こんにちは。物欲紳士です。
今回は前編 に引き続き、お洒落な女性に大人気のレザーブランド・ボナベンチュラ (Bonaventura) について書きたい!
ボナベンチュラのスマホケースを使用した上でのイマイチな点
イマイチな点を踏まえた、永く愛用するためのコツ
前回記事ではブランド・素材の紹介から、何かと話題(?)のハイブランドとの違いについて書いた。
今回はネット上でチラホラ聞かれる「耐久性が低い?」という懸念に対し、実際のところを書いていきたい!
しっかり「永く愛用できるコツ」に繋がる内容にしたいので、お付き合いいただけますと幸いです…!
ではでは、早速行ってみたい!
ボナベンチュラのiPhoneケース:イマイチな点
我が家のボナベンチュラのiPhoneケースは妻が2代に渡って愛用。
最初のモデルはシュランケンカーフの製品で、約2年間使用。
現在使用しているのはノブレッサカーフの方で、約1年間使用している。
通算3年間使用した上でのイマイチな点は、下記の3点。
主に耐久性に関する項目になっている。
長期使用による内装の黒ずみ(シュランケンカーフ)
部分的に裏貼りがない箇所がある(シュランケンカーフ)
初期段階での屈曲部の硬さ(ノブレッサカーフ)
コバ部の塗料の経年劣化(共通?)
それぞれについて、下記で掘り下げていきたい!
長期使用による内装の黒ずみ
最も根本的なのが「内装が黒ずんでしまう」という問題。
シュランケンカーフの方を約2年間使用した結果、のような感じになりました。
え〜マジですか… これは相当見苦しい…。
でも前編で紹介したように、シュランケンカーフは最高レベルの「アンチエイジング革」。
このままだと前回記事の内容と矛盾するというか、筆者がウソをついているという話になってしまう…。
ので、(ちょっと長くなるけど)まずは「素材は悪くない」ことが分かるように説明したい!
まず写真が、ボナベンチュラ製品の前に妻が使用していたスマホケース。
素材はヌメ革で、筆者が適当に自作したモノ。
「アジが出た」と言えば聞こえは良いけど、爪痕だらけなのが分かる。
一方の、今回のボナベンチュラ製のiPhoneケース(シュランケンカーフ)。
キズ1つ付いていないことが分かる。
同様に、は筆者が綺麗に使い続けて妻に1ヶ月だけ貸した国内某ブランドのレザーブリーフ。
素材はヤギ革。シュランケンカーフではない。
たった1ヶ月で爪痕だらけな上、一部は銀面(表皮)が剥がれている。
1ヶ月で、どうしてそうなったのか理解不能…
次には妻が約5年間、仕事の日にほぼ毎日使用したル・ボナーのタンクトート。
ル・ボナー (Le Bonheur) は別記事でも紹介 したけど、ボナベンチュラも使う「欧州タンナーの革の良さ」を国内で広めた、言わば伝道師的なブランド。
このトートバッグも素材はペリンガー社のシュランケンカーフ。
雨の日も風の日も使用。
ちょっと「クッタリ感」は出たけど、シミもないしほぼ無傷!
以上からお分かりいただけたように、シュランケンカーフは柔軟性が高くて革製品に対してラフな扱いをされる方でも綺麗に愛用できるレザーなのだ。
つまり「アンチエイジング革」という表現にウソ偽りは全くございません!
にもかかわらず(繰り返しだけど)スマホケースの内装では、約2年でのような状態に…。
その理由を一言で言うと、「手に触れる時間の長さ」。
現代人がスマホを使う時間って、個人差はあるけどメチャクチャ長い。
1日数時間レベルはザラ。そうすると「年間1000時間以上」とかになる。
なので手帳型ケースの場合、内装側を触る時間が超長い。
近しいカテゴリーの「お財布」なんかと比較しても、手が触れる時間が2ケタ分くらいは長いわけだ。
シュランケンカーフは水にも強いけど、数千時間も手に触れられると、さすがにお手上げ。
「アンチエイジング革の限界」が見えたのが、今回の内装の黒ずみだと言えそうだ!
◆◇◆◇◆
さらに良くないことに、(素人の技術では)一旦黒ずむと修復はできません!
今回は 「白スニの汚れが、メチャ落ちる!」ことで有名なクリーナーを試した。
(筆者が知る限り、皮革に使える最強クリーナー!)
写真の枠内(2箇所)が、クリーナーを使った箇所。
結論から言うと「期待したほど落ちない」。
厳密に言うと「床面(毛羽立った裏面、上写真右側)の汚れ」は、結構落ちる。
あとは毛並みを適当に整えれば、クリーニングできそう。
だけど銀面(表皮、上写真左側)は「若干くすみが明るくなるものの、落ちない」という結果で諦めました…。
★当然だけど消しゴムとか使っても全然無理ですよ…。
元が「アンチエイジング革」なだけに、一旦汚れが付くと落とすのも困難だということだろう。
…長くなったけど、以上がシュランケンカーフ製品を2年使用した結果。
◆◇◆◇◆
次にノブレッサカーフ製品の方を見てみたい。
約1年間使用したノブレッサカーフ製品の現況は、のような感じ。
ノブレッサカーフの方はほぼ汚れていない。これは良い…!
理由だけど、ボナベンチュラのWebページ
BONAVENTURAでは、レザーの製造工程で ペリンガー社と共同開発したナノガラスコーティング(撥水加工)を施しています。
とある。
要するに防汚目的のコーティングが施されていて、こちらが効果を発揮している可能性もある。
ただWebをよ〜く見ると、シュランケンカーフの説明
結局、どういうことなのかはちょっと不明。
ノブレッサカーフの「革質のコシ(=繊維の締まり)」が汚れの染み込みづらさに繋がっているか、
もしくは我が家のシュランケンカーフ製品が「防汚コートのない旧仕様」とかだった可能性も?ある。
(このあたり、機会があればブランドの方にお話を伺いたくはある!)
少なくとも現時点で筆者が言えることは、「内装が明るい色味の製品」を選ぶ場合、永く使いたいのならノブレッサカーフ製品の方が断然オススメだということ!
なお防汚コートについては、コーティング効果を維持するスプレーも別売されている。
我が家では使用してないけど、黒ずみが気になる方は併用するとより万全だ!
部分的に裏貼りがない箇所がある
先ほど少し触れたけど、シュランケンカーフのダイアリーケースは内装の一部に裏貼りがない仕様。
こちらも、人によっては気になるかも…。
ただしこの点は製品改良がなされたようで、3年前の製品は床面(革の裏側)の色が外装側と同じ色だったけど、
現行製品では床面を見せつつ、内装側と同一色になるよう染色が追加されている。
外見的により統一感が感じられる仕様になった。
一応擁護すると、シュランケンカーフの裏面は「ちょっとスエードっぽい」。
材料の特性を活かした仕様で、個人的にはセンスも感じる。
ただし「裏張りがない箇所」って、ケースを使うシーンでは結構目立つのも事実。
さらに前述の「黒ずみ問題」も考えると「何かイヤだ!」となるのも理解できる。
この点で見ても、ノブレッサカーフのモデルは全面に裏貼りがある仕様。
内装の仕様面でも、ノブレッサカーフ製品の方が上品にまとまっている印象ではある。
初期段階での、屈曲部の硬さ
ただ、好感が持てるノブレッサカーフ製品の内装にも「裏返しとなるデメリット」がある。
そのデメリットとは、裏貼りが追加された影響もあり「屈曲部が(初期は)硬い」という点。
硬いだけなら良いけど「見苦しいシワにも繋がりそうな点」は、ちょっと気になる。
そもそも論として「屈曲させる部分は、強度が低い」のが理想。
分かりやすい例が靴。「履きづらい靴」って「屈曲部が硬すぎる」ことがほとんど。
革靴からスニーカーに至るまで「耐久性は高く、曲げ強度は低く、しなやか」なのが履きやすい靴。
ノブレッサカーフ製品の屈曲部は「2枚の革を貼り合わせた仕様」。
元々ハリがある革質な上、貼り合わせることでさらに硬くなっている。
なので革が硬い新品の状態で写真のように使うと、表側に深いシワが付く可能性がある。
オススメの使い方としては、
最初の「数週間〜1ヶ月」くらいは写真のように使い、革を徐々に馴染ませる。
「ギブスが取れた後のリハビリ」と同じで、繰り返しの曲げを少しずつ加えていき革を馴染ませるわけだ。
ちょっと根気が要るけど、革を柔らかくしながら可動範囲を増やすことで見苦しいシワが入るリスクを最小化できる。
コバ部の塗料の経年劣化
あと気になるのは「外周部(コバ)の塗料」の経年変化に伴う剥がれ。
2年間使用したシュランケンカーフ製品は、手に触れる部分が写真のように変化した。
◆◇◆◇◆
最も耐久性があるコバの仕立ては「切り目磨き」と呼ばれる仕上げ。
裁断面を(染料で染めた上)糊やロウで固めて磨く。
ただボナベンチュラが使用する「クロム鞣し(なめし)」革の場合は材料の特性上、「切り目を磨く」仕上げはできない。
仮に高級メゾン製品だとしても、今回のような「上から塗料を被せて隠す」仕上げとなる。
スマホケースのような過酷な使用条件下では(程度に差はあれ)経年劣化は避けられないわけだ。
ただしこちらは「黒ずみ問題」とは異なり、大した問題ではない。
持ち込み修理も可能だろうけど、DIYショップ(ハンズとか)で売っている安価な道具で自分でカンタンに塗り直しが可能。
筆者的には「やれば終わる作業」なので後回しにしているけど、どこかで別途記事に書きたい!
さらに言うと、使用中(1年経過)のノブレッサカーフ製品の方は、まだ目立つ経年劣化は見られない。
年数を揃えて比較する必要があるけど、コバの耐久性って「レザー素材の違い」よりも「塗料の種類・塗り方」が影響するはずの要素。
なので、「塗料そのもの」か「塗り方(下地剤など)」が改良された可能性もありそうだ。
以上まとめると、様々な意味で2代目(ノブレッサ)の方が初代(シュランケンカーフ)よりも耐久性が高そうだと感じる。
製品の課題がブランドにフィードバックされ、地道な改善がなされているのかもしれない!
製品の選び方と、愛用のコツ!
愛用のコツをまとめる!
新興ブランドなだけあり、様々な面で「日常的な製品改良」が行われていることも想像できる内容だった。
とりあえず筆者が確認できた範囲で「愛用のコツ」をまとめたい。
まず製品の選び方について。
シュランケンカーフ製品を選ぶ場合は、内装色がダークトーンのものを選ぶ。
これは「黒ずみ問題」への対応。色味が黒・紺・焦茶とかなら、黒ずみも目立たない。
次に明るめの内装色の製品を選びたい場合は、ノブレッサカーフ製品を選ぶ。
そしてノブレッサカーフ製品を使うにあたっては、初期の屈曲部の「慣らし」をじっくり行おう。
最後に経年劣化によるコバ剥がれについては、
信頼できるお店に修理依頼するか、自分で塗り直す。
よほど不器用でない限り、塗り直しも簡単。DIYもオススメ!
(★おまけ)物欲紳士的な「つくってほしい商品」
以下は蛇足だけど、今回の内容から「ボナベンチュラさまにつくってほしい商品仕様(筆者妄想)」についても書きたい。
★ご興味ない方は 記事のまとめ へ移動
まず、シュランケンカーフ製品で「外装色は淡色系&内装は濃色系」のカラバリが欲しい!
筆者の「基本的な立場」はシュランケンカーフのファン。
できればシュランケンカーフ製品を選びたいけど、「黒ずみ問題」を踏まえると「内装が淡色系のシュランケンカーフ」のモデルは選びづらい。
ボナベンチュラの「バイカラー(2トーン)のモデル」は、軽やかな色味でセンスが良い。
…だけど経年変化した姿を想像してしまうと「色合わせの妙」には妥協の余地がありそうだと感じる…。
次に「外装はシュランケンカーフ、内装はノブレッサカーフ」の素材違い商品を造ってほしい!
製品バリエーションがますます増えるのが痛いところだけど、「2素材のいいところ」を組み合わせた素材配置ではないかと感じている!
その場合、内装は床面(革の裏側)を見せない仕様にしていただけるとベターかな。
…と思ったら、ボナベンチュラには「カスタマイズオーダー」もあり、革材と色の選択はパーツ単位から組み合わせも可能だった。
いや〜、至れり尽くせり。抜かりがない!
◆◇◆◇◆
それと最後にワガママ放題(?)だけど、床面を見せない仕上げの場合に「屈曲部をしなやかにする仕立て方」も、(コストに影響しない範囲で)取り入れて欲しい!
筆者的に特に改善してほしいと感じたのは「内外装革の貼り合わせ」。
縫製の前段階で2枚の革を貼り合わせるのだけど、おそらく全面を貼り合わせている。
詳細な理屈は省くけど、この方法だと屈曲部の強度が激増してしまう。
初期段階で表裏の革の表面に力がかかり「深いシワが入る」原因になるわけだ。
例えば筆者が2つ折り財布を造る場合、表裏の革を貼り合わせるのはステッチの周辺部のみ。
一旦ステッチを入れてしまえば、接着の役割って「コバ部の接合面の割れ防止」のみ。
全面を貼り合わせる必要性はないわけだ!
まとめ:「永年愛用できるコツ」は、きちんと存在!
今回はボナベンチュラ (Bonaventura) のiPhoneケース(ダイアリーケース)を通算3年使用した上で、「イマイチな点」からの「愛用のコツ」について考えてみた!
長期使用による内装の黒ずみ
ノブレッサカーフ製品を選択、純正ケア用品を使用
部分的に裏貼りがない箇所がある
ノブレッサカーフ製品を選択
初期段階の屈曲部の硬さ
屈曲部の「慣らし」を行う
コバ部の塗料の経年劣化
修理依頼も良いけどDIYも簡単
売れ筋商品だけに、耐久性に関してネット上で色々なウワサがある。
一部の項目は「製品の選び方」にも関わる内容だけど、全ての課題に対策があると言えそうだ!
細部を見るに、継続的に製品仕様の改変・改善が行われていそうでもある。
記事の内容が最新でない可能性もあるけど、筆者はブランド関係者ではないので内部情報は一切存じ上げない。
この点はご了承願いたいと思う!
ユーザー側からすると「コツさえ分かれば問題ない」と思うけど、ブランド側からすれば「コツを意識せずに使える製品を目指したい!」となりそうではある。
今後の製品改良に期待したいし、機会があれば他製品もレビューしてみたいと考えている!
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