こんにちは、物欲紳士です。
この記事では、筆者自身がうら若き20代の頃から愛用しているフライトジャケット、ショットのType G-1をレビューしたい。
男っぽい革ジャンを着たい方
細身でフィット感のある革ジャンがほしい方
バイク向けなどに、防寒性・防風性のある革ジャンがほしい方
G-1ジャケットは「軍モノの革ジャンの名作」と言われるものの1つ。レビューを通じて、G-1ジャケットの魅力についても考えたい。
ブランド(Schott)と、Type G-1について
ショット(Schott)について
ショット(Schott)は、米国のアウターウェア(ジャケット・コート)のメーカー。
創業は100年ほど前。その歴史の中で数々の銘品を生み出している。
20世紀の米国のカジュアルウェア史を体現するブランドの1つ、と言っても過言ではないだろう。
最も著名な製品は、20世紀後半のバイク文化(※ヒッピー文化等に関連)を彩ったことで知られるライダースジャケット。
一方で、米軍向けに供給されていたコートや、フライトジャケットも有名。
米軍向けのコートの看板商品、Pコート(740N)について、別記事でレビューしている。
合わせて見ていただければと思う!
G-1ジャケット(Type G-1)について
G-1ジャケット(Type G-1)は、米国海軍のフライトジャケット。
1950年に登場。
フライトジャケットというのは、空軍機の乗組員が乗務時に着用するためのジャケット。
他の軍服の例に漏れず、民間に出回ることで多くの「ジャンパー」の起源になっている。(MA-1、N-3Bなどが著名)
飛行機が発明されたのが1903年だから、フライトジャケットの歴史も20世紀から始まる。
初期のフライトジャケットの素材、それは「革」。
そこからよりハイテクで高機能なナイロンジャケット(MA-1など)が出現して、現在に至る。
Type G-1は、米国陸軍のType A-2と双璧をなし、「革素材のフライトジャケット」の名作として知られている。
陸軍系のType A-2については、下記のレビュー記事も見てほしい!
以下では私物のレビューを通じて、G-1ジャケットの特徴・魅力を考えてみたい。
ショットのType G-1(#675)のレビュー
筆者が愛用しているG-1は、ショットが1990年代の初頭まで生産していたミルスペック品を、2000年代に復刻したもの。
ショットのG-1(#675)の魅力
このジャケットが魅力的だと思うポイントは、下記の3点。
防寒性と着こなしの両面で役割を果たす、襟のボア
ダボつきのない、スマートなシルエット
冬場でも、そこそこ乗り切れる防寒性
雨や湿気を過剰に気にする必要のない耐雨性
下記で、詳細について説明していく。
防寒性と着こなしの両面で役割を果たす、襟のボア
G-1の見た目の1番の特徴は、何と言っても襟のボア。
このボアはリアルムートンというのが定石。このお陰で、首周りの防寒性が高まる点もポイント。
また、「襟のボリューム感がある」というのも、着こなしの上ではポイント。
小顔効果があるし、単純に吊るしの状態でも格好いい。
なお、様々なメーカーからG-1ジャケットが出ているけど、残念ながら襟のボリューム感と価格は比例する。
やっぱり極力ボリューミーな襟のものが格好いいと思う。お財布的には厳しいんだけど…。
ダボつきのない、スマートなシルエット
このジャケットは「当時の洋服の基準」から考えると、肩幅・身幅が細め。
筆者の手元にあるモノ(サイズ34)の場合、肩幅が約40cm・身幅が50cm弱くらい。
最近のオーバーサイズの流行とは少し異なる気もするけれど、ダボッとしすぎずに着られるのは、個人的には好きなポイント。
その秘密はバックヨークのアクションプリーツなど、フィット感がありつつも可動域を確保するべく設計されたパターンにある。
まあ一口にG-1と言っても色々な製品があって、ゆったりとしたシルエットのものもある。
体型や好みによっては、ゆとりのあるモデルがオススメかもしれない。
冬場でも、そこそこ乗り切れる防寒性
フライトジャケットには、適した温度域を示す「適応ゾーン」があり、G-1の場合は「-10℃〜10℃」の「中間ゾーン」に対応したジャケットになる。
-10℃とは言っているけれど、航空機とは違って屋外では風で体温を奪われる。
オジサン的には、10℃を下回ると防寒性の不足を感じるといった具合だ。
逆に言えば、マフラー等がなくても10℃くらいまでならOKなので、冬場でも昼間やクルマ中心の移動であれば、そこそこ乗り切れてしまう。
春秋の季節が短い近年の日本の気候だと、(Type A-2などの)「ライトゾーン」(10℃〜30℃)よりも、この「中間ゾーン」の方が出番が多いのが実情だと思う。
雨や湿気を、過剰に気にする必要のない防雨性
このジャケットの表地は山羊の成体の革(ゴートレザー)。
山羊革の特徴は、独特な凹凸(シボ)があって、表面(ギン面)が丈夫なこと。
「革ジャン」の素材としては牛革・馬革が多いけど、これらと比較すると水に強く、着用を繰り返してもスレ・剥がれが起きにくい。
そういう「経年変化」がアジという考え方ももちろんあるけれど、単純に素材として優れた性質だと思う。
ショットのG-1(#675):イマイチな点
実際に使用して「イマイチだと感じる点」は、そんなにない。
強いて言うと、下記の2点かな。
「アジが出る」という面は弱い
メンテナンス性の悪さ
「アジが出る」という面は弱い
これは、上述した「ゴートレザーの利点」の裏返し。
水に強くて丈夫で良い素材ではあるけれど、経年変化で色艶が劇的に変わるとか、そういう要素は比較的薄い気がする。
全くないわけではないけれど、エイジングを重視するならばゴート以外の素材のものを選ぶか、A-2などを入手する方が良いかもしれない。
メンテナンス性の悪さ
これはG-1だけではなくて、革ジャン共通の問題点。
本体よりもリブ・裏地のような布地の方が耐久性がないけど、率直に言って修理は面倒なポイントではある。
G-1に限定して言えば、ファーと前身頃のポケットのボタン。
ファーは経年変化で劣化するものだし、ボタンも布の服とは異なり、自分で付け替えるのは困難。
10年弱使用して、まだメンテが必要な状況ではないけど、いつかは考えないといけないんだろうな〜、と思っている。
まあ、布製の服よりも耐久性があるための問題。
イマイチな点として挙げるほどの話でもないかもしれない。
まとめ:「男っぽさがキモ」な1着
この記事では、筆者の愛用品、ショット(Schott)のG-1ジャケット(#675)をレビューしつつ、G-1というフライトジャケットの魅力についてレビューしてみた。
防寒性と着こなしの両面で役割を果たす、襟のボア
ダボ付きのない、スマートなシルエット
冬場でも、そこそこ乗り切れる防寒性
雨や湿気を過剰に気にする必要のない耐雨性
「アジが出る」という面が弱い
メンテナンス性の悪さ
いまの若い方には、こういう「男っぽい」洋服って流行らない(?)気もするけど、やっぱりこのジャケットは名作だと思う。
オジサンが着ても格好いいけど、若い方にこそ是非、袖を通してほしい1着だ
主な製品・ブランド
●バズリクソンズ
復刻のリアルさで有名な日本のブランド、バズリクソンズのG-1。やや淡色系なボアが格好いい1着。
●アヴィレックス(AVIREX)
店舗でもお馴染みの米国のミリタリーウェア・ブランドのAVIREX。
写真のジャケットは、映画 "Top-Gun" で有名なパッチ仕様。これも格好いい。
羊革でゆったりとした身幅の仕様。恰幅の良い方にも。
●ヒューストン(HOUSTON)
日本のミリタリーブランド、ヒューストン(Houston)。
写真の製品はリアルムートンの襟だけど、コスパが良い1着。入門編に最適そう!
★(おまけ)コーディネート例、製品のデータ
コーディネート例
製品のデータ
ブランド ショット(Schott)
製品名 Type G-1 (Spec No. 675)
素材 ゴートスキン(表地)、ナイロン(裏地)、ムートン(襟)
色 ブラウン
サイズ 34
購入年月 2011年冬
価格 70,000円
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