こんにちは、物欲紳士です。
今回は、腕時計好きの筆者お気に入りの1本、1990年代のチューダー(Tudor)のサブマリーナを紹介したい。
チューダーの現行モデルも良いけど、ヴィンテージ(中古)も良いです!
ブランド(チューダー)と、Ref. 75090について
チューダー(Tudor)について
チューダー (Tudor) は、スイスの時計ブランド。
1926年創業。
会社・ブランドとして、ロレックス (Rolex) と兄弟関係にあることは有名。
「ロレックス」は外装だけでなく機械(ムーブメント)も内製する、いわゆるマニュファクチュール。
価格も当然高価。
新たな市場を開拓する狙いから、外装部はロレックスと共通化を図りつつ、機械は汎用品を用いた低価格帯の商品を開発し、ブランドは別に設けることにした。
以上が、チューダーというブランドが誕生した経緯と言われている。
そんなチューダーの製品だけれど、90年代くらいまではロレックスと共通性が高く、「廉価版」とも言える立ち位置の製品が多かった。
最近はロレックスとは差別化された製品がほとんどになり、独自ブランドとしての評価を獲得している。
近年のチューダー製品については、以下の記事で筆者注目の製品を紹介している。
合わせて見ていただければと思う!
なお、チューダー製品が日本で正規販売されるようになったのは、実は最近(2018年)。
以前は日本語的な(?)英語読みで「チュードル」と呼ばれることが多かった。
インポーターが不在の中、誰かが適当にそう呼び出しただけなんだろうけど、「チューダー」の呼び名には馴染みがないのも事実。
もっとも高校の世界史の授業で、語源でもある英国の王家をチューダー家 (House of Tudor) って習うんだけどね…。
サブマリーナ・Ref.75090について
話が若干それたけれど、今回の腕時計の話に戻りたい。
Ref.75090は、ロレックスとチューダーの共通性が色濃かった時代、80〜90年代の腕時計。
チューダー版のサブマリーナという位置付けになる。
ロレックス・サブマリーナと言えば、ダイバーズ・ウォッチの代名詞的な腕時計。
そのラインナップは、長年「サイズは1種類・ステンレスモデルは黒文字盤のみ」という、シンプルな構成だった。
それに対し、チューダー版はラインナップが豊富なのが特色で、魅力的なポイントになっている。
細かな差異を挙げるとキリがないけど、ざっくり言うとサイズは3種類(メンズ・ボーイズ・レディース)、文字盤色は2種類(黒・青)のバリエーションがある。
そんなチューダーのサブマリーナの中にあって、筆者のRef. 75090は「①ボーイズサイズ ②青文字盤 ③3連ブレス」の3点が特徴のモデルになる。
Ref. 75090の魅力と、イマイチな点
筆者の腕時計は、2012年に中古で購入したもの。
その魅力とイマイチな点を挙げると、以下のようになる。
魅力的なポイント ケース径36mmと、収まりの良いサイズ感
やっぱり格好いい、サブマリーナのデザイン
青文字盤、いわゆる「青サブ」である点
価格が高騰しまくっている…!
イマイチな点 ブレスレットの質感(いわゆる「巻きブレス」)
カレンダー表示は、個人的には不要
それぞれについて、以下で詳細を述べたい。
ケース径36mmと、収まりの良いサイズ感
近年は腕時計の大型化が進んでいる。
ロレックス・サブマリーナくらいのサイズ(直径40mm)は、「女性がするのもアリ」とみなされるようにすらなっている。
なので、腕が細い男性が紳士用のサブマリーナを着けても、「大きすぎる」となることはないだろう。
だけど、クラシカルな時計のサイズは、紳士用でも径35mm以下のサイズがほとんど。
この時計のサイズ感(径36mm)は腕への収まりが良く、「時計が主張しすぎない点」がかえってお洒落だと感じて、個人的には好きだ。
筆者が(男性としては)腕が細いということもあるけれど…。
やっぱり格好いい、サブマリーナのデザイン
この時計を購入するにあたって、いくつかのメーカーのダイバーズ・ウォッチを検討した。
◆ロレックス・サブマリーナ
◆チューダー・サブマリーナ
◆オメガ・シーマスター
◆タグ・ホイヤー アクアレーサー
ここからは個人的な感覚の話になるけど、サブマリーナは単純に「デザインが格好いい」と思う。
他ブランドの時計も悪くはないけど、比較するとデザイン要素が複雑で、ゴチャゴチャしているように思えてしまう。
差異化のためなのか高級感のためなのか、理由はよく分からないけれど…。
筆者としては決して「ロレックス(系)のデザインが、常に良い」と言いたいわけではなく、むしろ逆だと感じることも多い。
だけど、この価格帯のダイバーズ・ウォッチに関してはサブマリーナのデザインはシンプルで、最も好感が持てると感じた。
青文字盤、いわゆる「青サブ」である点
視認性を考えると、文字盤色が黒が良いのも頷ける。
だけど、筆者は青系のダイバーズウォッチが好きなのだ…!
青のダイバーズ・ウォッチがお気に入りなのは、「海を連想させる」という理由と、「中間色の青の方が、様々なアイテムに合わせやすい」と思っているから。
完全に余談だけど、「青のダイバーズが好き」という理由で愛用している、セイコーの「ツナ缶」時計のレビューも、合わせて見ていただきたい。
価格が高騰しまくっている…!
一生使うつもりなので関係ない話ではあるけれど、近年はチューダーのサブマリーナの価格高騰っぷりも凄まじい。
2012年の秋に購入した時点での価格は約20万円だったけど、2021年現在、この時計の市場価格は約60〜70万円(!)にもなるようだ。
理由は良くは知らないけど、正規販売化でブランドが認知された、ヘリテイジ・モデル(ブラックベイ)の人気から、旧モデルにも注目が集まっている、などの可能性がありそう。
そんな金額で買う代物ではないと思う(苦笑)ので、今となっては買っておいてよかった、と思う。
ブレスレットの質感(いわゆる「巻きブレス」)
3連タイプのブレスレットは、両サイドの部品が板金から作られた、いわゆる「巻きブレス」といわれるもの。
現在では、数万円程度の時計でも切削加工で作られたコマでできたブレスレット、いわゆる「ソリッドブレス」なのだけれど、これは年代的に致し方のないところか。
「巻きブレス」は工程の都合上、部品の寸法精度が高くないのでコマとコマの間のガタが大きい。
実用上は問題ないけれど、「カッチリ感」がない点には留意が必要。
日付表示は、個人的には不要
ムーブメントはETA社の2824-2。日付表示付きの自動巻きムーブメント。
カレンダー付きなので、ロレックスと同様にサイクロップレンズ(拡大鏡)付きとなる。
カレンダー機構は比較的故障しやすい箇所だし、時刻合わせが面倒になる。
デザイン的にも煩雑な印象があり、その割に日付を参照することは少ない。
あったらあったで構わないけど、個人的には無いほうがいいかな。
現行のチューダーの主要モデルがノンデイトだったり、本家のロレックス・サブマリーナでもノンデイトモデルが人気だったりするのは、個人的には頷けるところだと思っている。
まとめ:大切に使いたい1本
この記事では、私物の腕時計の中で最も市場価値が高騰していると思われる1本、チューダーのサブマリーナ、Ref. 75090についてレビューした。
ポイントのまとめ
ケース径36mmと、収まりの良いサイズ感
やっぱり格好いい、サブマリーナのデザイン
青文字盤、いわゆる「青サブ」である点
価格が高騰しまくっている…!
ブレスレットの質感(いわゆる「巻きブレス」)
カレンダー表示は、個人的には不要
有名な「イカ針」などを復刻したヘリテイジモデルも良いけれど、この年代のサブマリーナも良い。
「共通性はあれど、ロレックスそのものではない」という渋さがある。
ムーブメントや各部の造りを見れば、何の特色もない普通のダイバーズ・ウォッチに過ぎない。
だけどこういう「簡素な」腕時計が、チューダーから新品で復刻されることは(近年のブランド戦略を見る限り)未来永劫なさそうだ。
そのように思わせるあたりも、この腕時計の価値が高騰する一因となっているのかもしれない
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