こんにちは、物欲紳士です。
今回は「あのIT長者」も愛用するコスパ系ウォッチをレビューしたい。
本記事でレビューするのは、カシオ (Casio) のMDV-106とMDV-107。
まずはブランド(カシオ)と、本機の概略について見ていきたい…!
ブランド(カシオ)と、MDV-106 / 107について
カシオ (Casio) について
カシオ (Casio) は、日本の電機メーカー。1946年に創業。
カシオの歴史は、計算機(当時はアナログ式!)から始まる。
デジタル時代の到来に伴い、電子計算機などのデジタルデバイス事業に進出。
現在では、電子辞書や腕時計などの民生機器も手掛ける。
総合電機メーカーにはない特徴を持つ、「ちょっと尖った電子機器メーカー」だ。
そんなカシオの製品の中でも柱となる「看板商品」が、腕時計。
中でも "G-ショック" は、世界的知名度を誇るブランドに成長している。
G-ショックについては、下記製品のレビューを書いている。
合わせて参照してほしい…!
関連記事
【G-Shock】カシオのDW-5600E-1【安くてもいいんです】
【大人のG-Shock】GW-5000-1JFをオススメする、4つの理由
【G-ショック】カシオのGW-M5610U-1JF【愛すべき元祖系】
MDV-106 / 107について
MDV-106とMDV-107は、そんなカシオのスタンダードコレクションにラインナップされるダイバーズモデル。
MDV-106(写真左)は旧製品。海外では "Duro" の愛称で知られ、2011年発売。
MDV-107(写真右)が後継機となる最新機種で、2022年に発売。
マリンスポーツ向けの「ギア」としても最適な、シンプルさと堅牢性を兼ね備えたアナログモデル。
「骨太感」のある径44mmのメタルケースとスクリューバック。
防水性は20気圧防水に対応していて、水場での使用でも安心感がある。
ムーブメントには、シンプルなバッテリー式クォーツを採用している。
本機を象徴するのが、旧モデル (MDV-106) をアノ大富豪のビル・ゲイツ氏が着用していたというエピソード。
公の場でも複数のシーンで着用しているのが確認でき、愛用ぶりが窺える。
クォーツ式の精度と確実な動作、堅牢性に加えて高いコスパ。
上記のような魅力から、エグゼクティブの中でも「実用性を最重要視する」層から評価を受けているのも、まあ頷ける話ではある!
カシオのDuro、MDV-106と107:良い点と、イマイチな点
筆者は現在のところ、本シリーズを2本保有。
1本は「ビル・ゲイツ氏愛用モデル」と同型の、MDV-106-1AVの黒ベゼルモデル。
2本めが最近買い足した後継機種 (MDV-107-1A3JF) で、赤青ベゼルの1本となる。
2本を愛用している上で感じる、本機の良い点とイマイチな点は、下記の通り。
「奇をてらった要素」が全くないシンプルなデザイン
本格腕時計に迫る細部の質感
カジュアルな装いにハマるサイズ感とカラバリ
圧倒的なコスパの高さ
「黒地に白文字」の方が好みなカレンダー表示
Web専売のため入手性はイマイチ
以下にて、それぞれについて述べていきたい!
「奇をてらった要素」が全くない、シンプルなデザイン
本機の第1の魅力は、「シンプルそのもの」といった表現がピッタリなデザイン。
ダイバーズウォッチは、メンズウォッチでは人気カテゴリー。
各社に定番モデルがあって「名作」と呼ばれるデザインも多い。
例えば、「オメガらしい装飾性」が魅力のシーマスターとか、
当ブログでも過去に取り上げたセイコーのダイバーズなんかにも名作が多く、世界中にファンが存在する。
ただ、そんな中でもロレックスのサブマリーナ(ロレサブ)が、外観面で「ダイバーズウォッチの保守本流」だという点は、多くの方が認めるところだろう。
改めて本機(カシオ MDV-106/107)の外観を見返すと、サブマリーナの「名作デザイン」に対して「ヒネった部分」がほぼ見られない「ド・ストレートさ」が特徴だと感じる。
外観の印象を決める回転ベゼル上の文字フォントや外周のローレット形状も似通っているし、細部に余計な意匠を付けないシンプルさも、「本家」の印象を引き継いでいる。
一方で、「12字位置の夜光デザイン」とか「針形状」などの細部からは「オリジナル性」も垣間見える。
「丸々コピー」ではない点は、ウォッチメーカーとしてのカシオの矜持。
そうならない範囲内での「『本家』に対するオマージュや本歌取り」といった趣向が、本機のデザインの成り立ちだと言えそうだ…!
なお、ビル・ゲイツ氏の愛用モデル (MDV-106) には、文字盤上(6時上)と裏蓋に、カジキのイラストが配される。
現行機種ではイラストが省かれ、よりシンプルな外観に変更された点が目を惹く。
海外を中心にファンが多いシリーズゆえ、「アイコニックなイラストの削除」は賛否両論がありそうではある。
だけど、シンプルなデザインという「本機の良さ」を考えれば、「らしさ」をより純化させるためのモディファイと言うこともできそうだ!
本格腕時計に迫る、細部の質感の高さ
細部の仕上げに目を向けると、特に金属部品の質感の高さには「価格を超えた魅力」がある。
「マリンレジャー仕様」を謳うだけはあり、回転ベゼルは逆回転防止タイプ。
「60クリックで1周」なのが一般的な仕様だけど、本機は「120クリックで1周」のタイプとなる。
「30秒毎に時刻設定できる」というメリットがあるし、緻密な操作感からは工作精度の高さも感じられる。
ベゼルの外形部からケースの上面〜側面へと至る、「サテン&ポリッシュ仕上げの使い分け」も綺麗。
この点も「本家へのオマージュ」だと言ってしまえばそれまでだけど、手にした際に「マニアも納得の質感」があるのは確かだ。
「カジュアルな装い」にハマる、サイズ感とカラバリ
「パッと見」だけでなく、細部を見ても「本歌取り的な要素」に彩られている本機。
ただ、言うまでもないけど「完全なるコピー」ではない。
その代表的な要素がサイズ感で、本機のサイズは径44mm。
「本家」サブマリーナの現行機種のサイズは径41mmで、本機より一回り小さい。
ロレックス製品で言うと、上級モデルのシードゥエラーに近いサイズ感となる。
…このあたり、カシオはG-SHOCKで「大径の腕時計」の先陣を切ってきたブランド。
もしかすると「腕時計をカジュアルに楽しむなら、デカ目に限る」という信念があるのかも(?)しれない。
実際、本機のボリューム感は「夏場にシャツ1枚」などのカジュアルな着こなしでのアクセントにも最適。
前述した「金属部品の質感」も見栄えに影響していて、「大人の着こなし」でも安っぽくならないのも良い。
それとファッション的な観点で言うと、3色あるカラバリもお洒落。
「ド定番」と言える黒ベゼルに加え、通称「ペプシカラー」と呼ばれる赤青ベゼル。
(筆者は保有していないけど)他に「バットマン」の通称で知られる、青黒ベゼルのカラバリもあって、好みで選べる。
なお、上記の3種のカラバリはロレックスのGMTマスターIIに類似。
ここでも「オマージュ要素」が炸裂(?)しているわけだ。
以上をまとめると、全体のスタイルは「サブマリーナ」、サイズ感は「シードゥエラー」、ベゼルのカラバリは「GMTマスターII」に近い。
「ハイブリットな本歌取り」とも言えるけど、ここまで本家に「寄せる」というのは、ブランドとしての立ち位置な難しさが出てくるのも事実。
そうした「独自性への、中途半端な?こだわり」を感じさせない潔さからは、むしろ清々しさすら感じられ、好感を覚える。
圧倒的なコスパの高さ
そして本機を語る上で外せないのが、圧倒的なコスパ感。
公式サイトでは現行機種のMDV-107が販売されているけど、(記事執筆時点で)定価が税込11,000円。
他のECサイトでの実売価格だと、1万円を切る価格で入手が可能。
他製品と安直に価格の比較はできないけど、スクリューバック採用機種の場合、同社のG-ショックだったら2万円台(3万円弱)くらいから。
「チープカシオ」にも繋がるスタンダードラインという事情はあるにせよ、防水性や質感を考えれば破格の価格設定なのは間違いない!
カレンダー表示は、「黒地に白文字」の方が好み
以下では、イマイチな点についても述べたい。
3時位置にカレンダーが付く実用性も、本機の見どころの1つ。
ただ(細かいけど)カレンダー周りのデザイン処理は、あまり好みではないかな。
カレンダー窓周囲の白枠は必要ないと思うし、(視認性は多少落ちるけど)「白地に黒文字」よりは「黒地に白文字」の方が格好良いと思う。
あまりカレンダーを目立たせず、スッキリさせた方がシックに見えるはずだと感じる。
…ただし何回も出すけど「サブマリーナ」の場合、デイト付きモデルは本機と同様の「白地に黒文字」だからね…。
この点も含めて「本歌取りです」と言われたら、筆者的に返す言葉はない。
まあロレックスと同様の「拡大レンズ付き」ではなく、スッキリ見える点は、せめてもの評価点かもしれない…!
Web専売モデルのため、入手性はイマイチ
あと注意点として挙げたいのが、本機はWeb販売限定であるという点。
「製品の質感を、店頭で確認してから購入したい」という方もおられるだろうけど、そうした需要には対応していない点に、注意が必要。
メーカーの立場に立てば、「店舗で製品を並べる」だけでコストがかかる。
コスパの項で「カシオの本気」と書いたけど、Web専売なのも「本気の裏返し」なのだろう。
なお蛇足だけど、本機はチープカシオと似ていてパッケージも簡素。
「男性への、ちょっとしたプレゼント」にも最適な本機だけど、プレゼント用途には別途ラッピング用品を用意した方が無難ではある。
まとめ:「億万長者になる」のは、正直難しいけれど…
今回は「IT長者の愛用モデル」にして「名作ウォッチへのオマージュ」な1本、カシオのスタンダードダイバー (MDV-106/107) をレビューした。
「奇をてらった要素」が全くないシンプルなデザイン
本格腕時計に迫る細部の質感
カジュアルな装いにハマるサイズ感
圧倒的なコスパの高さ
「黒地に白文字」の方が好みなカレンダー表示
Web専売のため入手性はイマイチ
マニアにとっては「良い趣味」でも、ファッション愛好家的には「薀蓄がやたらと多く、『ステイタス性』を見られる」。
その上に「価値がある(とされる)製品は高額」という面倒くささがあるのも、腕時計の特長。
そんな中、「あの有名人が愛用」とか「あの映画・ドラマのキャラクターが着用」みたいなエピソードは、「腕時計趣味の面倒くささ」から脱却(?)できる良い手段だとも言える。
カジュアルな服装はもちろん、スーツにも合う質感。
「オマージュ感」の面白さを理解できる方に、ぜひぜひオススメしたい1本だ
カシオ カシオコレクション MDV-107-1A
公式サイトでも販売中の現行モデル。各色あり。
[カシオ]腕時計 MDV-106-1AV
「カジキのマーク」入りのビル・ゲイツ氏愛用モデル。
あわせて読みたい
スポンサーリンク