こんにちは、物欲紳士です。
今回は自作の札入れ&小銭入れの紹介を通して、「筆者的な革小物へのこだわり」について書いてみたい!
…まあ紹介したところで「買える製品」でもない。作って売る気もございません。
読んでいただいた方からすると「…結局、何なのよ?笑」となる部分もあるかも…。
だけど今後、革小物を当ブログで紹介させていただく機会もあるのかも。
…そんなことも想定しつつ、「革小物(革製品)に対する、筆者の基本スタンス」(好みとこだわり)を紹介できたらと考えている!
筆者は「財布・小物類は自作派」
筆者と革製品(★ただの作文です…)
筆者自身が「革好き」なのを自覚しだしたのは10代後半だと思うけど、今思うと少年時代から素地があったように思う。
父が革製品関係の仕事をしていた時期があって、革製品を見ると「こいつはいい革」「これはそうでもない」といった感じで、現物を見ながら会話をしていた。
一口に「良い革」と言っても、今思うと様々な価値観があるけど、幼少期の経験から子供ながらに「良いモノ」への感覚が染み付いたのかも…。
小学生時代に毎日使ったランドセルは、の大峽製鞄製のモノだった。
父の仕事の関係から入手できたモノだったけど、このランドセルの耐久性は凄かった…。
ランドセルって、平日は毎日使う。
高学年になると、周囲の友達のランドセルはボロボロになる。
…だけど大峽製のランドセルは傷まないし、型崩れ一つしない。控えめに言ってもメチャメチャ頑丈。
(その代わり、低学年生が背負うには結構重いのですが…。)
それから30年以上が経ち、大峽製鞄さんも立派なブランドになられた。
(当時とは違い)現在ではランドセルに使用できる大判のコードバンって、稀少だしメチャ高価。
今では「関係者に製品を配る」なんてこともないはずだけど、「良いモノ」との出会いって永遠に記憶に残る。感謝感謝!
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筆者の革小物遍歴
革小物という観点で言うと、お財布には薄さを求めるのが、筆者の流儀。
…で、その薄い財布をパンツのバックポケットなんかにも入れ、軽快に使う。
これまでに使用してきた主なお財布を簡単に紹介すると、学生時代に使っていたのはビームス・プラスのダブルジップウォレット。
購入したのは20年近く前だけど、現在も販売中(!)のロングセラー商品。
素材はバケッタ・レザーを象徴する、伊バダラッシ・カルロ社の銘革・ミネルバボックス。
シンプルな仕立てで、ロングセラー商品だからこその(?)高コスパも嬉しい名作。
あと社会人になってからはホワイトハウス・コックスのノートケースとガンゾのコインケースをセットで使っていた。
ホワイトハウス・コックスのノートケースは、12年くらい使用した。
素材革は非常に薄く漉いてあって、英国の財布らしい薄手の仕立て。
素材となるブライドルレザーは、強度と耐久性が魅力。
パンツのバックポケットに入れて使いまくったけど、永年使ってもヘタれず、見た目も綺麗。
ガンゾのコインケースは、学生時代に購入したモノで15年近く使用。
製靴では必須の「吊り込み」の技法を用い、立体的に成形されている。
レザーの強度・素朴さも魅力で、使うほどに味わいが出る。
この手の製品は他ブランドも出していて、の製品が有名。
対するガンゾ製品は、ポケットで収まりが良いスリムな形状が特徴だった。
そしてガンゾさんも、現在では高級ブランドになられた…!
それと現在は別記事でレビュー した国産ブランド、Gelequa(ジェリコ)さんの極小財布を使用中。
主に家計用に使っていて、栃木レザーのエイジングを試すために目下育成中。
現在は「自作する派」に移行!
…イマイチ熱量を伝えきれなかった気もするけど、「革好き」が高じて5年ほど前から自分用の革小物は自作している。
「札入れとコインケースは分ける」のが、筆者の基本スタイル。
自分なりのスマートな革小物を求めて、暇を見て色々と造っている。
…本当は革小物だけでなくバッグとか、
靴なんかも造ってみたい…!
…だけど素人の趣味としては、率直に言って時間&技術的に難しい…
縫製の量が多いバッグを造る場合、革を縫える専用のミシンが欲しい。
さらに靴を造るには、革を立体的に成型する技術(いわゆる「吊り込み」)が必須。
「色々とやってみたい!」という欲は尽きないけど、無理なくできる範囲で満足できる技術を追求するのが、自分には合っているのかなあと感じている!
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自作の札入れ&小銭入れについて
仕様と概要
前置きが長くなった…
今回は最近、やっと自分なりの「札入れ&コインケースの完成形」が見えてきたので紹介してみたい!
札入れ・コインケース共にシンプルなデザインと使用時のスマートさを、自分なりに考えてできた形。
まずは札入れ。
内部の「斜め状の直線」が、デザイン上のポイント。
外見のアクセントとしてだけでなくカード・お札の取り出しやすさにも繋がる形で、実用面も考慮。
札室1つ&カード室2つだけのシンプルな構造だけど、実用上は問題ない。
例えばカード入れ。
「律儀に1室に1枚ずつ入れないとダメ」って考えておられる方も多いけど、実際はそんなことは全くない。
出し入れしやすい形でもあるので、1室に2枚のカードを入れても全然OK。
カードが4枚収まれば、日常使いで不便さを感じることはほぼない。
こんな感じで、お札・カード入れへのアクセス性を向上させることでシンプルな形状と使い勝手を両立させた形にした。
一方のコインケースは、用途に応じて2種類を使い分け。
フラップ型の方は、主に秋冬のジャケット・コート着用時向け。
札入れのデザインと合わせて外形を「斜め形状」にしたのが、見た目上の特徴。
留め具にも一応こだわっていて、一般的なボタンホックではなくてマグネットボタンを使用。
ホックと比較すると、開閉時に「パチリ」と上品な雰囲気になるのでお気に入り。
やや高価な金具なので小銭入れにはあまり使用されてないけど、好きな金具をセレクトできるのも「手作りの良さ」。
もう一方のシンプルなジップ型ケースの方は、非常にコンパクトに製作。
コンパクトだけど1000円未満の小銭なら十分に入る収納力。
筆者は持ち歩く小銭の量は常に最小限。なので実用上は全く問題ない。
こちらはアウターを着ない夏場のパンツのフロントポケットへの収納用に使用。
小さく薄いので、ポケットに入れても「ポケットがブクブクしない」のが良い!
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こだわり①:「常用する革小物はネイビー色」がポリシー!
まず、男性にとっての「革小物の基本色」って、黒か茶色なのかなあと思う。
だけど筆者は20年来、「普段遣いの財布類はネイビー色で統一」している。
理由は「革小物の色味が合わないのが、どうしても気に入らない」から!
例えば、「茶靴・茶ベルトに黒のお財布」とか、
逆に「黒靴・黒ベルトに茶系のお財布」とか。
こういうのって色合わせ的にチグハグだと感じる。
…自分でも「気にしすぎ感」はあるけど、気になってしまうモノは仕方がない。
その点、「茶系・茶ベルトに青系の小物」ならアズーロ・エ・マローネだし、
「黒靴・黒ベルトにネイビー財布」も、(ややおカタイけど)しっくりくる色合わせ。
本当は「黒&茶の小物を使い分ける」のがベストだけど、その日の靴・小物に合わせてお財布を入れ替えるのは現実的に面倒すぎ。
結果としての「折衷案」がネイビー革小物。まあ面倒くさい性分ということ…。
なお「黒にも茶にも合う色」って、紺色の他に紫・深緑とかもある。
ネイビーを選ぶのは、単純に好みの問題。
こだわり②:材料革へのこだわり
せっかく時間をとって製作するので、素材も一応吟味している。
外装などの基本部材には、英国製のブライドルレザーを使用。
伝統的には馬具向けの革材として知られ、近年では革小物向け素材としても人気を博すのがブライドルレザー。
特徴は、表面をロウ引きすることで得られる独特なツヤ、強度と耐水性。
筆者は結構お財布をラフに使うので、耐久性を考えると(牛革の中では)やっぱりコレになる。
ブライドルレザーには数社のタンナー(革のなめし業者)があるけど、現在愛用しているのは英トーマス・ウェア社のもの。
トーマス・ウェア社の皮革の特徴は「手にとった時の触感の柔らかさ」かな。
基本的にはワックスで固めたハード系のレザーだけど、同時に柔軟性も感じられるのが魅力。
革にこだわるブランド&作家から、高い支持を受けるのも頷ける!
内装材には、ベルギーの著名タンナー・マシュア社のルガトショルダーを使用。
この革は透明感のある染色が素晴らしくて、原皮の血筋の跡(いわゆるトラ模様)がムラっぽく見えて綺麗。
内装の色を紫にして、色味のコントラストをアクセントにしてみた。
最後に札入れのカードケース部には、ブルーのリザード革(トカゲ)を使用。
お財布をバックポケットに入れて使うと、内装のカード入れ部って案外、圧がかかって擦れる。
爬虫類系の革は(鞣しがしっかりしていれば)摩擦にも水にも強く、耐久性が高い。
見た目の好き嫌いがある素材だけど、個人的には外見的なアクセントにもなっていて好み。
こだわり③:(自分用だけど)ステッチ・仕上げも抜かりなく!
仕立ての面(ステッチワークと仕上げ)もプロみたいにはできないけど、自分なりにこだわっている。
皮革用のミシンを持ってないこともあり、縫製は手縫い。
手縫い用としては細番手の麻糸を使い、そこそこ細かく縫ってスマートに仕立てる。
手縫いで(表側だけでなく)裏側も乱れのないステッチに仕上げるのって、実は案外難しい。
素人なりに鍛錬を重ねたポイント。
…とは言え、世間にはみたいな手縫い技法(スキンステッチ)とかもあるからね…。
一部のプロしかできない技だろうけど、こういうのって正直どんだけ手先が器用なのよ…とは思う。
それとコバの仕上げも一応頑張っていて、染料を塗った上で蜜蝋を溶かし込んで磨いて仕上げる。
見た目が綺麗だし、ロウでコーティングするので耐久性が高い。
ただコバの磨きも、審美性にこだわりだすとエンドレスな作業になる。
あくまで自分向けなので、掛ける時間はそこそこにして割り切っている。
…ちなみに「コバの綺麗さ」をウリにする製品って、モノを造る視点からは「メチャ時間かかるわ、これ…」と感じる。
まさしくプロの技。
余談:自作のお財布に関する、今後のテーマ
革小物のDIYの今後についてだけど、お財布以外の小物を色々増やしたい、というのが根本にある。
とりあえずお財布に限って言うと、「コインケース付きのスマート財布」の自分形を作るのが最近のテーマ。
「札入れ・コインケースを分ける」のって、「形が違いすぎるから」も理由の一つ。
お札とカードはまだ近いけど、小銭って形状がだいぶ異なる。
…なので外見がスマートで全てを効率的に収納できるお財布って、デザイン的に結構難しい。
コインケースが独立しているのって便利な場面も多いけど、特に衣服のポケットが少ない夏場は「小銭とお札を一緒に持ちたい!」と感じるのも事実。
というわけで現在は「コインケース付き財布」を研究中。
納得できるモノができたら、別記事で紹介したい!
まとめ:「自分で手を動かす」ことで、見えるモノ。
いやー、いつも以上に読む価値のない駄文(?)になった気がする…
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます…!
① 常用する革小物はネイビー色で統一
② 革素材にこだわる
③ ステッチ・コバ等の仕立ても抜かりなく
筆者個人のこだわりは読み流していただくとして、「好き」が高じて自分で作るようになると、「使う側」だけでは分からないことも(素人ながらに)見えてくる。
例えば革などの素材の特性や魅力も、より多面的な視点から理解できるようになるし、
店頭で商品を見ると、多くの方が見過ごしそうなポイントでも「これはなかなかできないよ〜!」と感心することも多々。それこそがプロの技。
(…逆に言うと、メディア等で「凄い!」とか喧伝されていても「…明らかに大したことないでしょ笑」と思えることも、たまにある。笑)
自分で手を動かすことで素人ながらに「見えてくる」ことって、やっぱりある。
そんな視点も大事にしつつ、今後も魅力的な革製品があれば紹介したいと考えている…!
さらに服なんかも造ってみたいとも思う、今日この頃。
色々考えると、夢が広がりますなあ。(なかなか暇はないですけど…)
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