方法・感想について書いてみたい!
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wena wristを「リストバンド化」する!
はじめに:wena wristの問題点
wena wristの主な課題、それは下記の2点だ。
① 多くの電子マネーに対応も、Suicaには未対応(だった)
② かざしづらい機器のある「バックル・スタイル」
上記のうち①は最新版 "wena 3" では改善し、ついにSuicaへの対応を果たした。
ただ、依然として②の原因となっている「バックルを高機能化する」というスタイルは不変だ。
何が問題なのかを説明したい。
手首の表側(手の甲側)に装着するスマートウォッチとは異なり、反対側の「手の平側」にスマートウォッチの機能を追加するのが、wena wristのスタイル。
駅の改札機などであれば、使い勝手上「バックル・スタイル」でも問題はない。
(実際のところ、JRはかなりの資金・マンパワーを投じて「(Suicaの)かざすスタイル」を開発している。
改札機など、機器のデザインも然り。)
ところが「かざす対象」が自販機とかになった瞬間、とたんにかざしづらくなるのだ。
「かざす対象」の読み取り面が垂直
読み取り部の高さは腰くらい
自分の身体と、読み取り部との距離は「半歩」(30〜50cm)くらい
「手首を『自販機のコイン投入口付近』にかざす」のをイメージして、試してみてほしい。
上の3つが重なった瞬間、「手首の裏側を読み取り部に近づける」のは、(関節の可動域的に)人類にはちょっと無理がある体勢だと分かる。
![ソニーのwena wrist(かざす)](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/06/58_wena-wrist_10.jpg)
絶対無理とは言わないけど、各関節が可動域の限界になり痛い…
さらに自販機だけでなく、一部のATMやコンビニのレジ、コインロッカーなど、上の3点が揃う機器は結構存在し、なおかつ増加傾向にある。
![「バックル・スタイル」のかざし方(イメージ)](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/06/58_wena-wrist_11.jpg)
(左)自販機に身体を超密着させる「密着かざし」、(右)かざす時だけ身体を華麗にターンさせる「反転かざし」
逆に言えば、上の「3条件」のうち1つでも崩せば「バックル・スタイル」でも、ラクにかざすことが可能。
(半分ネタだけど)例としては上の写真のような「密着かざし」、「反転かざし」なんかがある。
…街中で怪しすぎるので、こんな体勢が必要なリストバンドは【一般向けには絶対普及しない】でしょう!(笑)
このように、wena wristが提案する「バックル・スタイル」は、相手機器との相性という点では課題があるとも言えるのだ。
目指すのは、本田△スタイル!
さらに言えば、本ブログでも一部をご紹介してきたけれど、筆者は腕時計を30本以上所有する、ちょっとしたマニア。
筆者のような層は少数派だろうけど、いかにバンドの機能が魅力的でも、日毎に腕時計のバンドをいちいち付け替えるのは面倒すぎる。
本体とバンドのデザインが合わない組合せも出てくるし、そもそもブレスレットだって腕時計の一部だからね…。
というわけで目指すのは、「左腕に腕時計、右腕に『リストバンド化』したwena」という、名付けて本田△スタイル!
「両腕に腕時計」という独自のスタイルを貫く、元サッカー日本代表・本田圭佑選手をオマージュしたスタイルとなっている…!
というわけで、このスタイルの実現に必須となる「wena wristを『リストバンド化』する方法」について考えてみる。
wena wrist(メタルバンド)をリストバンド化する方法
結論から書いてしまうと、方法は結構簡単。
wena wrist proの金属バンド版はその構造上、腕時計本体がないと手首に巻きつけられる「リング状」にはならない。
ところで腕時計本体と金属ブレスレット用のバックルだけど、どちらも「バネ棒」と呼ばれる部品で固定する方式が主流。
要するに固定方法が同じなので、本体の代わりに(バネ棒式の)バックルを持ってきても繋がるのだ。
こうして作ってみたのが、上写真の「Wバックル」スタイル。
表側(wena wrist本体)のバックルと、背面に付けたバックルのどちらで着脱するか、初めは迷うけれどすぐに慣れる。
このスタイルにするために必要な部品は、下記のような感じになる。
◆22mmのバックル付属の(安い)金属バンド(下記は一例)
◆(Cリングを取り外せる)時計バンド用工具
まず、「バックル取り用」にはwena wristに標準品の幅と同じ、【22mm幅】のバックルを使用する。
中国製のものなら、ECサイトで3000円くらいで購入可能。
あと今回の加工だけに限らないけど、ブレスレットの長さ調整には、専用工具があったほうが無難。
コマ間の連結部品(いわゆるCリング)は紛失しやすく、紛失すると面倒なので。
それほど高価な工具ではないので専用工具を入手した上、部品が飛んでいかない環境で作業するのがオススメではある。
人呼んで「本田△スタイル」の感想…
こうして完成した「本田△スタイル」。
wena wristの課題だった「かざしづらさ」も解消でき、多数の腕時計とも共存可能になった。
便利に活用するつもりだったけれど、結局はあまり使わなくなってしまった…。
理由は「リストバンド化したwena wrist」が「想定以上にゴツすぎた」から…。
単純に筆者の好みの問題だけど、左腕にクラシカルで華奢な腕時計をすると、左右でバランスが取れない感じになるのが、どうしても気になった。
結局は常時着用する感じではなく、シンプルな夏の軽装時に、アクセント的に使用している。
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ちょっと上の腕時計なんかに近い「SF感」があって、(腕時計とは共存させてないものの)これはこれで面白いかなとは思う…!
ちなみに、最新版の「wena 3」でも、同様の方法で「リストバンド化」は可能(なはず)。
Suicaだけでなく時刻表示まで付き、腕時計としても使えるように進化しているようだ。
さらに言えば「wena 3」の方が、筆者が抱いた「ゴツすぎる」「腕時計と合わない」という不満点も緩和されそうだ。
…だけど、個人的には「wena 3」で手打ちにするのは、まだ時期尚早かなと考えている。
まとめ:根元にあるコンセプトを、もっと掘り下げたい
この記事では「バックルを追加する加工」で "wena wrist pro" をリストバンド化してみた上で、筆者なりのスマートウォッチとの付き合い方について考えた。
色々と考えてはみたけれど、筆者だけでなくソニーも頭を悩ませる(?)「腕時計とスマートウォッチの共存問題」は、現時点では未解決のまま…。
ちょっと考えてしまったのは、「ソニーは "wena project" を通して、ウォッチバンドを作りたかったんだっけ?」ということ。
試しにwenaのコンセプト(*筆者の想像)と、この記事の内容をチャート化してみた。
wena wristの大目的は、あくまで「腕時計のスタイルと、スマートウォッチの機能の共存」(もしくはさらに上流?)。
「バンドにスマートウォッチ機能を実装する」のは、あくまで手段にすぎなかったはずだ。
「ウォッチバンドの進化」を追求してきた「想い」は理解するけど、バンド以外にも存在する「大目的を達成するための、他の手段」についても掘り下げてほしいのだ。
![アクセサリー](https://gentle-man.jp/wp-content/uploads/2021/05/jewellery_640.jpg)
もしも「スマートバングル」が実現すれば、wenaのコンセプトに近い製品になりそうだ
手段はいくつもあるけど、個人的に気になっているのは「バングル(的なもの)」。
スマートウォッチの機能を入れ込むには、主にサイズ面で更なる技術革新が必要だろうけど、いつの日にか実装できるようになるはず。
そもそも、現時点では「手首の細い女性のニーズに応えたサイズ感」になっているとは言い難く、別の面でも小型化の原動力がありそうだしね…。
さらに言えば、「本体の付属品であるバンド」よりも「バングル本体」の方がアクセサリーとして売りやすい (うまく作れば)売価を上げられる 儲かりそう! という点も見過ごせない。
わざわざ筆者が書くまでもなく、世界中のメーカーも、同様の内容を考えてはいるはず。
そして上のFitbit用の社外ベルトのように、wena wristよりも「この地平に近い商品」が販売されていたりもする。
筆者としては「腕時計とスマートウォッチの共存問題」について考えるのは、満足できる「スマートバングル(?)」が世に出るまで、一時的にお預けとしたいと考えた。
そしてその日が来るまでのwena wristの健闘にも、大いに期待したいと考えている…!
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