こんにちは、物欲紳士です。
今回から2記事に分けて「昨今、巷で大人気なレザーブランド」について書きたい!
今回レビューするのはボナベンチュラ (Bonaventura) のiPhoneケース(&小物)。
ボナベンチュラのブランド概要
ボナベンチュラが使用するレザーについて
2種類のレザーを通算3年使用した上での魅力について
何かと気になるハイブランドとの違い
ここ数年、SNSをきっかけにお洒落な女性の間で人気に火がついたブランド。
今っぽさ全開のストーリーだけど、急速に人気沸騰したせいか有用なレビューが少ない気も(?)する…。
筆者はプロとか業界関係者ではないので、「内部情報」には詳しくない。
だけど、自分用の革小物は自分で製作する「自称・革製品マニア」。
今回はそんなマニアな視点も踏まえ、「…あのハイブランドと『同じ』って、それ本当??」という疑問にもお答えしてみたい!
★さらに後編では、通算3年使用した上での「イマイチな点」からの愛用のコツを考える!
(後編記事へは、記事の最後からもリンク可能です!)
ブランド(ボナベンチュラ)と製品(iPhoneケース)について
ボナベンチュラについて
ボナベンチュラ (Bonaventura) は、ミラノと東京に旗艦店を構える革製品ブランド。
2014年に創業。
「高級メゾン御用達」の上質素材を用い、高級感とコスパを両立した革小物で人気に火がついた。
まずボナベンチュラ製品の「顔」とも言えるのはiPhoneケース。
の写真の手帳型をはじめ、各種の形態をラインナップ。
各種の財布・革小物類も、素材の質感を生かした製品が揃う。
さらに近年はバッグ類も展開。
お出かけに最適なサイズからビジネス用途の製品まで、幅広いラインナップを展開。
素材については後述するけど、ボナベンチュラ製品は「世界中のブランドが評価する稀少皮革」をふんだんに使用。
一方で、有名ブランドがこだわるような「マニアックな仕立てや職人技」には手をかけすぎていない印象。
結果的に「高級感・十分な耐久性・コスパ」の3つを兼ね備える点が特徴だ。
それと素材の問題ではあるけど、「くすみ系」と「ペールトーン」の配色の妙もお洒落。
身も蓋もない言い方をすれば「エ◯メスっぽい色合わせ」ということになるけど、「都会的な女性のセンスや、合理的な感覚」にマッチした製品展開が魅力とも言えそうだ。
ボナベンチュラのレザーについて
使用しているレザーの魅力について、さらに掘り下げていきたい!
ボナベンチュラが主に使用するのは、独ペリンガー社で製造されたレザー。
ペリンガー (Perlinger-Leder) 社は、ドイツの著名なタンナー(皮革製造業者)。
ドイツの皮革産業が伝統的に得意とする「クロム鞣し(なめし)」の専業メーカー。
世界最高峰と評されるクロムレザーを手掛ける。
中でも有名なのが、ボナベンチュラのメイン素材でもあるシュランケンカーフ。
シュランケンカーフは「シュリンク加工」が施されたレザー。
「シュリンク加工」とは、薬剤を用いて革を縮ませる加工。
現れるシワの模様や深さはランダム。同じ革でも部位により異なる。
例えるなら「マスクメロンの模様」とも似ていて「1点1点に個性がある」のが面白い。
そもそもペリンガー社が手掛ける「クロム鞣し」は、近代的かつ合理的な皮革の製造方法。
さらにシュランケンカーフはシワ加工を施していて、見た目には「原料の良し悪し」が現れづらい。
…にも関わらず、素材には紳士靴などにも用いる高級素材のカーフ(仔牛革)を使用。
「合理性」と、対称的な「セレブっぽい贅沢さ」が同居している点も、面白い素材だと言えそうだ!
(公式情報ではないものの)「エ◯メスが使用」というウワサも、結構有名。
素材に一切の妥協をしない、高級メゾンから信頼を受けるのも頷ける。
で、シュランケンカーフの革としての特徴を列挙すると、①手触りの良さ ②発色の鮮やかさ ③お手入れのラクさ ④経年劣化の少なさ の4点。
「ふっくらモチモチ」という表現がピッタリな表面の手触りは、皮革としては独特。
よく「革製品の魅力」とされる「エイジングによるアジ」はほぼ出ないけど、水拭きのみのお手入れで、キレイなまま永く使える。
一言で言えば最高レベルの「アンチエイジング革」だと言えるわけだ。
ペリンガー社は他にも著名なレザーを製造しているけど、その他にボナベンチュラ製品で採用されているのがノブレッサカーフ。
こちらはシュランケンカーフとは異なり、プレス加工でシボ模様を付けた「型押しレザー」となる。
ノブレッサカーフの特徴は、強度と表面の均質性。
型押し加工には「シボ模様の付加」だけでなく革全体を圧縮する効果もある。
これにより「厚みの割には強い革」になり「コシ感」が強い質感・手触りとなるわけだ。
さらにプレス加工で模様を転写するため、表面のシボ模様の均一性が高いのも特徴。
以上のような違いがある一方、シュランケンカーフの特徴でも述べた「発色の良さ」「経年劣化の少なさ」「お手入れのラクさ」は、基本的にノブレッサカーフでも同じ。
各レザーの特徴をざっくりまとめると以下のようになる。
共通の特徴:色鮮やかでメンテが楽、さらにアンチエイジング
シュランケンカーフ:模様に個性があり、柔らかモチモチ肌
ノブレッサカーフ:「のっぺり」していて個体差が少ない、コシがある
★まあ実際のところ、数年使用するととはちょっと異なる一面も見えてくるのですが…。
詳細については後編記事でレビューしたい…!
ボナベンチュラのiPhoneケースについて
引き続き、ボナベンチュラの看板商品のiPhoneケースの概要を見ていきたい!
形状的に最も定番なのは、のダイアリーケース(手帳型)。
それとブランドではバックカバーケースと呼ぶ、貼り革で仕上げたシンプルなハードケース。
背面側にカードポケットを追加したバージョンも存在。
素材については、ブランド定番素材の「シュランケンカーフ」と「ノブレッサカーフ」は、基本的に各タイプで選べる。
さらに豊富なカラバリを備えるのも特徴。
ダイアリーケースについては「内外装が異なる2トーン」もあり、カラバリが豊富。
さらにiPhone旧機種向けのモデルもあり、合計するとバリエーション数はメチャ多い。
旧機種を愛用中の方も含め、iPhoneユーザーならば好みに合うケースが見つかるはずだ…!
ボナベンチュラのiPhoneケース:製品の魅力
「センスの良さに惹かれる高感度な方」だけでなく、筆者のような「革マニア」も注目のボナベンチュラ。
我が家では、2種類のボナベンチュラ製品を愛用中。
1つ目はダイヤリーケースで、筆者から妻にプレゼントしたもの。
妻は元々、筆者が手造りしたスマホケースを使用していた。
…ところが小癪にも(?)「ブランド製品が欲しい」とか言い出した ので購入。
妻は2世代に渡り愛用していて、先代のシュランケンカーフのモデルは約2年使用。
諸般の事情(★後編で説明)でノブレッサカーフの製品に乗り換え、約1年使用している。
それとiPhoneケースではないけど、筆者自身はポケットティッシュケースを使用中。
…こんな感じで通算3年使用した上での魅力をまとめると以下になる。
レザー素材の素晴らしさ
ライフタイム保証のインナーケースがお洒落
高級感のある包装でプレゼントにも好適
バランス感のあるコスパ
以下で、順を追って説明していきたい!
レザー素材の素晴らしさ
素材の概要については前述したので、ここでは個人的な感想をレビューしたい。
シュランケンカーフとノブレッサカーフは、世界的にも定評がある高級レザー。
妻の愛用品も含めて時々チェックするけど、やっぱり良い。
それぞれに魅力があり「どちらが高級」とかはない。
最終的には好みの問題だけど、個人的に筆者が好きなのはシュランケンカーフかな。
シュランケンカーフは、「あのハイブランドが…!」みたいな「枕詞の分かりやすさ」が先に立ってしまう素材。
だけど実物を使うと、やはり良い。
高感度なブランド&ユーザーから支持を受けるのも納得。
まず「シュリンク模様の陰影や個性」が美しいし、クロムレザーの魅力でもある「柔らかさ」を突き詰めた手触りも、上質そのもの。
対するノブレッサカーフは、比較してしまうと表面の表情に「のっぺりした印象」を受ける。
ただ、型押し加工に起因する「しっかり感」や「シボの均一性」は、ノブレッサカーフの良さ。
結局は好みの問題なので、迷われる場合はお店で実物を確認されるのも良い!
ライフタイム保証のインナーケースもお洒落
ボナベンチュラ製品の上質感って、8割くらいは「レザーの高級感」から来ている気もする。
だけど革以外の素材、例えばスマホ本体を固定するインナーケースなんかもお洒落。
手抜かりのないセンスを感じて、気分が良い。
ベース素材は樹脂だけど、金属っぽい表面仕上げになっていてかなり高級感がある。
「樹脂の表面を金属っぽくする」仕上げ方はいくつかあるけど、おそらくメタリックな色味の塗装と思われる。
「どうやって作っているのか?」は細かい話だけど、このインナーケースを見て「ライバルも色々とパクりだした」のは事実なのだろう。笑
なおベース素材は樹脂なので、長年の使用で落下→破損する懸念もある。
そんな懸念に対しては「インナーケースの修理(交換)はライフタイム保証」を謳うサービスの良さも、安心だし印象が良い。
高級感のある包装で、プレゼントにも好適
製品自体からは離れるけど、購入時に付属する包装箱も、想像以上に立派。
布張りされた上にマグネットが仕込まれていて、非常に高級感がある。
筆者自身はハイブランド直営店で購入した経験はないけど、その感覚に通じそうな高揚感が得られる「仕掛け」。
分析的な言い方になるけど、ブランドを立ち上げた方はハイブランドのビジネスを相当研究して、製品以外の面でも「良さ」を取り入れているのだろう。
小物(ティッシュケース)の包装箱はやや簡略的だったけど、基本デザインは同じだった。
ポケットティッシュケースはプチプラ商品だけど、包装箱だけでメチャ「高見え」する。
…ので、小物類をプレゼント用に購入するのもオススメ。
バランス感のあるコスパ
高級素材をふんだんに使用した、ボナベンチュラの製品。
一方でバランス感覚を失わないコスパも魅力。
ただしその「コスパ感」は、製品によっても変わってくる。
小物類は、特にコスパが良い。
例えば筆者も愛用中のポケットティッシュケースは、(原稿執筆時点 (22.06) で)4,000円チョイで「非常にお得」。
看板商品のiPhoneケースは、だいたい1万円〜2万円くらいのレンジ。
お財布も似たコスパ感で、(小物ほどではないけど)コスパは良好。
対してバッグなどの大型商品は、率直に言うと小物類ほどのコスパ感はない。
ブリーフケースのような本格的な仕立てのものは、10万円台〜20万円アンダーくらい。
「モノの良さ」を味わう観点ではバッグって良い製品だけど、価格を考えると敷居が高め。
「敷居の低さ」の面では小物が良いけど、例えばティッシュケースってそれほど頻繁に手に取るモノでもない。
コスパも良い上に実際に手にする時間も長いのが、スマホケース。
まずはiPhoneケースを「入門編」として使い、「良さ」を感じたら他製品にも手を広げるのも良いだろう!
ハイブランドとの違いは?
「製品によるコスパの差」と「素材&工程の吟味」
ここでは前項で述べた「製品サイズにより、コスパ感が異なる理由」から、「ハイブランドと『同じ』って本当なの?」という疑問について考えてみたい!
まず「製品サイズによる、コスパ感の差の理由」への筆者見解をざっくり述べると、それは素材などの吟味に掛かるコストの差だと考えている。
「吟味」の観点で言うと、最強なのはハイブランド。
一言で「ハイブランド」と言っても様々だけど、中でも「トップ・オブ・ザ・トップ」の「エ◯メス」は別格。
例えば、の写真を見てほしい。
筆者の私物で、同じシュランケンカーフを用いた他社ブランド製品(★ブランド名は伏せる)だけど、パーツ間でシボ模様に明らかな差異がある。
天然素材だしシボ模様に個体差があるレザーなので、筆者自身は気にしていない。
…けど、見方によってはアラに見えてしまうのも事実。
◆◆◆◆
エ◯メス製品の場合、同じ素材を用いていても「(新品なのに)ユーザー目線で分かるようなアラが見える」ようなことは、まず起き得ない。
要するに単に「素材が高級」なだけではなく、「審美性の追求」だけのために素材(・工程)の「吟味」にコストをかけまくっているわけだ。
一方、ボナベンチュラは高級メゾンではない。
当然だけど、「素材などの吟味」にそれほどのコストは掛けられない。
だけど筆者が店頭で製品を見る限り、上掲した他ブランド製品のような「パッと見て、アラにも見える製品」に出くわした記憶もない。
要するに「パーツを上手に組み合わせて使うこと」も含めて「可能な限りの努力をしていそう」だと想像できるわけだ。
さて、製品サイズによるコスパ感の差に話を戻したい。
素材などを吟味する前提で「アラを目立たなくするのにかかるコスト」って、実は製品サイズによっても相当変わってくる。
例えばシンプルなティッシュケースの場合、パーツ自体が小さいので材料を確保するのは比較的容易。
…というか、むしろ余った革で製造できてしまう場合もあるかもしれない。
一方でバッグなど場合、1つ1つのパーツが大きいし部品数も多い。
パーツが大きいということは、まず必要な「全体が均一な材料」を確保すること自体が難しい。
さらに部品点数も多いわけで、「吟味」にかかる手間&コストが爆増してしまうわけだ。
以上から言えること!
長々と書いてしまったけれど、以上から言えそうなことは3点ある。
まず第1に、「エ◯メスと同じ革!」と一言で言っても「厳密な意味で全く同一」ではない。
素材メーカーの目線で言えば「売れる素材で、価値は同じ」という理屈にはなるのかも。
だけど、ブランド側で実際に製品を造る段階での「吟味」のレベルが、(おそらく)異なるわけだ。
冷静に考えれば、「ハンドバッグが1個で200万円」とかするのがエ◯メス。
「こだわっている項目」は素材だけでなく、ほぼ全ての面にわたる。もはや一種の芸術。
「適当に作れば、ブランドタグだけで言い値で商売できる」なんてことがあるはずもなく、当然と言えば当然の話ではある。
第2にボナベンチュラについては、(筆者が見る限り)素材の吟味なども「頑張っている」。
同じ素材を用いても「それなり」なブランドもある中、(私感だけど)店頭で「ん…?」となる製品を見ない印象。
さらに製品サイズによるコスパ感の差も「『頑張っている』ことの裏返し」だと想像できるわけだ。
◆◆◆◆
最後に述べたいのは、以上からの筆者的にオススメの購入方法について。
小物類(スマホケース含む)に関してはコスパも良いし、ネットで購入しても「想像と違った!」となる可能性は低い。
入手性が良くなることを踏まえるとECサイトでの購入がオススメ。
一方の大型商品(バッグなど)は、高価な上に製造時の「アラ消し」も難しい。
「返品が必要にならないか?」の観点で、やや心配が出てくる。
面倒を避ける意味でも可能なら店舗に赴き、現品を直接確認した上で購入するのがオススメだ!
まとめ:重要なのは「バランス感覚」!?
今回はボナベンチュラ (Bonaventura) のiPhoneケースを題材に、ブランドや素材の特徴、ハイブランドとの違いについて考えてみた。
レザー素材が素晴らしい
永久保証のインナーケースがお洒落
高級感のある包装
バランス感のあるコスパ
共通の特徴:色鮮やかでメンテが楽、さらにアンチエイジング
シュランケンカーフ:模様に個性があり、柔らかモチモチ肌
ノブレッサカーフ:「のっぺり」していて個体差が少ない、コシがある
「ボナベンチュラについて!」と言いつつ、ハイブランドへの「想い」も滲み出る内容(?)になってしまった気もする…。
今回のテーマから逸れるので詳細は書かなかったけど、やはり「トップ・オブ・ザ・トップ」のエ◯メスは別格。
筆者のような「素人クラフター」だけでなく、プロの方にとっても「神様と同格の存在」と言っても過言ではない。
そんな「想い」もあって本文では「『同じ』とかはないでしょ!」となり、さらに「こだわっているから凄い!」みたいな書き方になってしまった。
だけど実際のところ「贅沢なのが良いのか?」というと、それはまた別の問題でもある。
「贅沢で高級」だということは「資源のロス」にも直結する。
サステナビリティが叫ばれる今日では微妙な側面があるのも事実。
…かといって反対に「全てがZARA&ユニクロだったら良いのか?」と言うと、そういう話でもない。
対極にあるハイブランドの技術や製品は一種の「芸術」。私たちの文明の一つの到達点でもあるからだ。
(ちょっと大袈裟だけど)「『ムダ』な要素を全否定する」のは「文明・文化の否定」、ひいては「私たち一人ひとりの存在意義の否定」にも繋がりかねない。
要するに、簡単に結論を出せるような問題ではないわけだ。
…ゴチャゴチャと書いたけど、そこで重要になるのが「メリハリとかバランス感覚」なのではないかとも思える。
ボナベンチュラの魅力でもある「高級感&耐久性&コスパのバランス」って、「『モノの価値』と合理性」との間の、ある種の「折り合い」を示しているようにも感じるのだ。
「上質だけど合理的なモノを、永く使う」ことって、時代の要請としても価値のあること。
そんな考え方に共感される方は、ぜひぜひボナベンチュラ製品を手にとってみてほしい!
◆◆◆◆
…と、長々と書いておいてナンなのですが、(数年使用した結果)「永く使う」には色々と対策・コツが必要なことも判明している…。
後編ではボナベンチュラ製品を数年愛用した上での「イマイチな点」から、永く愛用するためのコツについても考えてみたい!(後編へ続く)
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