こんにちは、物欲紳士です。
本記事では、筆者が昨年末に日常使い用の時計として購入したノモス(Nomos)のオリオン(Orion)についてレビューする。
シンプルな腕時計が好きな方
ドイツ製品らしいモダン・デザイン
シンプルな手巻き式
本格的な腕時計が欲しいけどコスパにもこだわりたい方
流行りのデザインウォッチの上位互換機をお探しの方
ブランド(ノモス)と、オリオンについて
ノモスについて
ノモス(Nomos Glashütte)は、1990年にドイツの時計製造の街、グラスヒュッテで創業した腕時計メーカー。
モダニズム(19〜20世紀の、美術・デザインなどにおける現代化運動)の象徴として知られるバウハウスの影響を感じさせる、シンプルなデザインで知られる新興メーカーだ。
ノモスの時計というと、日本に紹介された20年ほど前から売れ線なのは、下の「タンジェント」(Tangent)と呼ばれるモデル。
文字盤上の数字が放射方向に広がったデザインが特徴。
いかにもドイツ製品らしい、虚飾を廃したデザインの簡潔さが特徴の腕時計だ。
オリオン(Orion)について
今回紹介するオリオン(Orion)は、ノモスの製品ラインナップ中でも、特にシンプルさが引き立つモデル。
薄型のケース、手巻きムーブメントはブランドアイコンのタンジェントと共通の要素。
文字盤はより簡潔な、バーインデックス(時分の目盛りが棒状)のデザイン。
ケースの大きさは3種類、カラーも数種類のバリエーションがある。
筆者は最もスタンダードな35mm&白文字盤・青針のタイプをチョイスした。
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購入して良かった点と、イマイチな点
この腕時計を購入して数ヶ月が経過したけど、とても気に入っていて思っていた以上に着用頻度が高い。
お気に入りポイントとイマイチな点は、下記の通り。
デザインバランスの秀逸さ
装着感の良さ
ストラップの標準色が「黒」
以下にて、それぞれについて述べていきたい!
購入して良かった点
デザインバランスの秀逸さ
オリオンのようなシンプルな顔立ちの時計は、ダニエル・ウェリントンの流行で一気にメジャーになった感がある。
(この流れからか、近年はノモスの中での人気モデルになっている模様。)
色違いになるけど、日本でも数年前にドラマ露出などにより爆売れした、下の時計。
一見、今回のノモスと似た印象だけど、ダニエル・ウェリントン(と類似の時計)は現代的なファッション・ウォッチに分類できる。
対してオリオンは青色の時分秒針、スモールセコンド(秒針が時分針と分かれている)、金色のバーインデックスなど、クラシックさ感じさせるディテールが満載なのが特徴。
上に挙げたディテールのどれかが目立ちすぎることがなく、全体のバランスが取れていると感じる。またケースの側面なども角が取れていて、どこまでも柔らかい印象。
ファッション・ウォッチに多く見られるようなパキッとした印象の強さ・線の太さはないけれど、柔らかく繊細で、各部の調和が取れたデザインだ。
以上まとめると、新品で買えるのにヴィンテージ時計のようなデザインのバランス感があり、かつダニエル・ウェリントンの上位互換的な使い方もできるという点が特徴だ。
装着感の良さ
オリオンは手巻きのムーブメント(ノモス・α)を搭載。
機械式ではあるけど、ケースはかなり薄型。
やはり実際に装着すると、ケースが薄型なのは取り回しが良く、装着時の快適性が高い。重さが軽量で39gしかないのも効いていて、とにかく軽やかに着けこなせる。
筆者自身はスーツをあまり着ないけど、ビジネススタイルでの使用を想定すると「時計とシャツのカフスとの干渉が気にならない」という点もメリットになりそうだ。
イマイチだと感じた点は…?
ストラップの標準色が「黒」
ノモスの主要なモデルには、コードヴァンのレザーストラップが標準添付されている。
これは米国のホーウィン社(Horween)の皮革を使用したもの。
ホーウィン社は革靴好きに知らない人はいない靴ブランド、オールデン(Alden)が大々的に使用していて、米国で最も有名なタンナー(皮革製造業者)の1つ。
艶があって、非常に丈夫で上質な革だ。
このレザーストラップ、高級時計の皮革ストラップによく見られる芯地をあえて省いたミニマルな仕様で、ノモスの時計とのデザイン・バランスが秀逸。
上質な素材で丁寧に作られた感じがして、本体同様に良質なストラップだ。
が、標準色が(茶色ではなく)黒なのは、時計の色味とあまりマッチしていないように感じた。
というのも、「黒のストラップを付け、黒系の服や小物と合わせるコーディネート」では、文字盤上のゴールドのインデックスが浮いてしまう感じがする。
(細かいけれど)どうしても色味のバランスが崩れるように感じられるのだ。
ノモスが追求している(と思われる)価値観を端的に言うと、それは「バウハウスの延長にある、クラシカルさが同居したモダン・スタイル」だ。
この感覚からすると、今回のオリオンのような「適度なゴールドのアクセントがあるモノ」を、黒と合わせるのは全然アリというか、むしろそれがお洒落ということになるのだろう。
でもこの感覚は率直に言って、筆者個人の感覚とは多少ズレがあるかなと感じる。
…なので、私は素直にブラウンの純正ストラップを買い足して、こちらに付け替えている。
筆者自身の感覚では、やはりゴールドのアクセントがあるこの時計には茶色のベルトを合わせ、茶系の小物と合わせた方がしっくりとくる。
普段はレザーストラップを交換する場合、非純正品を気にせず使っているけど、この時計に関しては純正ストラップのフラットなデザインとの調和が素晴らしく、純正品と合わせたくなる。
下記のお店で購入したけど、正直に言って安価なものではないので、価格がネックではある。
ストラップを付け替えるメリットは色以外にもあって、ノモス製の別売ストラップは長さをショート・標準・ロングの3種類から選べる。
そんなバリエーションもあるのなら「ストラップは別売にして、代わりに本体を値下げしてくれ!」と言いたくもなる。
でもそこは本格時計メーカーのノモス、ファッション・ウォッチ的な売り方をしてくれることには期待できないのかもしれない。
結論としては、標準添付のストラップは「色味・長さを測るための『オマケ』」と割り切るのが利口なのだろうなと感じた。
まとめ:シンプルさが際立つ、価値ある1本
本記事では、筆者が最近購入したノモス (Nomos) のオリオン (Orion, 35mm) についてレビューした。
デザイン・バランスの秀逸さ
薄型のケースによる装着感の良さ
ストラップの標準色が「黒」 別売ストラップを買い足したくなる
総合評価 ★★★★☆
デザイン ★★★★★
細部に至るまで調和の取れた、素晴らしいデザイン
機能性 ★★★☆☆
ベーシックな手巻き式。その手間を味わいたい
装着感 ★★★★★
薄手のケース。ストラップ長を選べば装着性は格別
価格 ★★★★☆
ドイツ時計らしさを味わえながら、コスパも高い
耐久性 特になし
*購入直後のため
その他 特になし
流行り廃りに関係なく、永く使える時計であることには疑いの余地がない。シンプル・クラシカルな時計が好きな方は、是非チェックしてみてほしい。
男女ペアで揃えたり、1本の時計をパートナーと共用するような使い方もお洒落かもしれない!
近年追加された、38mm径の大型モデル。
時計サイズの大型化に伴い、男性であればこちらのサイズ感を好む方も多いかも。
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