こんにちは、物欲紳士です。
今回は、ストレスフリーなBTイヤホンをサンプルレビューしたい。
本記事でレビューするのは、サウンドピーツ (SOUNDPEATS) のRunFree(ランフリー)。
まずはブランド(サウンドピーツ)と、RunFreeの概要について見ていきたい!
ブランド (SOUNDPEATS) と、RunFreeについて
サウンドピーツ (SOUNDPEATS) について
サウンドピーツ (SOUNDPEATS) は、中国は深圳に本拠を置くオーディオブランド。
2010年に創業。
深圳といえば、現代の中国のハイテク産業のメッカと言える都市。
近年、世界的な存在になった中華系電子機器ブランドが、数多く本拠を構える。
SOUNDPEATSは、ある意味で「玉石混交」とも言える中華系ブランドの中で、10年以上の歴史がある。
創業当初から、Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンを中心に手掛けてきた。
現在はTWS(True Wireless Steleo:完全ワイヤレスイヤホン)を中心に製品展開を行っている。
下記にて別機種もサンプルレビューしているので、合わせて参照してほしい…!
RunFreeについて
RunFree(ランフリー)は、そんなSOUNDPEATSが贈るオープンイヤー型イヤホンの新製品。
前述したように、近年のSOUNDPEATSはTWS(完全ワイヤレスイヤホン)がラインナップの中心。
インナーイヤー式でもカナル式でも、TWSは「耳孔に突っ込み、耳を塞ぐ」というスタイルになる。
一方のRunFreeは、耳に掛けて保持するのが特徴。
写真だとやや分かりづらいけど、「ドライバー部と本体を繋ぐケーブル(白色点線)」を、耳に引っ掛けて装着する。
要するに、「音響部を、耳孔の近くに乗せる」というスタイルが特徴なわけだ。
SOUNDPEATS製品としては珍しい(初めて?)の「オープンイヤー型」のイヤホンで、装着感の軽快さが特徴だと言える。
製品名の通り、ワークアウトなどでの使用を想定したモデルなのかな。
その他、本機のアウトラインを列挙すると下記の通り。
① 16.2mmのダイナミック式ドライバーと独自の「ラムダ型音響空間」による高音質設計
② 重量約31gの軽量さと、最大再生時間が14時間のバッテリーライフの長さ
③ Bluetooth5.3規格、マルチポイント接続に対応
まず①の音響設計についてだけど、本機では16.2mmのドライバーに加えて低音の量感を上げる音響回路設計が施されている。
メーカーは「ラムダ型」と謳っているけど、要するに「限られたサイズ内で、極力経路の長いキャビティを作り、そこで低音を増幅する仕組み」なのだろう。
さらに②軽量さと、1日中使用しても余裕のあるバッテリーライフも特徴。
軽快な装着性という利点を活かした、長時間の『ながら使い』も意識した仕様となっているわけだ。
③マルチポイント接続への対応も、スマホに限らず「PCを用いてのオンライン会議」とか「ゲーム機との併用」など、デバイスを跨いで使うのには便利な仕様だと言えそうだ。
以上をまとめると、軽快な装着性が自慢の「オープンイヤー型」の形態で「普段使いで使用頻度が高い領域をカバーする」ことが、本機の「製品としての狙い」だと言えそうだ…!
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SOUNDPEATSのRunFree:良い点と、イマイチな点
さてさて、そんなこんなで筆者の手元にやってきたSOUNDPEATSのRunFree。
今回は3週間程度試用させていただき、じっくり使ってみた。
その上で感じた本機の良い点とイマイチな点は、下記の通り。
圧迫感のないストレスフリーな装着感
「日常使い」に十分な軽快な音質
安心感の高い使い心地
物理ボタンによる良好な操作性
モノトーン系で統一感のある配色
優秀なコスパ
装着感と音質とのバランスには改善の余地あり
バッグ内での収納には注意が必要!
以下で、それぞれについて説明していきたい!
圧迫感のない、ストレスフリーな装着感
まず「本機の最大の特徴」だと言えるのが、圧迫感を感じない装着感の軽快さ。
「オープンイヤー型だから」というだけでなく、装着時の着圧も軽い。
長時間の着用も苦にならないストレスフリーさが、本機の第1の魅力だと感じた。
例えばビデオ会議だったら「数時間の間、連続使用する」という状況もよく起きるだろうけど、そうした状況でも使用感は良好。
音楽視聴に限らず動画視聴やビジネス用途、携帯ゲーム機での使用など、幅広い用途で使うのにはもってこいの装着性ではある。
「日常使い」に十分な、軽快な音質
音質の面でも装着感と同じ傾向があって、非常に軽快。
理由については後述するけど、メーカーが謳う「重低音域の迫力」とは少し異なる「しつこさを感じない軽快感」が特徴だと感じた。
音源的には「重低音系のロック・ポップス」よりも、クラシックなどのアコースティック系の音源の方が向いているかな。
同じSOUNDPEATSの製品でも、例えばの製品 (Opera05) とかは「音の粒の細かさ」が特徴だった。
本機はオープンイヤー型ということもあり、そうした面よりも「『ウザさ』がなく、長時間の使用も苦にならないこと」を主眼に置いた音質だと感じた。
それと「骨伝導式の類似製品」とは異なり、本機は「鼓膜に直接、音を伝える」スタイル。
(他のヘッドホン&イヤホンと同様だけど)左右の音の分離性の良さは、原理的な本機の利点ではある。
日常的な「ながら使い」には十分な音質だけど、「重低音をより楽しみたい!」という方は、スマホアプリにてイコライザーを低音重視にセッティングするのもおすすめだ。
「安心感」の高い使い心地
装着感(や音質)の面で軽快なだけでなく、使い勝手の面で「安心感」が高いのもポイント。
本機は「左右のイヤーピースが独立して『耳栓状』となる」TWSとは異なり、左右が繋がった形となる。
例えば満員電車などで不意に衝撃が加わっても、「落下して即破損」となる危険性は低い。
一時的に外す際には首に掛けておけば良いし、(一般的なヘッドホンとは異なり)装着時に髪型が乱れてしまう心配もない。
TWS(完全ワイヤレスイヤホン)の「シンプルさ」も良いけど、やはり本機のような「左右が繋がった形」の利便性は高いと感じた。
それと「安心感」で言えば、「外音の聞き取り性の高さ」も、本機の良さ。
過去にレビューしたSOUNDPEATS製品 は「外音聞き取り(パススルー)モード」があって、スマホアプリからの操作などでモード切り替えが可能だった。
本機にはそうした機能はないけど、オープン式ゆえに外音もしっかり聞こえる。
外でのジョギングなどのワークアウトだけでなく、「外出時にヘッドホンを使うけど、外音も聞き取りたい」状況って、実は結構多い。
本機ではモード切り替えの手間もなく、通勤などの外出時の使用にも好適だ。
あと、オープンイヤー式のような「外音がよく入るヘッドホン&イヤホン製品」の場合、過去には音量を上げたくなり、そうすると盛大に音漏れする機種も存在した。
本機の場合も「音量は上げたくなる」けど、音漏れの心配は無用だと感じた。
理由だけど、本機の筐体はシリコンの部品で覆われている。
防水性を意識した仕様なのだろうけど、想像するに外装部品の吸音性が高いのだと思う。
「音源の振動が、外装部材に伝わって漏れる」のが音漏れの原因(の1つ)なわけで、この辺りの「筐体の作り込み」も優秀だと感じた。
物理ボタンによる、良好な操作性
「使用感」の観点で言うと、RunFreeは(タッチセンサーではなく)本体の操作には物理ボタンを採用している。
TWSと比較すると「サイズ面での制約」が緩いからだと思うけど、やっぱり物理ボタンの方が「リッチな操作系」で、扱いやすい。
具体的に説明すると、右側の本体部に3つのボタンが配置されている。
装着状態だと、「右耳の裏側あたりを操作する」という感じになる。
中央が「再生停止&電源ボタン」。通常押しで「再生・停止の切り替え」、長押しで「電源ON/OFFの切り替え(と接続)」ができる。
上下のボタンは「+-のボタン」で、通常押しで音量調整、長押しで曲送り(曲戻し)が可能。
ボタン操作のみで「電源」「再生停止」「音量」「曲送り」ができれば、まあ機能としては十分だろう。
それと中央のボタンが突起状になっていて、装着状態でも手探りで操作できる。
機能面でも操作性の面でも、よく考えられた仕様だと感じた!
モノトーンで、統一感のある配色
あと過去のSOUNDPEATS製品との比較で言うと、(機種によって異なるけど)「ゴールド系やピンクゴールド系のワンポイント」が入る機種も多かった。
縁起物として「金」が好まれる「中国らしさ」とも言えたけど、私たち日本人が比較的好む「シンプルさ」とはやや異なるセンスだったのも事実。
その点、RunFreeの外装仕上げはブラック&グレーのモノトーンでまとめられていて、統一感がある。
スポーツ用途の機種らしい「シンプル&シック感」があり、好感を持った。
外装部材はシリコンなので「高級感」とも少し違うけど、(前述したように)筐体の作り込みにも「緻密さ」がある。
スーツなどのビジネスウェアにも、問題なくマッチする質感だと感じた!
SOUNDPEATSらしい、優秀なコスパ
コスパについて。
SOUNDPEATSのRunFreeの価格は、(2023年9月時点で)税込7,580円。
(どの機種とは言わないけど)他社のスポーツ向けオープン型ヘッドホンと比較しても、「破格感のあるプライス」だと言えそうだ。
気になった方は、この機会に購入検討してみるのが良いだろう!
SOUNDPEATS RunFree ワイヤレスイヤホン オープンイヤー型
「装着感と音質のバランス」には、改善の余地あり
引き続き、使用してみて感じた「イマイチな点」についても見ていきたい。
ここで述べる「装着感と音質のバランス」は、本機の魅力でもある「軽快さ」の裏返し。
決して「音質が低い」というわけではないけど、音の再現性や粒状性には、まだ「伸びしろ」がありそうだと感じた。
…とは言え、SOUNDPEATSが謳う「高音質を実現する音響設計」がウソなわけではない。
ドライバーユニット自体の音響性能は高そうだけど、「オープンイヤー型の宿命」とも言える密閉性の低さが課題。
「音響部の性能を、さらに活かす余地があるのでは?」と感じたのだ。
筆者の主観で言うと、装着状態で「音響部の出口の裏側」をそっと押すだけで、音の粒状性が格段に上がった。
耳孔部に着圧をかけない設計ゆえ、耳の入り口の部分で「パワーロス」が起きているようだ。
この辺りの「着圧と音質とのバランス」には、改善の余地がありそうだ。
「着圧」の観点で、設計的な面で気になったのは「ドライバー部の配置が、『耳なり』すぎるのでは?」という点。
装着時には「耳の後ろ側」となる本体部と、音響部をつなぐ部分を「前側から見る」(写真右)と、「耳の張り出し」に沿った形状をしている。
例えばだけど、この部分の構造は「耳孔部が内側に傾いた形状」にして、装着時に「耳なり」に変形するようにする。
そうすれば、耳孔部に適度な着圧(100g以下くらいでOK)がかかる塩梅になるだろう。
一応念のためにSOUNDPEATS社を擁護しておくと、本機ではスピーカーの外装部を突起状にすることで、「着圧をかけず、耳孔の近くで音を鳴らす工夫」が既になされている。
「着圧をかけず、ストレスなく」というのがやっぱり本機のキモだし、「サングラスや眼鏡のような、他の耳掛けデバイスを使用する方」への配慮も必要ではある。
ただ筆者の所感では「多少は着圧をかけてしまった方が、音響部の性能をより引き出せる(はず)」だと感じた!
「バッグの中での収納」には、注意が必要!
最後に「購入する前に注意したいこと」として挙げたいのが、バッグなどへの収納性。
TWSやイヤホンと比較してしまうと、単品状態ではどうしても嵩張る。
さらに装着に「製品自体のバネ性」を利用しているのも、本機の構造面での特徴。
容積の少ないバッグに押し込んだり、バッグ内で適当に収納しすぎると「本体が変形して破損」となるリスクもなくはないだろう。
まあ、使用しない時は「首に掛ける」とか「バッグなどからぶら下げる」といった持ち運び方ができれば問題はない。
使用場面を想定の上、上記のような使い方ができるかを確認しておくのがオススメだ!
まとめ:「オープン型イヤホンの可能性」を感じる1台!
今回は、「品質とコスパ」の優秀さに定評のある中華系ブランド、SOUNDPEATS(サウンドピーツ)のRunFree(ランフリー)をサンプルレビューした。
圧迫感のないストレスフリーな装着感
「日常使い」に十分な軽快な音質
安心感の高い使い心地
物理ボタンによる良好な操作性
モノトーン系で統一感のある配色
優秀なコスパ
装着感と音質とのバランスには改善の余地あり
バッグ内での収納には注意が必要!
「インナーイヤー or カナル式のイヤホン」が、これまでの製品展開の中心だったSOUNDPEATS。
「オープンイヤー型」は同社としては初の試み(?)だったのかもしれないけど、期待に違わない使用感があり、緻密な作り込みがなされた1台だと感じた!
筆者が長年愛用しているKOSSのPORTAPROなんかもそうだけど、「密閉性の低さゆえ、音質面で『軽く』なってしまう」のは、いわば「オープンイヤー型の宿命」でもある。
それも1つの特徴だけど、個人的な考えでは「せっかく音響性能があるなら、それを活かしたい…!」となるのも事実。
「オープンイヤー型イヤホン」のジャンルでのSOUNDPEATS社の今後とか、この分野自体の発展にも注目したいと感じる1台だった!
SOUNDPEATS RunFree ワイヤレスイヤホン オープンイヤー型
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