こんにちは、物欲紳士です。
アメトラスタイルを象徴するアイテム、オックスフォードのボタンダウンシャツ。
今回はそんな中で「日本らしさ」が光る1枚を紹介したい。
この記事で紹介するのは、メーカーズシャツ鎌倉のカジュアル134のオックスフォードBDシャツ。
鎌倉シャツと「カジュアル134」の紹介
カジュアル134のBDシャツのレビュー
まずはブランド(メーカーズシャツ鎌倉)と、このBDシャツについて見ていきたい!
ブランド(メーカーズシャツ鎌倉)と、今回のBDシャツについて
メーカーズシャツ鎌倉について
メーカーズシャツ鎌倉は、主にドレスシャツを手掛ける、日本のアパレルメーカー。
ファンからは「鎌倉シャツ」の愛称でも呼ばれる。
日本の「アイビーブーム」を象徴するショップ、ヴァンヂャケットの元社員の貞末良雄氏が、1993年に創業。
「ドレス系のSPA」(アパレル製造・販売業)とも言うべき、問屋を介さない流通形態により高品質と低価格を実現。
現代のファッション観から見れば、流行に合わせたモダンな感覚がありつつも「'70年代以前の『伊達な』雰囲気」も残る点・さらに「そういった製品をお手頃に入手できる」という点で、唯一無二の魅力があるショップだと言えるだろう。
この特徴は創業者の貞末氏や、彼を支える方々のバックグラウンドも関係していそう。
さらなる特徴としては、(一部輸入品もあるけど)主要製品は「日本製」にこだわっている点。
それでいてシャツの基本価格は¥5,900+税、ネクタイは¥5,000+税と破格のプライス。
「仕事向けの、ちゃんとしたモノ」を求めるビジネスマンから「伊達なファッション」にこだわる洒落者まで幅広い層から支持を集める点が、鎌倉シャツの人気の秘密と言えそうだ…!
「カジュアル134」について
今回紹介するシャツは、「カジュアル134」という製品ラインに属している。
このシリーズについて、筆者なりにざっくり解説してみたい。
「カジュアル134」は、基本的にはドレス系アイテムが揃う鎌倉シャツが展開するカジュアルライン。
(どれをどう着こなすかは個人の自由だけど)「平日はパリッとスーツを着こなす方の休日スタイル」をイメージしているのかな。
注目すべきは "Untucked" 、つまり「裾出し」をコンセプトにしたシャツが揃う点。
筆者は海外ファッションに精通しているわけではないけど、実は海外(特に欧米)では「ワイシャツの裾出し」って、日本ほどは市民権を得ていないらしいのだ。
事実、海外展開が多いブランド(例えばユニクロとかGapなんか)だと、カジュアルシャツでも着丈長めな製品がほとんど。
「裾出しして着崩したいけど、長すぎるとだらしないからNG」というのは、海外の人から見ると「日本人的な、意味不明な(?)こだわり」なのかもしれない。
そう考えると「カジュアル134」の製品は、いかにも「ドメブラ的」な、日本人の感覚に寄り添った良さがある製品だと感じる。
それと余談だけど、「カジュアル134」の数字の語源は、恐らく鎌倉市の海岸沿いを走る「国道134号」。
馴染みが薄い方も多いだろうけど、お正月の「箱根駅伝」で湘南の海岸沿いを走る際にも登場する国道の名前。
勝手な想像だけど、米国カルチャーを象徴するのが "Route66" であるように、「地域の文化」を象徴する数字として、"134" をブランド名に掲げているようにも思える。
そう考えると「ドメブラ的」と書いたのはあながち的外れではなく、「作り手」の鎌倉シャツ的にも、「自分たちのファッション観」を込めた製品ラインが「カジュアル134」なのだろう!
「カジュアル134」のオックスフォードBDシャツについて
そんな「カジュアル134」シリーズの中でも定番商品で、かつ「ドメブラ的価値観の真骨頂」とも言えるのが、今回紹介するオックスフォードBDシャツ。
このシャツの特徴は、アメトラアイテムの象徴とも言える、オックスフォード・ボタンダウンのスタイルと「軽快な短めの着丈」が融合している点。
元々、オックスフォード生地のBD(ボタンダウン)シャツと言えば、米国のブルックス・ブラザーズが老舗。
元来は「アメトラ的ドレスアイテム」で、それを洗いざらしで着るのが「アイビー&プレッピー的」なスタイルだったわけだ。
だけど、文化的背景が異なる欧州はもちろん、本国の米国ですら「オックスフォードのBDシャツ」って、今日では「オッサンしか着ないアイテム」らしいのだ…
なので、このスタイルのシャツをカジュアルシーンで着ること自体、「世界的な市民権を得ている」とは言い難いようだ。(着てるんだけどね…)
そんなドメスティックなアイテムを「日本人向けの着丈短めなスタイルにして定番化」したのが、今回の「カジュアル134」のBDシャツ。
そう考えると、本品はブランドが目指す(?)「ドメスティックなカジュアルスタイル」の真骨頂とも言えそうな1枚なのだ…!
「カジュアル134」のBDシャツ:魅力と、イマイチな点
そんなわけで、人気ブランドのメーカーズシャツ鎌倉の製品中でも、ある意味で象徴的なポジションを占める定番アイテムのオックスフォードBDシャツ。
筆者がこのシャツの存在に気がついたのは実は結構最近なのだけど、「何でもっと前から買わなかったのか!?」と思うほど愛用している!
筆者が感じる魅力とイマイチな点は、下記の通り。
「裾出し」で着こなしやすい適度な着丈
「本格BDシャツの流儀」に則った生地感&ディテール
「5,900円 + 税」の魅力的なプライス
カラバリ&入手性は良くない
上で挙げたそれぞれについて、以下で説明していきたい!
「裾出し」で着こなしやすい、適度な着丈
まずは「カジュアル134」シリーズの特徴の1つでもある、タックアウト向きの着丈。
「着丈が短め」と言っても、極端に短いわけではない点がポイント。
参考までに製品データから、一般的な製品(ユニクロ)とサイズ感を比較してみる(上表)。
注目の「着丈」を見ると、本品は3cm程度短いのが分かる。
実際のところ、さらに数cm着丈が短くて軽快な製品も存在する。
上の製品で筆者も愛用しているけど、いざ30代以上になると「カジュアル134シャツ」の「長すぎず短すぎずの、絶妙な塩梅」は、なかなか良い。
その理由は、「腕を上げた際、ポッコリお腹が丸見え」という「恥」()を回避できるから。
別記事 で書いたようにシャツ用のインナーを着るという手もあるけど、スタイル重視のカジュアル服でも不用意な素肌の露出には気を遣うのが「大人の流儀」だと思うのだ。
「本格BDシャツの流儀」に則った、生地感&ディテール
軽快感のある着丈の「カジュアル134」のBDシャツ。
だけどBDシャツの「本丸」と言える、「アイビー&プレッピー」感に関わる箇所のディテールに関してはこだわりを感じる。
このあたりは、最初に述べた「ブランドのアイデンティティ」とも関係していそうだ。
「アイビー&プレッピー世代」ではない筆者ができるのは「浅い解説」になりそうだけど、筆者的に感じるのは「生地感」と「襟型」の2点かな。
生地感については、薄手でヨレヨレすぎず、オックスフォード生地らしいハリがある。
もう少し肉厚だと個人的には完璧なんだけど、安価な製品とは違って「洗って着込む楽しみ」がある点が良い。
それと襟型について。
近年のBDシャツ、特に海外のカジュアルウェア・ブランドの製品って「コンパクトな襟型」の製品も多い。
着丈に「軽快感」を求めるなら、襟のデザインもミニマムな形状を好む方が一貫している。
だけど「そうじゃないんだよ!」というのが、日本のBDシャツ好きのコダワリなのだ。( 面倒くさ… )
このシャツもそんな「流儀」に則り、ボタンダウンの襟は適度なサイズと鋭角の剣先を持つ。
コンパクトな襟型を否定するつもりはないけど、襟の表情やロールを楽しむなら、やっぱり襟型へのこだわりは必須だ。
「5,900円 + 税」の魅力的なプライス
で、最後に述べたいのは魅力的な価格。
世界のファッション事情を俯瞰すれば「マニアックすぎるこだわり」が詰まっているように思える、今回のBDシャツ。
だけど、「5,900円+税」という破格のプライスで入手可能なのだ…!
「本格的なシャツ」と言うと「1万円以上」が相場だけど、お値頃感も鎌倉シャツの魅力。感謝感謝!
カラバリ・入手性は良くない…
「スタイル・こだわりの仕様・価格」の3点が揃う、「カジュアル134」のBDシャツ。
だけどイマイチに思う点もあって、カラバリの豊富さと入手性はイマイチなんだよねえ…。
カラバリについては、「白・ブルー」のド定番の2色のみという展開。
「色々な色が欲しい」という欲は尽きないけど、せめて定番色のピンクは追加してほしいかなあ。
それと、入手性について。
鎌倉シャツは「セールなしで売り切る」のが前提で原価率を上げる(定価を下げる)のが「お値頃感」の理由の1つになっている。
そのため、1シーズンでの1型の生産数が限られるので「欲しいモノがいつでも買える」わけではないのだ。
ただし逆に言えば、「定番品はロングラン生産される」ことが期待できるという安心感もある。
手に入らないシーズンもあるだろうけど、気長に次のシーズン待つのが正解なのかもしれない。
まとめ:「サイズがあったら即買い」な、オススメの1枚!
今回は、ドレスアイテム中心のショップ、メーカーズシャツ鎌倉のド定番カジュアルアイテム、カジュアル134のオックスフォードBDシャツについてレビューした。
「裾出し」で着こなしやすい適度な着丈
「本格BDシャツの流儀」に則った生地感&ディテール
「5,900円 + 税」の魅力的なプライス
カラバリ&入手性は良くない
総合評価 ★★★★★ 4.0
デザイン ★★★★★ 5.0
絶妙なサイズ感と、トラッドな襟型のバランス
機能性 ★★★★★ 3.0
いわゆる「高機能シャツ」ではなく、通常の機能性
着用感 ★★★★★ 3.0
生地はもう少し肉厚な方が、筆者的には好み
価格 ★★★★★ 5.0
良好なコスパで、大人買いしたくなる…
耐久性 ★★★★★ 4.0
まだ年数は経ていないけど、耐久性に不安な点はない
その他 特になし
今回のBDシャツ、冒頭に述べた「モダンな感覚」と「伊達な雰囲気」、そして「お値頃感」というブランドの真髄が感じられる、鎌倉シャツの「隠れた名作」なのではないかと感じた。
鎌倉シャツは他にも、ファンを唸らせる名作が多いブランドでもある。
その他の「鎌倉シャツの、筆者的な名品」については、またの機会に記事に書きたい!
鎌倉シャツは、「ふるさと納税」が使える。
返礼品がもらえる上にポイントもゲットできる。これってかなりお得なサービスでは…!
(★おまけ)コーディネート例、購入品の製品データ
コーディネート例
コーディネート詳細
シャツ:メーカーズシャツ鎌倉(本品)
ショーツ:ユニクロ
雪駄:ノーブランド
購入品の製品データ
メーカー メーカーズシャツ鎌倉
ブランド カジュアル134 (Casual 134)
製品名 カジュアルシャツ
型番 WJ1102(白)、FL1003(ブルー)
素材 綿100%
色 白、ブルー
サイズ S (37)
製造国 日本
価格 ¥5,900 + 税
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