こんにちは、物欲紳士です。
今回は文房具について、初めて書きたい。
今回紹介するのは、ラミー(Lamy)のピコ(Pico)。
かれこれ15年以上使っている、筆者の大のお気に入りのペンだ。
この記事をおすすめする方 ラミーの名作ペン、ピコの魅力について知りたい方
ピコのリフィル(替芯)のカスタム方法について調べたい方
まずはブランド(ラミー)と、このペンのアウトラインを紹介したい。
ブランド(ラミー)と、ピコについて
ラミー(Lamy)について
ラミー(Lamy)は、ドイツの筆記具メーカー。1930年創業。
ドイツは19世紀くらいから工業国だったからか、筆記具も著名なメーカー・ブランドが多い。
高級筆記具メーカーで言うと、モンブラン(Montblanc)やペリカン(Pelikan)。
プロ御用達の実用筆記具メーカーで言うと、ロットリング (Rotring) やステッドラー (Staedtler) などが有名だ。
ドイツ国内にライバルが多い中、ラミーの特徴は「モダンなデザインの筆記具を造り続けている」点にある。
ラミーがブランドとして発展した20世紀は、モダンデザインの発展期でもある。
特にドイツは「工業デザインにおける『モダニズム』先進国」で、筆記具以外でも多くの分野で「不要な装飾を廃した、シンプルなデザイン」を特徴とする製品を生み出してきた。
ラミーは筆記具の中でのモダン・デザインの旗頭とも言えるブランドなのだ。
余談だけど、ドイツ系のモダンなデザインの製品としては、過去記事でノモスの時計(オリオン)を紹介している。
ご興味があれば、合わせて見ていただければと思う!
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ピコ(Pico)について
ピコ(Pico)は、そんなラミーの名作ボールペン。
スイスのデザイナー、フランコ・クリヴィオのデザイン。
2001年発売。
ピコの特徴は、コンパクトな外観の中に延伸機能を備えている点。
また可愛らしくもある、ミニマルなデザインもGood。
収納状態と延伸状態(使用時)の切り替えは、頭部を1クリックするだけでシンプル。
如意棒のように伸び縮みする、よく考えられたカラクリはユニークだ。
延伸時に露出する箇所は、ストライプ状になっている。
細部にこだわりつつ、全体のデザインバランスも良い。
ブランドロゴは、突起状の小さな部品に刻印されている。
主張が控えめなのもお洒落で、デザインセンスの高さを感じる。
さらにこのロゴ突起、机上での転がりを防止する役割も果たす。
ロングセラー商品だからか、ネット通販なら4000円前後で買えるお手軽さも嬉しい。
スーツやジーンズのポケットに、常時持ち歩きたいボールペンだ。
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本体は最高だけど、肝心のリフィルはダメダメ…
ラミーのリフィル(替芯)は、評判が良くない
名作デザインをお手頃に、常時持ち歩けるのが魅力のラミー・ピコだけど、1つだけ見過ごせない問題点がある。
それはボールペンのリフィル(替芯)の性能が良くないという点。
ピコは小型ペン。リフィルも専用に、短めに設計されたもの。
種類としては、古典的な油性ボールのリフィルになる。
製造品質が日系メーカーほどではないのか、油性ボールとしてもインクの出が良くない。
常に持ち歩けるのはいいけど、「イザ使おうとした時に、インクが出ない」ということがままある。
リフィルのイマイチさのせいで、数多くのピコがゴミ箱行きになっただろうことは、想像に難くない…!
工作が必要だけど、ジェットストリームも使用可能!
このペンに対応しているリフィルを発売しているのはラミーだけ。
一見諦めるしかなさそうにも思える。
でも結論から言うと、少し手間を加えれば他のリフィル、例えば書き易さで定評のあるジェットストリームなんかも使用可能になるのだ。
というわけで以下では、筆者流のピコのリフィル(替芯)のカスタム方法について紹介したい。
メーカー公式ではないカスタム(文具マニアが呼ぶところの魔改造)になるけど、そこまで大袈裟な話でもないと思っている。
ラミー・ピコ用のリフィル(替芯)のカスタム
工作の概略
アウトラインとしては、俗に「4C規格」と呼ばれる汎用サイズのリフィル(ジェットストリームの場合、SXR-200という型番)の全長を切断加工。
さらにアダプター(グレーの樹脂部品)をチャチャッと作って取り付け、ラミー純正リフィルのような段付き形状にする。
必要なもの
今回の加工で必要なものは、下記の通り。
必要なもの
ラミー・ピコ用の交換リフィル、LM22(できれば2本)
使用したいリフィル(今回はジェットストリーム・SXR-200、色・太さはお好み)
チューブカッター(ミニサイズ)
大型カッター
小型ペンチ
あったほうが良いもの
カッターマット
保護メガネ
大型カッター、小型ペンチ、カッターマットは、100均のものでOK。
イチから揃えても、合計金額は2,000円くらいのはずだ。
一応補足すると、一旦作った樹脂製アダプターは再利用できる。
なので2本目以降は、使いたいリフィルを買い足すだけでOKだ。
ポイントとしては、まずラミーの純正リフィルは本体付属のものではなく、別売の交換リフィルを入手すること。
理由は、交換リフィル本体ではなく「付属のキャップ」(グレーの樹脂部品)を使うから。
…ラミー様も自社リフィルのイマイチさを認識しておられるのか、加工すれば他社のリフィルを転用できる、便利なキャップを付属していただけているのだ…(笑)。
なお理由は後述するけど、純正交換リフィル(のキャップ)は、できれば2個あるのが良い。
それとチューブカッターは、見慣れない方もおられるかもしれない。
ジェットストリームのリフィルは金属製。材質は恐らくステンレス。
全長を短くするには、細いけど硬い、ステンレスチューブをカットする必要がある。
切断可能な工具は他にもありそうだけど、安全性と簡便さを考えると、専用のチューブカッターを購入するのがオススメ。
700円ちょっとで入手できる。
以上のオススメ工具は、記事の最後に記載しておく。合わせて参考にしてほしい。
…それでは、実際に作業をしていきたい!
カスタム・リフィルの作成手順
1. アダプターを作る
言うほど大袈裟じゃなくて、純正リフィル用樹脂製キャップの前後をカッターで切るだけです…。
まず、キャップ先端部の細くなっている部分を、カッターで切り落とす。
次に、反対側の端も切り落とす。
純正リフィルの太い部分の長さに合わせてカットする。
2. 使用したいリフィルの軸をカット
上の写真のような感じで、チューブカッターでリフィルの軸をカットする。
長さは専用リフィルの全長と同じか、若干短めにする。(厳密でなくてもOK)
以下に、ポイントと手順を述べる。
まず、カットするペン軸は外径2mmちょっと。
だけど今回使用したチューブカッターは仕様上、外径3mm以上のパイプでないと切断できない。
細すぎるチューブだと、チューブカッターに固定することができないため。
ここで純正リフィル用キャップ(2個目)の出番。
2個目のキャップを適当に2分割し、上のように切断したい箇所の前後に挿入する。(★注意:後述)
こうすることで、チューブカッターでペン軸を切断できるようになる。
(他の方法もあるはずだけど、この方法がラクだし早い)
2分割し、ペン軸に取り付けた治具キャップの外径部分をチューブカッターにセット。
刃をネジで送って当て、ボールペン軸をペンチで掴んで回す。
さらに少し刃を送り、軸を回す…。これを繰り返す。
今回は薄い肉厚のチューブなので、2〜3分でカットできた。
なお今回のリフィル(ジェットストリームSXR-200)の場合、カットした部分にはインクが充填されていなかった。
なので、カットした箇所からインクが漏れる心配は不要そうだ。
1本につき数分で終わるので、一度に何本かをまとめてやっておくと良い。
3. リフィルとアダプターを合体
リフィルにアダプターを圧入して、合体させる(★注意:後述)
モノによっては少し硬いかもしれない。怪我に気をつけて、じっくりやる。
全体の長さを純正リフィルと合わせて完成。
このままピコに入れて、使えるようになる。
「4C規格」のリフィルであれば使用可能(なはず)
少し工作をすることで、ラミー・ピコに他社製のリフィルを、問題なく使えるようになった…!
ちなみに使用できるリフィルだけど、いわゆる「4C規格」であれば、ジェットストリームでなくても加工可能(なはず)。
「4C規格」はぺんてるの「ビクーニャ」やパイロットの「アクロインキ」など、人気モデルも多く揃う「最強の規格」。
お好みの製品を加工してみると良い。
★注意:加工はくれぐれも自己責任で。怪我には十分注意しましょう。
特にペン軸を「純正リフィルのキャップ(を加工したアダプター・治具)」に挿抜する際には、細いペン軸に力を加える必要がある。
この手の工作にある程度慣れた方なら、全く危険はない加工。
だけどペン先は尖っている。不慣れな方は怪我にはくれぐれも注意してほしい。
適当に保護キャップを作り、作業時はペン先に付けておくと安全だ。
(さらに保護メガネをかけるのも良い)
まとめ:自分流にカスタムすれば、愛情も深まる!
「リフィルのカスタムについて」の説明が長くなってしまったけど、今回はラミー・ピコの魅力と、筆者流のリフィル(替芯)のカスタマイズについて書いた。
20年経っても色褪せない、オンリーワンの魅力があるボールペン。
そして本体の美しさ・素晴らしさとは裏腹に、純正リフィルの性能はイマイチ。
だけどそれだけで「使えない」となってしまうのはもったいない。
快適に使えるようにするためには「ひと手間」がかかるけど、それもまた面白い。
自分流に手を加えることで、愛着も一層湧くのではないだろうか
(おまけ)今回使用した材料・道具
必要なもの
ラミー 油性ボールペンリフィル(替芯)LM22
三菱鉛筆 ボールペン替芯 SXR-200
SK11 パイプカッター PC22 切断能力3-22mm
オルファ スピードバイバーAL型 227B
KENOH ミニラジオペンチ
あると良いもの
オルファ カッターマットA3 135B
TRUSCO 一眼型セーフティーグラス(透明)
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