こんにちは、物欲紳士です。
今回は「大人も活用したい、スマートな激安トラウザー」をご紹介したい。
本記事でレビューするのは、GU(ジーユー)のテーパードトラウザーSW。
まずはブランド (GU) と、テーパードトラウザーSWの概略について見ていきたい…!
ブランド (GU) と、テーパードトラウザーSWについて
GU(ジーユー)について
GU(ジーユー)は、(株)ジーユーが運営する低価格衣料ブランド。2006年に創業。
運営会社は(株)ファーストリテイリングの傘下。
皆が知るところだけど、実質的には「ユニクロの弟分に当たるブランド」とも言えなくもない。
「ユニクロとの差異」として大きいのが、GUは10代からの若者層を主要顧客としている点。
商品ラインナップで言うと、「複数シーズンに渡り継続販売される、ベーシックな定番商品」が多いのがユニクロ。
対してGUは、シーズン毎に入れ替わる「トレンド性重視」な商品が多い(気がする)。
なお "Your Freedom" の標語が示す通り、ブランド名の由来は「自由」を英文字に転化させたものだと思われる。
「細かい理屈」を考えすぎずにファッションを気軽に楽しみたい方は、ぜひチェックしてみたいブランドだと言えそうだ…!
テーパードトラウザーSWについて
テーパードトラウザーSWは、そんなGUが展開する、春夏向けのトラウザーパンツ。
発売時期は、(恐らく)2022年夏。
前述した通り、GUは「ティーンからの若者層が主要顧客」となる。
そんな事情もあってか、基本的にはカジュアルな製品が多い。
「オフィス向けにも活用できる製品」は、それほど多くはないわけだ。
そんな中で本品の特徴を端的に言うと、「GU製品の中で、最も綺麗めなトラウザー」だということに尽きる。
カラーリングは無地のみ。
写真のグレー・ネイビーと、(写真にはないけど)黒の3色。
定価は(2023年の原稿執筆時点で)2,990円。
詳しくは後述するけど、適度にテーパードがかかったシルエットも綺麗。
以上まとめると、GUらしいコスパ感に加え、綺麗めなパターンとシンプルな仕様が特徴の1本だと言えるだろう!
◆◇◆◇◆
なお余談だけど、GU製品を見ていると「製品名末尾のアルファベットって何なんだよ」となる。
本品で言えば "SW" に当たる部分。
GU商品のネーミングにはテイストや生地の種類、取り扱い店舗などにより「暗号のようなアルファベット」が付く。
機会があれば別記事にまとめたいけど、今回の "SW" について言うと "Smart Wardlobe" の略だと思われる。
実際、公式サイトの "Smart Wardlobe" の紹介ページには、他の「SW製品」と共に本品も紹介されている。
まあ要するに本品が「綺麗めなトラウザー」なのは単なる筆者の主観ではなく、ブランドもそう認めているということなのかな。
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GUのテーパードトラウザーSW:良い点と、イマイチな点
筆者がテーパードトラウザーSWの存在に気づいたのが、2022年の夏。
おそらく本品の発売時期なのだけど、そのタイミングで、色違いにて2本を購入。
それほど「ヘビロテ」ではなかったものの、原稿執筆時点 (2023.08) で1年程度愛用している。
ある程度の期間使用してみて感じた、本品の良い点とイマイチな点は下記の通り。
「スマートに履きたい派」に嬉しい端正なシルエット
(化繊だけど)生地の質感&肌触りも上々
「洗ってOK」な実用性の高さ
価格が激安
盛夏には向かない生地の仕様
「まつり縫いのダブル仕上げ」ができなくなった
セットアップ用のジャケットはオススメしない
以下にて、それぞれについて説明していきたい…!
「スマートに履きたい派」に嬉しい、端正なシルエット
まず第1に挙げたいのは、オンタイムなどの「スマートさ」を演出したい場でも通用する、端正なシルエット。
参考までに、他社製品とサイズを比較してみたい。
比較対象は、まずユニクロの定番商品の「感動パンツ」。
それと若干「メチャ振り」だけど、「メンズスラックスの定番」として知られるイタリアの2ブランドの定番モデルとも比較してみたい。
ユニクロの「感動パンツ」は別記事でもレビュー しているけど、ワタリ幅も裾幅も「太め」。
サイズスペック・実仕様上を問わず、本品の方がシルエット的には細身。
次に、イタリアブランドのスラックスと比較してみる。
「かなり細身」な製品として知られるPT Torinoの「スーパースリムフィット」は、本品よりもさらに細い。
次にインコテックスの定番モデル「N35」と比較すると、腿回り(ワタリ幅)はGUの方が太めで、裾幅は誤差レベル。
一見「似たシルエット」に思えるけど、GU&ユニクロ製品はドレス向けスラックスと比較すると「製品状態での股下寸法が、相当短い」。
ほぼ同じ裾幅でも、股下が15cm以上短い本品の方が「さらに強くテーパーしている」ことになりそうだ。
以上をざっくりまとめると、「若者向けの、尖ったパターン」なのが本品の特徴。
そこが「スマートさを追求した、海外製の高級スラックス」のこだわりと、ちょっと重なる部分がある(?)のは面白い。
「(ユニクロのような)万人向けの製品よりも、さらにスマートな1本が欲しい」とお感じの方には、刺さる部分があるかもしれない!
◆◇◆◇◆
…ついでに余談ではあるけど、イタリアモノなどの高級スラックスに見られる代表的なディテールと言えば以下。
① ベルトバックル部のピンループ
② 背中側のV字スリットと補強布
GUのテーパードトラウザーSWの場合、上記のようなディテールはなくて簡素。
ただし、内側をボタン留めできる構造(通称「天狗」、上写真の③)にはなる。
シンプルながら要所は押さえたディテールも、本品の特徴と言えるかもしれない!
(化繊だけど)生地の質感&肌触りも上々
テーパードトラウザーSWの生地は、価格帯の事情もあってか100%化繊。
ポリエステル62%を主材料とし、他にレーヨンとポリウレタンが混紡された生地となる。
生地感は、まず見た目は「サマーウールを模した外観」で、肌触りも上々。
例えばユニクロの「感動パンツ(ウールライク)」も、ウールを模した化繊生地。
だけど生地の編み目がやや荒く、肌触りは良くない。
本品とか「感動パンツ」もそうだけど、春夏物のスラックスは、膝部分に裏地がない仕様の製品も多い。
そうした場合、生地の肌触りは重要。
特に着座時の膝周りの快適性(チクチク感)には直結する。
好みによる部分もあるけど、この辺りは「感動パンツ(ウールライク)」よりも本品の方が、個人的には好みかな。
「生地の見た目の質感」もなかなか。
筆者的には、ややメランジ調がかったライトグレーの色味は、特に好み。
「春夏物スラックスのスタンダード」と言える色味なので、幅広い場面で活用できそうだ。
…ついでに述べておくと、「化繊生地」と聞くと「環境に悪いのでは?」と言われる方もいる。
筆者は必ずしも同意はしない(天然の素材でも、生地になるまでに環境負荷は発生する)けど、本品の原料の場合、主成分のポリエステルには100%リサイクル繊維を使用している。
「(完璧ではないにせよ)環境に配慮している」という点も、素材を見る上での1つのポイントかもしれない!
「洗ってOK」な実用性の高さ
春夏物のスラックスについて回る難点といえば「洗濯」。
仕様上は「ドライクリーニング専用」のウールスラックスをジャブジャブ洗う「猛者」もおられるかも(?)しれないけど、高価なアイテムほど敷居が高いのは確実。
その点、本品は仕様からして「洗濯OK」だし、何より価格が安い。
精神的な意味でも「ジャブジャブ洗うことに対する抵抗感」がないのは良い。
「春夏物でも、ウール系のスラックスはドライクリーニング」という方も多いだろうけど、衛生面を考えれば洗えるに越したことはないだろう。
価格が激安
あと、「言わずもがな」な価格の安さ。
テーパードトラウザーSWの定価は、(2023年8月時点で)税込2,990円。
昨今の物価高&円安の影響からか、2022年時点よりも若干値上がりはしたけど、それでも安い。
「気になる方は、気軽に試せる」プライス設定も嬉しい1本だと言えそうだ!
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盛夏には向かない、生地の仕様
サマーウールっぽい生地感と色味に加え、「洗濯OK」な仕様。
以上を踏まえると、筆者的には夏向けトラウザーとして、ガンガン使いたくなる。
…が、本品の生地は真夏に着用すると、結構蒸れる。
熱を溜め込む傾向のある化繊生地である上、「夏向け」にしては厚めな生地感も影響していそうだ。
35℃以上とかになる梅雨明け〜9月中旬くらいまでの着用は避け、30℃以下くらいの気候で着用したいところだ。
生地が「盛夏向け」ではない理由だけど、単純に「より汎用的な通年向きの方が数量を売れるから(→コストダウン)」とか、「強度面や、洗濯での耐久性を重視しているから」とかなのかもしれない。
「真夏向けのスラックス」って、GU的には「状況を選ぶ商品」になってしまいそうだけど、「ジャブジャブ洗える」という利点が、最も活きる状況な気もする。
筆者的には、本品のスタイルを維持した上で盛夏向け製品の展開も期待したいところだ…!
「まつり縫いのダブル仕上げ」ができなくなった
あと、筆者の手元にある製品のうちの1本(グレー、写真左)は、ダブルで仕上げている。
これ、筆者の購入時点(22年夏)では、オンラインショップの裾補正で対応できた。
…が、原稿執筆時点(23年8月)では「ダブルの補正」はできなくなったっぽい。
GU / ユニクロの「ダブル仕上げ」は、(仕様に制限はあったものの)補正費用が破格に安かっただけに残念。
一応フォローしておくと、(前述の通り)本品は製品状態での股下寸法が短い。
基本的には「標準体型なら、裾上げなしで履ける仕様」で、元々「ダブルで履ける」のは「股下が短い方」に限られていた。
対象者が限られてしまうような「余計なオプション」をなくすのも、生産の合理化の一貫なのかもしれない。
基本は「裾仕上げはシングルで、シンプルに履く1本」だと捉えるのが良さそうだ…!
同シリーズのジャケットはイマイチ。セットアップには不向き
最後に触れたいのは、同素材のジャケットについて。
前述した通り、本品はGUの「スマートワードローブ」シリーズの製品だけど、「シリーズ商品」としてセットアップ対応のジャケットが存在する。
ということで「セットアップにして、スーツのように着る」という煩悩(?)も浮かぶけど、結論から言うと「ジャケットはやめておいた方が良い」です…。
その理由だけど、シリーズのジャケット(テーラードジャケットSW)は、「定価で4,990円と破格ながら、補強材入りで構築的なシルエットを実現」した製品。
…なのだが、(価格的な事情もあるのか)さすがに肩のフィット感が低すぎて「ダメダメすぎる」のだ。
実際に店頭で見ていただければ分かるけど、「スーツやジャケットを着慣れた方」なら服に興味がない方でも一目瞭然なレベル。
「ティーンエイジャー〜大学生くらいの方のお洒落着」といった感じ製品で、「酸いも甘いも噛み分けた、大人のアナタ」は、避けた方が無難。
素直に「ジャケパンスタイル向けのパンツとして、単品で活用する」方がオススメだ…!
まとめ:「大人買い」して、履き潰せる1本!
今回は、爆安なんだけどスマートな1枚、GU(ジーユー)のスマートトラウザーSWをレビューした。
「スマートに履きたい派」に嬉しい端正なシルエット
(化繊だけど)生地の質感&肌触りも上々
「洗ってOK」な実用性の高さ
価格が激安
盛夏には向かない生地の仕様
「まつり縫いのダブル仕上げ」ができなくなった
「同シリーズのジャケット」はイマイチでセットアップには不向き
色々と書いたけれど、「パンツ単品で使う」という点に留意すれば、オンオフ問わずに様々なシーンで使えそうな1本。
「ジャケットはイマイチだけど、パンツはイケる」というのが本記事的な結論だけど、(パンツ業者を侮る気はないけど)「よくある話」ではあるかなあという気はする。
「30代以上の『大人』の、ファストファッションとの付き合い方」という観点でも、「好適なアイテム選び」は重要。
つい先入観に捉われて足が遠のくブランドでもあるけど、「まずはお店に足を運び、商品を見てみること」が大切。
「欲しかったモノ」が、意外な場所で見つかるかもしれない!
(★おまけ)コーディネート例
◆コーディネート詳細
ポロシャツ:ユニクロのドライカノコポロ( レビューページ へ)
トラウザー:GU(本品)
鞄:ポーター
靴:G.H.バスのウィージャンズ( レビューページ へ)
腕時計:KAMAWATCH( レビューページ へ)
◆コーディネート詳細
ポロシャツ:ユニクロのドライカノコポロ( レビューページ へ)
トラウザー:GU(本品)
鞄:ビームスライツ( レビューページ へ)
靴:コールハーン( レビューページ へ)
腕時計:ロレックスのエアキング( レビューページ へ)
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