こんにちは、物欲紳士です。
今回は、筆者が最近100円ショップで発見して即買いした商品、ダイソー(Daiso)のミリウォッチ(Mili Watch)について、レビューを書きたい。
この内容で500円って、マジでコスパがヤバいですよコレ…
ブランド(ダイソー)と、ベトナム戦争の時計について
ダイソー(Daiso)について
ダイソー(Daiso)は、(株)大創産業が運営する、代表的な100円ショップ。
日本のデフレ文化の雄、と言って問題ない存在。
ダイソー含めた100均のビジネスについて、簡単に触れておく。
大創産業自体は商社のような存在で、協力会社からコスパの高い商品を集めて薄利多売で売る、というのが基本的なビジネスになる。
この点は、商品自体を直接開発しているメーカー(ユニクロ等)とは異なるビジネスモデルなのだ。
消費者にとっては、商品によって製品の良し悪しが分かれるため目利きが必要な一方、圧倒的にレンジの広い商品が揃っている点がメリットだと言えそうだ。
で、そんなダイソー店舗をブラついていたところ、時計売場で見つけたのがこのミリウォッチ(Mili Watch)。
これは明らかに、ベトナム戦争向けの米軍時計、GG-W-113のレプリカ…!
ということで、早速この時計を購入してみることに。
ベトナム戦争向けの時計について
ファッションを含めた日用品の革新は、戦争時の軍隊向けの装備によって起きることがある。
本ブログでも既にレビューした、コートなども、元を辿ればミリタリー品が多い分野だったりする。
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腕時計も、もちろん例外ではない。
いわゆるミリタリー・ウォッチと呼ばれるものだけど、戦争を契機として腕時計に起こった革新として、最も大きかったのがベトナム戦争(1955-1975)なのだ。
その革新的な思想を一言で言うと、旧来は高価で財産性があった腕時計を「使い捨てる」という「発想の転換」。
この時計は「使い捨て時計」(Disposable Watch)と呼ばれ、現在でも人気のミリタリー・アイテムとなっている。
この発想、欧州・日本のような、旧来的な「みみっちい」(←失礼)価値観の国では不可能だったと思う。
大量生産・大量消費の文化を創り、それらを背景とした産業力で世界No.1の大国となった米国だからこそできた発想なのだ。
ベトナム戦争向けの時計だけれど、米軍がベトナムに深く関与していたのは1960年代。
マニアックだけど、米軍のベトナム戦争向け時計はMIL-W-46374とか、GG-W-113の名で呼ばれている。
当時はクオーツ時計が普及する以前の時代だったので、オリジナルモデルは機械式なのだけれど、クオーツ品も含めて、現在でも多くのレプリカ品が存在する。
代表的なモデルとしては、下の2つが有名。
◆Timex(タイメックス) Camper(キャンパー)
米国時計の雄、タイメックス社のベーシックモデル。
カジュアルな腕時計の本丸(?)として知られる1本。
◆ハミルトン(Hamilton) カーキ(Khaki)
米国文化を代表する腕時計メーカーとして名高い、ハミルトンを代表する1本。
20年以上前だけど、ドラマ「踊る大捜査線」で主人公(青島刑事)が愛用していたことで、日本でもプチブレイクした1本。
要するに、タイメックスとハミルトンという、米国を代表する2大時計ブランドの基幹モデルとも言える製品になっている。
ベトナムで生まれた「使い捨て時計」の影響力が、いかに大きかったのかがよく分かる。
少し話が脱線するけど、ハミルトンについては別の名作、「ベンチュラ」(Ventura)について別記事でレビューしている。
ご興味があれば、合わせて見ていただきたい。
前置きはこれくらいにして、次項ではダイソーのミリ・ウォッチの詳細について見ていきたい!
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ダイソーのミリ・ウォッチ:特徴
この時計を使ってみて感じた特徴を挙げると、以下のようになる。
ミリ・ウォッチの特徴 ワンコイン500円という爆安価格
再現度が高い点(文字盤デザイン、ケースや風防)
再現度がイマイチな点(ケースサイズ・厚み、ストラップデザイン)
クオーツ・ムーブメントの作動音は大きめ
以下にて、順に見ていきたい。
ワンコイン500円という爆安価格
この時計のポイントは、何といってもその価格!
ダイソー様の他製品のコスパもスゴいですが、ちゃんとした見た目で、ここまでコスパが高いというのは、ただただ凄いの一言。
「タイメックス・キャンパーっぽい外観ながら、実は金額1/10以下のノーブランド品」なんてのは、大人の「遊び」としてもシャレが効いていて、なかなか面白いと思う。
再現度が高い点
文字盤・時分秒針のデザイン
文字盤や時分秒針のデザインは、オリジナルのベトナム・ウォッチをよく再現している感があり、好感が持てる。
文字盤上の数字の配置・フォントもいい感じだし、時分秒針の少し手の込んだ形状も、かなりオリジナルを頑張って再現した感がある。
時分秒針などの部品に汎用品を使うのではなく、専用品を使うだけでコストがかかりそうだけど、再現度を上げるべく、製造者側で努力をしたのだろうなと感じた。
ケース・風防
ケースと風防(文字盤前面のガラス状の部品)は共にプラスチック製で、非常に軽い。
と同時に、金額を考えれば非常に綺麗にできていると感じた。
特にプラスチック(アクリル?)の風防は、クラシカルなドーム型の形状。とても綺麗な形。
傷が付きやすいので注意が必要だけど、高価な最新の時計では逆に姿を消している特徴でもある。
たったの500円でこの風防が楽しめるというだけでも、十分にお買い得だと感じた。
一方、樹脂製のケースも価格以上の仕上がり。
ただしケース側面の形状を見ると、形状に歪みがあるのが分かる(金型で成形する際の、材料の収縮の影響)。
結果としてケース側面が製品として意図したようなカチッとした面になっておらず、やや締まりのない外観になっている点は、若干気になった。
ただし、細かいケース・ラグのエッジ(稜線)はバッチリ出ている上に、怪我をしそうなシャープな箇所もない。
金額を考えれば、及第点以上の仕上がりだと思った。
再現度がイマイチな点
ケースサイズと厚み
ケースサイズはオリジナルが36mm程度なのに対して若干大きく、38mm程度。
また厚みもやや厚めになっている。
全体がプラスチックなので、強度的な面を考慮している(?)のかも。
再現度という意味では高くはないけれど、昨今は1960年代と比較すると、時計のサイズは厚めで大きいのがトレンド。
ファッションとして考えれば、むしろ使いやすい面もありそうだと感じた。
米軍系ではない、NATOストラップが同梱
低価格な時計なので細かい話だけど、同梱されているベルトはいわゆるNATOストラップ。
NATOストラップは欧州(特に英国空軍)で開発・採用されていたもので、米軍系ではない。
NATOストラップについて簡単に説明すると、ストラップが二股に分かれているのが構造上の特徴。
ジャケットの上からの装着を想定し、ベルトは長めに設定されていて、折り返して装着する。
二股に分かれたストラップは、装着時に時計が動いてしまうのを防止する役割を果たす。
と同時に、腕の時計と触れる側の面が1枚のパーツで覆われるため、装着感が良いのも特長。
さらに長めのベルトは様々な太さの腕に対応できる特長もあり、優れた面が多いストラップだ。
ただ、本家ベトナム時計のベルトはNATOタイプではなく、上のような単純な素通しのベルト。
なので、タイメックスやハミルトンなど、他メーカーのレプリカモデルも素通しベルトを使用している。
ミリタリーマニアからすれば、「米国陸軍系の時計に、欧州空軍系のベルトがセットになっている!」というのは、トンチンカンな状況と言えなくもない。
NATOストラップはダイソー様の税別100円の人気商品で、それを活用したいというのが、大人の事情としてあるのかも。
ざっくりと言ってしまえば、NATOストラップの方が使い勝手上は何かと便利。
上位互換と言って良い仕様なので、細かいことをゴチャゴチャ言うべきでないのかもしれない。
ムーブメントの作動音は大きめ
最後に1点、注意したい点だけど、ムーブメントの作動音はやや大きめ。
あまり静かでない目覚し時計と同等くらいの作動音で、腕時計としては結構気になるレベル。
アウトドアで使う分には、さほど問題にはならなさそうな気もするけれど、静かな教室やオフィスなどでは、作動音が気になる可能性もあるので注意したい。
パッケージの説明書きによるとムーブメントは日本製ということなので、品質が低いという可能性は低そうだ。
まとめ:スペアも含めて、大量に買え!笑
本記事では、ダイソーの腕時計、「ミリ・ウォッチ」について購入レビューをしてみた。
ミリ・ウォッチの特徴 ワンコイン500円という爆安価格
再現度が高い点(文字盤デザイン、ケースや風防)
再現度がイマイチな点(ケースサイズ・厚み、ストラップデザイン)
クオーツ・ムーブメントの作動音は大きめ
いや〜、やっぱり格好いいです。
価格なりの点も、もちろんあるけれど、それらも含めて愛せる500円ウォッチ。
耐久性が少し気になるので、またの機会にレポートしたいと思う
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