こんにちは、物欲紳士です。
今回は興味深いお財布をサンプルとしてご提供いただいたので、数週間試用した上でレビューをしていきたい。
本記事でご紹介するのは、GELEQUA(ジェリコ)の極小財布・HandBit(ハンドビット)。
人とはちょっと違う極小財布をお探しの方
とにかくコンパクトなお財布が欲しい方
使い勝手だけでなく、長く愛用できるお財布をお求めの方
今回は冒頭で革小物に対する筆者のスタンスをご紹介した後、ブランド (GELEQUA) と "HandBit" の概要を見ていきたい…!
ブランド (GELEQUA) と、HandBitについて
(はじめに)筆者と革小物について
当ブログでは、これまで約100記事を書いてきた。
…けど、お財布などの革小物については記事にしてこなかった。
その理由を一言で言うと、筆者は「革小物マニア」で、好きが高じて「お財布は買わずに自分でつくる派」だから!
現在主に使用しているのは、自作の札入れ&小銭入れのセット。
率直に言うと、一般に出回っている製品で筆者的に満足できるデザイン・仕立ての財布は少ない。
オーダーするのも良いけど、自分で製作すれば材料から好きなものを選べるし、金額的にも相当安価。
手間と時間を惜しまなければ、手づくりに勝るものはないというワケだ…!
…というわけで、今回は財布を使う目線だけでなく「製作者の視点」でも、本製品をレビューしてみたい!
◆なお、(少ないとは思うけど)筆者の革小物に対するスタンスが気になる方は、下記記事も参照願いたい!
GELEQUA(ジェリコ)について
GELEQUA(ジェリコ)は2020年に立ち上げ、日本の新参革小物ブランド。
ブランド名は「Gentleman(紳士)」「Leather(革)」「Quality(品質)」を組み合わせた造語。
…何だか期せずして「当ブログの趣旨&筆者の趣味」に合致するネーミングだ
そんなGELEQUAの特徴をざっくり書くと、以下の3点になる。
「現代のお財布」の流行に沿ったモダンなデザイン
日本人目線の使い勝手と品質
素材には国産の名革・栃木レザーを採用
まず、デザインについて。
この10年ほど、お財布は「スマート化」(小型・薄型化)がトレンドなのは周知の事実。
カードに加えて電子マネー・スマホ決済も普及し、決済手段は多様化。
持ち歩くデバイスが増える一方で現金の使用機会は減少している。
このあたりが「財布のスマート化」が進む理由になっていると言えそうだ。
GELEQUAのメイン商品(?)は、の "excash" 。
いわゆる「薄い財布」で、小銭とお札・カードを極めて薄く・スマートに収納できる。
今回レビューする "Hand Bit" も含め、全般的に「良くあるお財布のデザイン」を改良した現代的な設計が特徴のブランドだと言えそうだ。
第2の特徴は、革小物ブランドには外国ブランド(特に欧米)が多い中で日本のブランドである点。
お財布の場合、国によって紙幣・コインのサイズは異なるし、使われ方も様々。
国産のお財布の良さは、「日本のお金のサイズ」や「日本でのお金の使われ方」に対して最適なサイズを実現可能な点だ。
さらに縫製などの仕立ての面でも「国産品の魅力」がある。
この点についての詳細は、本編(下記)でレビューしていきたい…!
最後に、GELEQUAが採用している材料について。
素材には国産の名タンナー、栃木レザー製の皮革を採用。
栃木レザーは、日本の皮革製造業者(タンナー)。
1937年創業。
栃木レザーが有名な理由は、現在では希少な伝統製法(ピット槽を用いたベジタブルタンニン鞣し)へのこだわり。
ピット槽鞣しの皮革の特長だけど、「耐久性が高く、いわゆる『アジ革』」だという点に尽きる。
率直に言うと、栃木レザー製の皮革を使用した革小物を本格的に使用するのは、今回が初めて。
でも熱烈なファンが大勢おられ、「経年変化の魅力」が愛されていることは知っていた。
国産レザーきっての人気ブランドだけに、栃木レザー皮革の実力も大いに気になるところだ…!
以上まとめると、極小財布の中では珍しく(?)、「設計の独自性だけでなく育てる楽しさも味わえる」点が、GELEQUA製品の特徴だと言えそうだ!
Hand Bit(ハンドビット)について
HandBit(ハンドビット)は、そんなGELEQUAの極小財布。
三つ折り型のスマートウォレットで、「カードサイズ +α」の手のひらサイズで「紙幣・コイン・カード」をミニマムに持ち運べる点が特徴となる。
前述した通り、筆者は普段は「札入れとコインケースは別々派」。
理由だけど、「お札・コインを同時に収納でき、かつスマートなお財布」って、つくるのが簡単なようで結構難しい点にある。
お札とコインって、そもそも形が全然異なる。
なので、コインケースを付けると純札入れのスマートさが崩れてしまうわけだ。
そんな経緯もあって、筆者的には下記2点が気になった。
◆気になるポイント◆
① お札とコインが同時に入る極小財布の使用感は?
② 栃木レザーの実力はどうか?
上記を試すため、今回は「エイジング向きな色」の代表格とも言えるキャメル色を試用させていただくこととした。
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GELEQUAのHand Bit:良い点と、イマイチな点
そんなわけで、手元に届いた筆者の "Hand Bit" 。
まず結論として、このお財布の魅力とイマイチな点を列挙すると、以下のようになる。
持ち運びに便利なコンパクトさ
手づくり感も楽しめる丁寧な仕立て
(最高級ではないが)エイジングが期待できる素材革
良くも悪くもシンプルな構造
「育てる」には根気が必要
以下にて、それぞれについて説明していきたい…!
持ち運びに便利なコンパクトさ
まず魅力として挙げられるのは、「極小財布らしさ」とも言えるミニマムなサイズと、必要にして十分な収納性。
全体の形は3つ折りタイプになっていて、お札を折らずに収納することが可能。
札室の仕切りはないシンプルな構造だけど、慣れれば問題はない。
(日本円の場合、小額紙幣(代表例は1ドル札)があるわけではないので…)
コインケースは、フラップ付きのポケットに収納するシンプルな構造。
収納力は多くないので、持ち歩くコインは1000円以下にして都度使用したい。
こちらも「慣れの問題」だけど、コインの量を減らすのは「お財布のダイエット」を目指す方にとっては「避けて通れない関門」だとも言える。
加えて、カードが4〜5枚ほど収納可能なポケット。
常時お財布に入れておきたいカードを吟味すると、「①免許証 ②メインのカード ③銀行のキャッシュカード ④⑤その他1〜2枚(交通系ICなど)」とかで十分。
以上まとめると、私達日本人の使い勝手上「ミニマムだけど十分な収納量」を満たす設計となっているわけだ…!
手づくり感も楽しめる、丁寧な仕立て
仕立ての面でも、日本製ならではの丁寧さが感じられる。
例えばの写真のように、ミシンによる縫製の丁寧さはなかなか。
ステッチの終端は「3目分折り返す」という仕立てだけど、仕上げは丁寧だし綺麗。
率直に言うと、こうした終端の処理は実用的な縫製強度に大差が出るわけではない。
だけど、まず何より見た目に美しい。日本製らしいこだわりだと感じる。
もちろん長期に渡って(10年以上とか)使用することも考えれば、ステッチの仕上がりが耐久寿命に関係することも、当然起きうる。
「最高級」とは言えないけど、エイジングが期待できる革素材
注目の「栃木レザー製の革素材」について。
試用して3週間ほどではあるけど、結論から言うとファンが多いのが分かる素材だと感じた。
まず「素材の良し悪し」の重要な要素、革表面(吟面)の繊維の細かさは「そこそこ」。
製品毎の個体差が大きいはずであくまで参考だけど、原皮が最高級とされる仔牛革(カーフ)ではなく、成牛の革だからかと思われる。
ただ、成牛の革にはカーフにはない魅力もある。
それは表層(吟面)にも厚みがあり、強度が高い点。
つまり、細かなキズが付きづらい点が◎なのだ。
逆に「しなやかさには欠ける」というデメリットもあるけれど、Hand Bitのレザーはオイルを多めに含ませた仕上がり。
皮革に含ませたオイルには柔軟性を上げる効果があって、原皮の弱点を鞣し方で補った素材になっているわけだ。
まとめるとコスパ面で優れる上、強度と柔軟性を併せ持つ素材だと感じた。
さらにオイル分が多いため、淡色系のヌメ革の欠点でもある「水シミ」に強い印象。
上の特徴は、「長年愛用して、綺麗にエイジングさせたい」という方にもピッタリ。
「小キズ・水シミができづらい」「オイルの馴染みによる『アジ増し』が期待できる」のが、本品の革素材の魅力。
一言で言えば「トップレベルの『アジ革』」だと言えるわけだ。
ただ色味については、エイジングを楽しむなら淡色系だけど、メンズとしては「鉄板のダークトーン」も捨てがたい。
ビジネスウェアに合うのはダークトーンのはずで、結構悩ましい感じもする。
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良くも悪くも、シンプルな構造
最後に、個人的にイマイチだと感じた点についても触れておきたい。
「スマートさ重視」なため、極限までシンプルな設計となっているGELEQUAの製品。
ただ好みによっては「シンプルすぎる」と感じられる部分もあるかもしれない。
個人的にやや気になったのは、「革の裏面(床面)を見せる」という仕立て。
素朴な良さも感じられる構造だけど、「30〜40代の男性がターゲット」と謳うのがGELEQUA。
ビジネスウェアと併用することを考えると、ちょっとカジュアルすぎるかもしれないと感じた。
個人的には↑の自作品のような「裏張りをして床面を見せない仕立て」の方が好き。
ただし、筆者的には「床面を見せるシンプルな構造」にするのには理由があると思っている。
それはコスト面だけでなく「薄さ・(エイジングも含めた)耐久性」の双方を満たすこと。
裏張りを追加した場合、良くあるのは裏地用の布素材を使用した製品。
見た目にもスマートでコスト面でも良好だけど「布の裏地の汚れが目立つ」という欠点がある。
布地の汚れは「単なるヤレ」に見えるので「内装布がヤレた時点」が使用の限界になるわけだ。
裏張りを革にした場合は、「ヤレやすさ」の面では問題はない。
だけど全体の厚さを抑えるため、革材の厚みを減らす必要が出てくる。
"Hand Bit" のように、素材が「油分の多い革」の場合、エイジング面を考えるとある程度は革厚がある方が良い。
油分が表面に出て艶が増す革なので、「革がペラペラすぎる」のは油分不足となり、綺麗に経年変化しない要因になるわけだ。
説明が長くなったけど、裏貼りを省いた設計なのは「永く使う」ことを想定した考えた仕様だとも考えられる。
筆者的には、なかなか面白い割り切りだなあと感じた。
「育てる」には、少し根気が必要
キャメルの色味も、素材・仕様的にも「エイジングが楽しみ」な、今回の "Hand Bit" 。
ただエイジングに関しては数週間程度の試用では「劇的な変化はしない」ことが分かった。
使われ方にもよるけど、1年〜数年かけてじっくり育てる根気が必要そうだ。
このあたりは「素材革の特性」が要因となっている。
「キャメル色」と言っても無染色ではなく、最初からオレンジに近い色味となっているのだ。
つまり、最初から「ヌメ革をある程度焼いた色味」に着色されているため、穏やかに経年変化する革だと言えそうだ。
「ヌメ革なら絶対に無染色!」という方もおられるだろうけど、取り扱いの面でマニアックな神経質さは不要なのは良いと感じた。
経時的なエイジング結果についても、機会があればレポートしたいと考えている!
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まとめ:気長に愛用したい逸品
今回は、革小物ブランド "GELEQUA"(ジェリコ)さんからご提供いただいた、栃木レザーの極小財布 "HandBit" について、「革小物マニア」の視点からレポートしてみた。
持ち運びに便利なコンパクトさ
手づくり感も楽しめる丁寧な仕立て
(最高級ではないが)エイジングが期待できる素材革
良くも悪くもシンプルな構造
「育てる」には根気が必要
設計的にも構造的にも、日本の現代人のライフスタイルを考慮した「尖った要素」が感じられるGELEQUAのHand Bit。
一方の「素材感・エイジング」は、どちらかと言えば伝統的なお財布が重視してきた要素。
これらの「ちょっと異なる要素」が融合している点が、GELEQUA製品の「最も尖ったポイント」と言えるのかもしれない。
万人にオススメできる製品ではないけど、「個人的な革小物のこだわり」にハマる方も多いはず。
そんな方には、ぜひオススメしたい逸品だと感じた
GELEQUA "Hand Bit" スマートウォレット
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◆本記事に関する注意事項◆
本記事は、ブランド様よりサンプルのご提供をいただいて執筆したものです。
執筆に際しては、評価用のサンプルをご提供いただいた以外、いかなる利益の供与等も受けておりません。
記事の内容に関しては、可能な限り忠実かつ客観的な記載を心がけております。
しかし、当ブログ管理人が自費にて購入した物品のレビュー記事ではなく、気が付かないうちに「自費購入品のレビュー記事」とはスタンスが異なる記述が含まれている可能性がございます。
上記をご理解の上、記載内容の信憑性については読者の皆さまご自身にてご判断をいただけますと幸いです。
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