こんにちは、物欲紳士です。
今回は、初めてデジタルガジェット類をサンプル提供いただいた。
…ので、iPhone派の方にとってのベンチマークとなるAirPodsと比較レビューをしてみたい!
本記事でレビューするのは、サウンドピーツ (SOUNDPEATS) のCapsule3 Pro。
まずはブランド (SOUNDPEATS) と、本製品の概要についてチェックしていきたい!
ブランド (SOUNDPEATS) と、Capsule3 Proについて
サウンドピーツ (SOUNDPEATS) について
サウンドピーツ (SOUNDPEATS) は、中国は深圳にて2010年に創業したオーディオブランド。
深圳といえば、現在の中国のハイテク産業のメッカとも言える都市。
近年、世界的な存在となった中華系電子機器ブランドの多くが、本拠を構える。
SOUNDPEATSは、ある意味で「玉石混交」とも言える中華系AVブランドの中で10年以上の歴史がある。
その中で、高評価の製品を数多く生産してきた。
日本ではAmazonなどのECサイトで、(筆者が知る限り)2010年代半ばからは取り扱いがある。
…ので、ブランド名を目にしたことがある方も多いだろう。
創業当初から、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンなどを手掛けてきた。
現在はTWS(完全ワイヤレスイヤホン)を中心に製品展開を行っている。
余談だけど、ブランド名にあるpeat(ピート)とは「泥炭」を意味する英語。
泥炭(でいたん)とは、ざっくりいえば「石炭のなりそこない」。沼地などに存在する。
一般的には「使えない燃料」なのだが、用途として有名なのはウイスキーなどの蒸留酒。
原料の大麦(モルト)を乾燥させるためにピートを用いることで独特の燻煙香が付く。
これが一部のウイスキー製品(主にスコッチ)の特徴となっていて、愛飲するファンも多いワケだ。
"sound" と馴染みが良い "beats" と掛けているのはもちろん、(勝手な想像だけど)このネーミングからは「他にはない独自性や味わい」へのこだわり&願いを感じる。
Capsule3 Proについて
Capsule3 Proは、そんなSOUNDPEATSの2022年末時点での最新作。
本機の特徴をざっくりと列挙すると、下記の通り。
① カナル方式でハイレゾに対応
② ハイレゾに適した高音質コーデック (LDAC) に対応
③ アクティブノイズキャンセリング (ANC) を含む、多彩な本体モード
④ 進化したバッテリーライフ(イヤホン単体で最大8時間)
詳細についてはレビューで述べたいが、上記に加えて良好なコスパも見どころ。
以上を筆者なりに要約すると「カナル型 x 充実のスペック x 良コスパ」が揃い踏みしている点が、本機の最大の特徴。
筆者が勝手に感じた「ブランド名 (peat) に込められた願い」とは裏腹に(?)、万能感に溢れた1台となっているわけだ!
はじめに:筆者のイヤホン・AV製品へのスタンス
ちょっと長くなるけど、レビューするにあたりこれまで筆者が愛用してきたAV製品・イヤホン類について述べておきたい。
20年ほど前のワイヤードの時代から、ヘッドホン類は色々と使ってきた。
現在でも手元に残しているのは、スタジオイヤホンの銘機・ソニーのMDR-CD900ST。
それとオープンイヤホン系で併用しているのは、こちらもクラシカルな銘機と言えるKOSSのPORTAPRO。
そして現在では、スマホ (iPhone) を主な音源にしている。
現代的な(?)Bluetooth機を、主に使用。
自宅で使用しているのは、ソニーのグラスサウンドスピーカー、LSPX-S3。
外出用としては、TWS (ワイヤレスイヤホン) のベンチマークとも言えるアップルのAirPods(第3世代)。
それと独自性のある設計に惹かれて購入、愛用しているソニーの "LinkBuds" WF-L900。
以上をまとめると、筆者は「イヤホン類にメチャ詳しいマニア」ではない。
が、「そこそこ語れるレベル」にはあるのかな、という感じ(全人口の上位1〜2割くらい)?
というわけで今回は「マニアックすぎない実利重視の視点」で、AirPods(第3世代)との違いにスポットを当てつつ比較レビューをしていきたい!
SOUNDPEATSのCapsule 3 Pro:良い点と、イマイチな点
そんなこんなで筆者の手元に届いたSOUNDPEATSのCapsule3 Pro。
筆者が数週間使用してみて感じた良い点とイマイチな点は、下記の通り。
テレワークから音楽視聴まで問題のない音質
カナル型 x 耳うどん式の安定感
高性能なANCを含む充実の機能
本体&専用アプリの操作性も良好
価格を超えた高品位な外装
性能に対するコスパの良さ
個人的に好みではないピンクゴールドの配色
純正品と同等ではない接続性
外装ケースの成形ラインは、ちょっと残念…
「エイジングさせて長年愛用」ではない点
以下にて、それぞれについて説明していきたい…!
テレワークから音楽視聴まで、問題のない音質
まずいきなり本題(?)の音質について述べたいけど、結論から言えばかなり良好。
筆者はオーディオマニアではないためざっくりとした表現にはなるけど、クラシックからアコースティック系の音源、ポップスから重低音系の音源まで音源をほぼ選ばず安定している。
筆者の視聴環境だけど、iOSデバイス (iPhone) と組み合わせて、圧縮音源を主に屋外で視聴。
この組み合わせだと、Bluetoothの伝送コーデックは(LDACではなく)AACとなる。
要するに本機が謳う「ハイレゾ相当」の音質ではないのだが、それでも幅広い音源に対して音質に対する不満はほぼないと感じた。
本機の使用用途には「外出先での音楽・動画視聴、通話」に加えて「仕事向けのテレビ会議」なども考えられる。
幅広い用途に対応できる本機だけど、「余程のこだわり」がない限りは「音質面で不満を感じてしまう」可能性は低いと考えて問題なさそうだ。
「カナル型 x 耳うどん式」の安定感
何かと取り扱いが面倒なワイヤーがなくなり、ストレスフリーな使用感が特長のTWS。
愛用されている方も多いと思うけど、で述べた音質面と並んでネックとなるのが紛失のリスク。
特に通勤通学の満員電車などで、耳周辺に不用意にモノが当たる(周囲の人と触れるとか)が起きる状況で「落下→紛失」のリスクが高い。
そんな中、Capsule3 ProはTWSの中でも安定した装着性を誇る。
まず、本機はAirPodsと同様の「耳うどん式」を取り入れている。
本体下部のステム(支柱)の存在で、ケース収納時の操作性が向上するだけでなく装着時の重心バランスの改善に寄与する。
不意な衝撃を受けても「ステム部が耳に引っかかる」ことで、落下しづらい設計になっているわけだ。
さらに本機はカナル方式を採用し、耳孔へのフィット性も高い。
要するに「ダブルで落ちづらい」仕様になっていて、抜群の安心感を誇る。
…まあ率直に言えば、この特長はAirPodsの上位製品 (AirPods Pro) と同じ。
要するに本機のオリジナルではない。
だけど「耳うどん式」は特徴的ゆえかアップルの専売特許(?)に近く、目立ったオーディオメーカーが採用していないのも事実。
そんな中で「名ではなく実を取る」というか、オリジナルティよりも実用性を重視した仕様からは、むしろ潔さが感じられる。
一応注意点としては、イヤーピースが耳孔に合っていることは前提。
外に持ち出す前に自宅内などの安全な場所で、装着状態で耳を触るなどして安定性を事前チェックするのがオススメ。
高性能なANCを含む、充実の機能
本機の見どころの一つとして、より進化したANC(アクティブノイズキャンセリング)も挙げられる。
個人的には「屋外で使用する際には、外音が聞き取れる点を重視する」。
…ので、実際にノイズキャンセリングを使用する機会は多くはないけど、性能の高さには感心した。
まず、電車のモーター音や自動車のエンジン音などの定常的な騒音の場合。
これらはノイズ除去に適した音源でもあり、ほぼ無音レベルまで騒音をカットしてくれる。
次に車内で言えばレール・段差の乗り継ぎ音に代表される、非定常な騒音の場合。
こちらは「無音レベル」ではないものの、音源までの距離が3〜4倍になったような感じで、音圧が数段下がったような印象になる。
恐らくANC処理をするエンジンが優秀で、それを支えるマイク・スピーカーのチューニングも入念にされているということだろう。
ノイズキャンセリングに「こだわる派」の方にとっても、十分な性能のはずだ。
さらに本機はANCモードだけでなく、標準モード(ANCオフ)や外音取り込みモードなど充実の本体機能を誇る。
いずれもライバル機にもある機能で、本機のオリジナルではない。
が、価格帯を考えれば多機能だし、多くの状況に対応できる「万能感」がある。
本体&専用アプリの操作性も良好
充実した機能を誇る本機だけど、本体および専用アプリを介した操作性も良好。
「シンプルな操作性」を実現するために熟慮され、コストと手間を掛けて開発されたことが窺える。
まずイヤホン本体には、静電容量式の操作センサーが仕込まれている。
「シングル〜トリプルタップ」「長押し」の4種類、両耳合わせて8種類の入力が可能。
これらを用いて「ボリューム調整」「再生・一時停止」「通話終了」「モード切替」などの調整ができる。
注意点としては、8種類もあるので「操作に対する機能の割り当て」を覚えるのは、ちょっと大変。
ただ、使用頻度が高い「ボリューム調整」「再生・一時停止」はシングル&ダブルタップに割り当てられていてシンプルに操作可能だった。
専用アプリからの調整機能は、イコライザー調整などの細かな調整に対応。
メイン画面には「本体モード切り替え」などがシンプルに配され、操作の直感性にも考慮されている印象を受けた。
ちなみにAirPodsと比べると、詳細設定の変更のために専用アプリが必要な点は、若干手間ではある。
ただしアプリをすぐ起動できる位置に配置さえしておけば、純正機器系の「本体機能からの調整」よりも、かえってスピーディーに操作可能だとは感じた。
価格を超えた、高品位な外装
イヤホン・ケースの外装についても、価格を超えた品位を感じる。
筆者が特に感心したのは、樹脂外装表面の品位の高さ。
身も蓋もない言い方をすれば、「アップルっぽい外装仕上げ」ということになる。
けど、特に注目したのは樹脂外装だけど「表面がツルツルではなくサラサラ」な点。
つまりMacシリーズが採用し、PC業界でフォロワー製品が多い「アップルのアルミ外装的な表面」を、樹脂外装で再現しているわけだ。
ちょっと専門的な話にはなるけど、「アップルっぽい金属外装仕上げ」は「アルマイト」と呼ばれる仕上げ。
「アルマイト」とはアルミ表面に処理を施すことで、丈夫で腐食しづらい酸化アルミの皮膜を形成、ついでに着色も行う処理を指す。
この過程で表面が多孔質体になるので、「サラサラな表面」にすることも可能になる。
一方、本機は樹脂外装。
アルマイトとは当然異なり、金型による成形のみでアルマイト的な「表面の細かな凸凹」を再現している。
「おなじみのサラサラ感」は手馴染みも良く、指紋も付きづらくて品位が高い。
この質感を「樹脂成形の技術」のみで達成しており、コストをかけない合理性がある点には感心した。
マニアックなテーマなので理由は割愛するけど、今回の「アルマイト調」のような細かい凹凸を成形によって実現するのは、実は結構技術力がいる。
よく見る「目で見て分かるレベルの凹凸」なら普通だけど、樹脂成形というのは本来はミクロン(顕微鏡)レベルの表面性状を製品に転写できる技術ではないのだ。
恐らく中国の樹脂成形メーカーが担当していると思われるけど、「なかなか技術力がある会社があるんだなあ」とちょっと感心した。
性能に対する、コスパの良さ
そして何と言っても、言わずもがなの(?)コスパの良さ。
ECサイト (Amazon) で購入の場合、通常価格は8480円。
時期により異なるけど、さらに割引になるクーポンの適用が可能なこともある。
機能や質感を考えれば、(たとえ元値でも)爆安のコスパ感だと言える。
お気軽にTWSを入手されたい方はぜひ、購入検討されるのがオススメだ!
個人的に好みではない、ピンクゴールドのポイント配色
以下では、イマイチに感じた点についても述べていきたい。
Capsule 3 Proの本体カラーだけど、黒の樹脂外装のみ。
こちらにピンクゴールドの金属部品が、ワンポイントとして入る。
この「黒xピンクゴールド」の組み合わせだけど、率直に言って「日本のオジサン」であるところの筆者の好みではないかな。
個人的には、黒筐体ならシルバー系との組み合わせが好き。
ただしこの辺りのファッション的な感覚は、世代によっても異なるはず。
10〜20代くらいの若者なら、ゴールド系でも違和感を感じない方が多いかもしれない。
さらに言えば、SOUNDPEATSは中華系のメーカー。
中国では、「金は縁起物」という価値観が強い。
ゴールド系はシルバー系の上位互換という捉え方なのだろう。
実際にシルバーの外装色は、廉価版モデルのワンポイントとして使用されている。
まあピンクゴールドにしたことで「肌が白い方も、そうでない方にも馴染みやすい」のも事実。
個人的にはシルバー系の配色も選べるのがベストではあるけど、現状でも老若男女に馴染むカラーリングなのは事実だろう!
純正品と同等ではない接続性
それと細かい話にはなるけど、「iPhoneとAirPodsの組み合わせ」と比べるとBluetoothの接続性は「同等」とはいかない。
…というか、アップル製品同士の接続性の良さは異常。
初回で接続する際は、Bluetooth機器側をペアリングモードにする手間もなく接続できる。
さらにAirPodの場合、ペアリング後の接続時にものような通知でお知らせ。
本機の場合、こうした純正アクセサリのような「親切さ」はない。
ただし通常使用時の接続しやすさに全く問題はなく、基本的にケースを開けるだけで接続は完了する。
少しだけ面倒なのは「複数デバイス(スマホとPCなど)で本機を使用する」場合。
本機はマルチペアリング対応なので、都度のペアリングは不要。
ただ、接続機器を変える際にPC/スマホ側で機器の選択操作を行う必要が生じる。
上記のようなケースでなければ、本体側の都度操作は不要で使用感は軽快。
純正機器のような「お節介な?通知」はないほうが、かえってシンプルで使いやすいと言えなくもないだろう。
外装ケースの成形ラインは、ちょっと残念…
「樹脂部品では珍しいサラサラ感」が魅力の、本機の外装仕上げ。
ただ細かい指摘にはなるけど樹脂ケースの成形ラインが目立つ点は、少しだけ気になった。
表面仕上げそのものに高い技術力を感じるだけに、余計に残念に感じた。
このラインは「パーティングライン (PL) 」と呼ばれるもの。
樹脂製品なので金型で成形するわけだけど、金型内の部品境界になるために見える線なのだ。
ちなみにAirPodsの場合、ケース表面にはPLが入らない(見えない)金型構造になっている。
(細かい理屈は省略するけど)Capsule3 Proの場合はデザインの都合上、どうしてもケース部品にPLが入ってしまう。
なかなか難しいところだけど、(技術力への期待も込めて)よりPLが目立ちづらい樹脂金型の作り込みにも期待したい。
この点を実現できれば、他社の追随を許さない品位が実現できそうだと感じた!
「エイジングさせて長年愛用」ではない点
最後に述べたいのは、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)全般に言えること。
ワイヤードのイヤホンと違ってTWSはデジタル機器だし、バッテリーなどは消耗品。
アナログのスピーカー・ヘッドホン類とは異なり、修理をしつつ10年・20年と愛用するモノではないと心がけたい。
ただ、だからこそ「消耗品+α」の感覚で購入できてしまう本機のコスパ感は嬉しいとも言える。
「うなるほどお金がある」人なら話は別にしても、「イヤホン1つにウン万円」というのは、常識的な金銭感覚からすれば結構シビアなのも事実ではある。
まとめ:「これで十分!」な万能感。TWSの入門編にも!
今回はTWS(完全ワイヤレスイヤホン)の定番メーカー・サウンドピーツ (SOUNDPEATS) のCapsule3 Pro をサンプルレビューした。
カナル方式イヤホンで、ハイレゾに対応
ハイレゾに適した高音質コーデック、LDACに対応
アクティブノイズキャンセリング (ANC) を含む多彩な本体モード
進化したバッテリーライフ(イヤホン単体で最大8時間)
テレワークから音楽視聴まで問題のない音質
カナル型 x 耳うどん式の安定感
高性能なANCを含む充実の機能
本体&専用アプリの操作性も良好
価格を超えた高品位な外装
性能に対するコスパの良さ
個人的に好みではないピンクゴールドの配色
純正品と同等ではない接続性
外装ケースの成形ラインは、ちょっと残念…
「エイジングさせて長年愛用」ではない点
長々と書いたけど、多くの方に「コレで十分!」とイチオシできる製品だと感じた!
発展途上のカテゴリなこともあり、「性能・音質・価格のバランス」から導入されていない方もおられるだろうけど、そんな方に向けたTWS入門編としてもオススメ。
もちろんマニアの方の普段使い用にも最適。実に懐が深い1台だと感じた
SOUNDPEATS Capsule3 Pro
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