こんにちは、物欲紳士です。
今回は、春らしいバスクシャツのド定番を紹介したい。
本記事で紹介するのは、オーシバル (Orcival) のラッセル。
マリンファッションが好きな方
ホンモノのセーラーシャツが欲しい方
お気に入りを愛用して「自分の1着」にしたい方
まずはブランド(オーシバル)と、このシャツの概要についてチェックしていきたい!
ブランド(オーシバル)と、バスクシャツ(ラッセル)について
オーシバル (Orcival) について
オーシバル (Orcival) は、フランスのマリンウェアのブランド。
1939年に創業。
最も有名なアイテムは、フレンチカジュアルの定番アイテム・バスクシャツ。
現在では様々なブランドから販売されているメジャーアイテムだけど、「老舗」と呼べるのはいわゆる「フランスの御三家」の製品たち。
オーシバルは、フランス海軍向けのシャツを製造していたことでも有名。
「お洒落感」だけでなく「リアルネイビー」(?)な歴史でも知られるブランドだ。
オーシバルの製品については、兄弟製品のコットンロードシャツについても、記事に書いている。
合わせて見てほしい…!
オーシバルのバスクシャツ(ラッセル)について
フランスとスペインにまたがり、独特な文化で知られるバスク地方。
日本では「ボーダーシャツ」と呼ばれることも多いバスクシャツは、バスク地方で発祥したアイテムといわれている。
特徴は、風合いのあるコットン生地と、一見して「マリン感」のあるボーダー柄。
そして「ボートネック」と呼ばれる独特なネック形状の3点。
「パリ文化に対するアンチテーゼ」の1つと言えるバスク文化だけど、バスクシャツはフランス海軍に採用されたことで広く認知された。
結果的に「カジュアルウェアの定番」の仲間入りをした経緯も興味深い。
「軍服として大量生産されたために普及した」というのは、カジュアルウェアの歴史上は良く見られるパターン。
…蛇足だけど、当ブログでもコート・ジャケット類を中心に、軍服由来のウェアを色々と紹介している。
よろしければ、合わせてチェックしてほしい!
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さてさて、本題に戻りたい。
そんな歴史を持つオーシバルのバスクシャツ製品の中でも、今回紹介するラッセルは「軍服っぽさ」が特徴の1枚となる。
ここで言う「軍服っぽさ」だけど、要点は以下の3点。
① ボーダー部分が生地中央部のみ
② 着丈は長め
③ 独特な「ラッセル編み」の生地
一見してわかりやすいのは、①のヨコシマの配置。
服地全体がボーダーになっている一般的なボーダーシャツとは、ちょっと異なる。
こうした「やや造りづらい(?)仕様」になっているのは、当然理由がある。
それは「当時のフランス海軍の要求スペックに縞の間隔・本数が明記されていたから」だと言われている。
着丈が長くて全体に細長いシェイプも、裾をタックインして着られるようにという理由がある。
以上をまとめると「元祖」的なリアルネイビー感(?)を残すのが、このタイプのシャツの特徴だと言えるわけだ!
なおのような海軍タイプのバスクシャツ、スペイン出身のキュビズムの巨匠、パブロ・ピカソが愛用していたことでも有名。
…まあ正確に言うと、ピカソが愛用していたのはセントジェームス製のナヴァル(Naval, 仏語で「海軍」の意味)らしいんだけど…。
「ドコ製なのか」はさておき、(の経緯もあって)真反対な印象の「軍モノ感」と「アートっぽさ」が共存する点も、海軍タイプのバスクシャツの面白さだと言えるわけだ…!
オーシバルのラッセル:良い点と、イマイチな点
そんなこんなで「まずはコレ着ろ!」な定番アイテムだと言える、海軍タイプのバスクシャツ。
筆者も(前述したセントジェームスのナヴァルも含め)長年愛用してきた。
現在はオーシバル製の本品が手元にあるわけだけど、本品の良い点とイマイチな点を挙げると、下記の通りになる。
定番の安定感
独特な「ラッセル編み」の生地感
カジュアル全般に合うファッション性
サイズ選定の難しさ
本品に限らず、海軍タイプのボーダーシャツ全般に関するコメントも含め、下記でそれぞれについて述べていきたい!
「定番」の安定感
まず最初に挙げられるのは、「マリンファッションのセンター位置」を占める安定感。
前述の歴史的な経緯もあり、この評価は今後も揺るぎそうにない。
流行に捉われずに着られるので、持っていて間違いのない一枚だと言えるはずだ。
詳しくは後述するけど、着込んで味わえる生地の風合い・耐久性も◎。
「紺のストライプ」が軍服としての定番色だろうけど、ファッション的な意味も含めるとフレンチブルーが最も「らしい」のかなあと思っている。
独特な「ラッセル編み生地」の質感
本品(オーシバルのラッセル)に関して言うと、製品名にもなっている「ラッセル編生地」の独特な質感も好き。
まず(海軍タイプではない)一般タイプのフレンチボーダー(オーシバルのコットンロード、セントジェームスのウエッソンなど)と比較するとさほど肉厚な生地ではない。
だけど織構造が特殊らしく、ざっくりとした凹凸感あって独特な雰囲気がある。
同じ海軍タイプのバスクシャツで言うと、ピカソが愛用したセントジェームス製品は(外観は似ているけど)生地の風合いがちょっと異なる。
よくある「カットソー用の生地」に近く、生地の目が細かいのがセントジェームス。
「独特なザラザラ・凹凸感」があるのがオーシバル、という感じかな。
生地の違いについては、で説明する「イマイチな点」にも関係しているのでそれぞれの製品に魅力がある。
けど、「老舗っぽい伝統の味」を味わいたいなら、個人的にはオーシバルを推す。
カジュアル全般に合う、ファッション性
ボーダーシャツのコーデは巷に溢れているので、今さら筆者が紹介するまでもない気もするけど…。
インナーとしてもアウターとしても、カジュアル全般に合う汎用性も魅力の1つ。
素肌もしくはインナーTシャツを合わせる「フランス人っぽい着方(?)」が、まずは定番。
写真ではインナーにTシャツを着たけど、吸湿性のある生地なので素肌に着てもOK。
「素肌見えさせつつインナーを着る」のもオススメ。
最近普及しているカットオフタイプのインナーを用意し、ボートネック形状に合わせて首元をカットすればOKだ。
オススメのカットオフインナーの比較記事は下記。
第2の例としては、インナーにBDシャツ・デニムシャツを合わせた「アメカジっぽいコーデ」も好き。
ジャケットのインナーにすれば、カジュアルなワークスタイルにもなりそう。
いわゆる「ワイシャツ」の「崩し」なので、ホントは裾を出して着たいところ。
だけど、本品はジャケットと同等の着丈なので、ルーズになりすぎて少し難しい。
逆に言うと「タックインしても着やすい」けど、好感を持つかは好みによるのかも…。
ジャケット:ユニクロの感動ジャケット( レビューページ へ)
シャツ:オーシバル(本品)
ボトムス:バナナ・リパブリック
靴:アレン・エドモンズ
鞄:ソメスサドル
腕時計:ロレックス( レビューページ へ)
ベルト:クライス
まとめると、様々なコーデに溶け込める点が「カジュアルの定番」となった理由だと言えそうだ!
サイズ選定の難しさ
以上のように、(歴史的背景も含め)「魅力的なポイント」が多いのが、海軍タイプのバスクシャツの良さ。
一方で気を付けたい点もあり、それは「最適なサイズ選定が、結構難しい」こと。
海軍タイプのボーダーシャツは前述の通り、着丈が長めの仕様になっている。
フランス人と日本人との体型差もあるのか、新品の時点で結構「縦長シェイプ」のシャツと言える。
オーシバルのラッセルの場合、独特な生地感は魅力的。
だけどその反面、ラッセル生地は洗濯することで横幅がさらに縮む。
「着丈ではなく身幅が縮む」のが、ラッセル生地の特徴。
洗濯をするとより縦長になって、結果的に「さらに細長いシャツ」になってしまうのだ…!
元々珍しい「縦横のバランス」な上、購入時点ではバランスを掴みづらい。
この点が、サイズ選定をより難しくしているワケだ…。
さらにサイズの選択肢も多く、実のところ筆者も何度か買い直している…
サイズの好みはそれぞれだけど、個人的オススメはズバリ「(着丈ではなく)身幅を重視して選ぶ」こと。
タックアウトして着る前提だと、どうしても着丈を重視したくなる。
すると元々「縦長シェイプ」なので、一般的な体型の方ならば「細めな身幅を割り切る」となる。
そして洗濯で縮み、「細すぎて着づらい!」となるのが「負けパターン」。
縮みが出るため、「新品時点での身幅の見極め」も、やや難しくはある。
…けど、オススメなのは(2〜3cmの縮みが出る前提で)やや余裕のある身幅のサイズを選定すること。
すると多くの方の場合、着丈は長めになるハズ。
そこは「そういう洋服だと割り切る」。
着丈の長さがどうしても気になってしまう場合は、海軍タイプでない製品から選ぶのがオススメではある。
まとめ:「ウラのウラ」の味わい
今回は、筆者が「サイズ選定の『失敗買い』」を経験しつつ、述べ20年近く愛用してきた「海軍ボーダー」、オーシバル (Orcival) のラッセルシャツについて書いた。
定番の安定感
独特な「ラッセル編み」の生地感
カジュアル全般に合うファッション性
サイズ選定の難しさ
筆者が感じる「バスクシャツの良さ」って、個人的には「フランス文化のウラ部分」だと感じる「庶民的なモノ」の味わい。
フランス料理・菓子を始め、「世界的に有名なフランスのモノ」って、実のところ宮廷・貴族文化に由来するモノが多い。
ファッションで言えばパリコレ文化とか、ハイブランド(エルメスやヴィトン、カルティエ)なんかがそう。
なお、これらはほぼすべて「欧州の文化発信地」としての王国時代の文化的繁栄に起源がある。
…のだけど、大衆向けのモノにも「味わいがある」のがフランス製品の奥深さでもある。
具体例を挙げれば、庶民料理(ポトフや焼き菓子)、フランスの大衆車、カフェ文化なんかがそれ。
率直に言えば「豪華なフランスもの」ほどの認知度はないけど、他国にはない独自性や美的な感覚があるのが「フランスの大衆文化」の良さ。
バスクシャツって「フランスの庶民的な服装」の中では、最も有名なアイテムの1つ。
さらにバスク地方発祥のアイテムでもあり、「ウラのウラ」とも言うべき、さらなる奥深さがある。
近年はお手頃価格のアイテムも多いけど、ここはホンモノをぜひ!
サイズ選定の難しさはあるけど、ぜひぜひトライしていただきたい。
そしてその際には「筆者の屍を超えてほしい」と思っている…!
オーシバル セーラーシャツ(ラッセル) #6101
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