こんにちは、物欲紳士です。
今回は「ブログ向け投資」の一環(?)として、ブログ写真用にカメラを購入したのでレビューしたい!
本記事から2回に分け、リコー (Ricoh) のGR IIIxについてレビューしたい。
前編となる今回は、リコーGRシリーズの紹介と、GR IIIxの魅力について書きたい。
それでは、早速行ってみたい!
ブランド(リコー、GR)と、GR IIIxについて
リコー・GRシリーズについて
リコー (Ricoh) は、日本の事務機器メーカー。
1936年に創業。
リコーと言えば、オフィス向けのコピー機・レーザープリンターなどが有名。
一方、(メイン事業ではないものの)カメラなどの光学機器も製造。
カメラ事務機器も、光学系がキーデバイスの製品。
「光学つながり」で事業・製品を展開してきた会社だと言えそうだ。
現在では、カメラ事業は名門ペンタックス(元は旭光学)を傘下に加え、ペンタックスとリコーの2ブランドで製品を展開。
リコーGRシリーズは、そんなリコー製のカメラの中で現在まで続くロングラン製品。
初代製品はフィルムカメラのGR1で、1996年に発売。
90年代後半に「高級コンパクトカメラ」が流行した時期があって、その中でも描写性能の高さと携帯性(特に薄さ)で人気を博したカメラだった。
現在に至るGRシリーズの名声・キャラクターを決定づけたのが、GR1をメインに使用した著名写真家の存在。
GR1を愛用したカメラマンの中でも有名なのが、世界的な写真家の森山大道(もりやま・だいどう)氏。
「アレ・ブレ・ボケ」と形容される作風で知られ、1960年代から写真界の第一線で活躍。
写真集「新宿」(2002年刊)は主にGR1で撮影された、「東京写真」を代表する名作の1つ。
近年の日本では失われつつある「大都会のエネルギー」を、古典的なモノクロフィルムの荒々しい描写で映し出した傑作だ。
「写真家とカメラ」と言うと、「写真芸術」の黎明期における写真家集団「マグナム」の写真家たちと「ライカ」が、特に有名。
「マグナムの写真家とライカ」と同様に、「森山氏とリコーGR1」は、「GRシリーズはスナップカメラ」(街などを切り取るカメラ)というキャラクターを決定づけたわけだ。
…実のところ「カメラ小僧」だった筆者も、学生時代にGR1s(GR1の改良版、1998年発売)を愛用していた。
ただフィルム時代のGR1は、「当時の最新鋭スナップカメラ」の評判とは裏腹にテンポよく撮影できるとは言い難い一面もあった。
「常にポケットに入れておき、サッと取り出して撮れる」魅力はあったけど、当時の技術的な限界もあってピント合わせやフィルム送りなどの動作に「モッサリ感」が伴う面も否めなかったのだ。
その後、GRシリーズは2005年にデジタルカメラとして再始動。
独自のスタイルを継承し、趣味性の高いカメラとして進化を遂げていくことになる。
特徴的なポイントはいくつかあるけれど、中でも独自性が高いのが「スナップカメラ」に求められる速射性。
現在ではフィルム時代の「モッサリ感」の面影はなく、屈指のスピードマシンへと変貌を遂げている。
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GR IIIxについて
デジタル化以来、独自性を保ちつつも時代に応じた進化を遂げてきたGRシリーズ。
2022.10月現在のスタンダードモデルは、2018年発売のGR III(GR3)。
依然としてコンパクトなボディに、APS-Cサイズの大判センサーを搭載。
光学系は単焦点の広角28mm相当 / F2.8で、初代GR1と同等な画角・F値。
GR IIIではイメージャーシフト式の手ブレ補正が追加されるなど、より幅広いシーンで軽快に撮影できる改良がなされた。
今回レビューするGR IIIxは、そんなGR IIIの派生モデルで2021年発売。
光学系が「標準画角」に近い40mm相当 / F2.8に変更されたモデルとなる!
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はじめに:当ブログの写真へのスタンス
一旦話が逸れるけど、記事の前提とするため「★当ブログの写真へのスタンス★」(ブログ用カメラの使い方)について書きたい。
出来る限り「役立つ情報を、読みやすく」が、当ブログが目指す姿。
文章だけでなく、ビジュアルでお伝えできる写真も重要。
「わかりやすさ」のために図・写真を積極活用するのは、当ブログの基本スタンスでもある。
必然的に、レビュー品の製品写真を多めに撮る必要性が出てくる。
写真にこだわっていて、手の込んだ自前写真を多数掲載されているサイトも多い。
凄いなあ〜とは思うけど、当ブログではまず筆者がブログに掛けられる時間に制約がある。
さらにブログって基本的に文章を書くのに時間がかかる。
…なので、理想は「撮影に10分、写真のセレクト〜加工〜記事反映に1時間以内」くらいの作業量でサクッと撮影・編集したいのだ。
なかなか理想通りにはいかないけど、「見やすい製品写真を、短時間でサクッと撮りたい!」というのが、筆者がブログ向け撮影に求めるポイントとなる!
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リコーのGR IIIxを選ぶ、5つの理由
近年はECビジネスの隆盛もあり「ブツ撮り」需要も爆増している?はず。
だけど筆者が抱える「色々なモノ写真を、サクッと撮りたい」願望って、相当ニッチな需要な気もする…。
これまでに当ブログ用として主に使用してきたのは、かれこれ7年ほど使っているソニーのサイバーショット・RX100m3。
ほかにミラーレス機なども所持はしているけど、ブログ用には「ガチでは撮らない」ためほぼ出番がない。
ソニーのRX100シリーズも、GRシリーズに並ぶ(?)銘機。扱いやすさと万能さが特徴。
だけど「当ブログの写真用途」に限定した場合、操作性&性能的にちょっと物足りない面があるのも事実…。
一方のGRシリーズは、ズーム機能もない「尖ったカメラ」。
でも特に本機(GR IIIx)は、そんな「尖った部分」が筆者の「ブログ用カメラ」の理想にハマりまくっている!
筆者が感じているGR IIIxの魅力を列挙すると、以下の5点になる。
ストレスがないサイズ感・起動速度・操作性
扱いやすい「40mm相当レンズ」の画角・描写性
大判だけど近接撮影性能も高い
ヌケが良く素直な写りで撮影後の編集もラク
APS+標準レンズによる大きなボケ量
以下にて、それぞれについて書いていきたい!
ストレスがない、サイズ・起動速度・操作性
冒頭でも述べたストレスがなく素早く撮れる速射性は、現行のGRシリーズ共通の美点。
まず一眼カメラなどと根本的に異なるのは、「撮影の度にいちいち取り出す」といった面倒くささがない。
あとコンデジの場合、一般的な「沈胴レンズ」だと(数秒レベルだけど)起動に時間がかかる。
本機の場合、(後述するけど)一般的な沈胴タイプとも、若干異なる光学系。
起動は早く、スマホアプリを起動させるより素早い。
現行のGRシリーズを、筆者が「スピードマシン」と呼ぶ理由だ。
操作性に関しても、速射性を向上するために考え抜かれている。
筆者が特に便利だと感じるのは、好みの状態を3つまで登録して一瞬で遷移できるユーザーモード。
筆者の場合、センター位置(U2)に「通常用」の設定、
U1に拡大写真用の「マクロ撮影」の設定、U3に「コーデ写真用(自撮り)」の設定を登録している。
起動時間だけでなく、定式化された設定をいちいちカメラに入力するだけで時間の無駄。
実際には合計しても「撮影1回につき数分程度の短縮」かもしれないけれど、撮影時のストレスが軽減される点も含め、非常に良い。
扱いやすい「40mm相当レンズ」の画角と描写性
前述の通り、GR IIIxはシリーズ伝統の広角レンズ(35mmフィルム換算で28mm)ではなく、「標準画角」に近い40mm相当(同換算)の単焦点レンズを搭載。
ちなみに、iPhoneの現行モデル(iPhone 13)のメインカメラは焦点距離26mm相当。
つまり現行iPhoneのメインカメラは、スタンダート版のGR III に近い「広角レンズ」だということになる。
やっぱり「ズームなしで、焦点距離を1つ選べ」と言われたら、通常は汎用性があるのは広角レンズの方。
GR IIIxの画角は固定カメラ向けの単焦点レンズとしては結構マニアックと言えなくもない。
…だけど、本機を「モノ撮り用」として使うと非常に素直で扱いやすい。
その理由を一言で述べると、遠近感の自然さ。
例えば、の写真を見てほしい。
上側は、スマホ相当の広角レンズで撮ったクルマの写真。
対する下側は、同じクルマを望遠側で切り取った写真になる。
ちょっと極端だけど、上側のような写真って、時々見る。
広角レンズを用いて対象をアップで撮るため、カメラを極端に近づけた場合の見え方。
被写体(クルマ)の中で、ヘッドライト付近は極端に近接している。
他の部分との間で遠近感が生まれ、結果的に「対象のカタチ」を正確に写せていない。
下側の方が、各パーツの大きさが現実の関係に近いわけだ。
(再掲するけど)のような写真って「カメラの画質が悪い」「画が歪んでいる」とかではなく、投影法的にそうなる。
端的に言うと、撮り方が悪いわけだ。
以上から言えることは「モノのカタチを正確に写し取る」場合、扱いやすいのは「標準〜望遠」の画角レンジ。
より「客観的なカタチ」に近い形で切り取れ、見た目に「素直な写り」が得られやすいのが魅力なのだ。
大判だけど、近接撮影性能も高い
一般的なデジカメと比較すると、「万能なカメラ」のRX100はズームレンズを搭載。
なので、当然GR IIIxの画角レンジもカバーしている。
だけど起動に時間がかかるし、起動直後はズーム位置が「最広角の24mm付近」になる。
広角領域は前述の理由で、筆者がブログ用途には使わない画角。
電源を入れる度にズーム操作が必要なのが面倒。
さらに「パーツの部分写真」などの近接撮影をする場合、操作性の差はより顕著。
RX100などの通常のデジカメの場合、そもそもズームの広角端以外では近接撮影能力が高くない。
なので常用する「ズームが50mm前後」でマクロ撮影をする場合、別売パーツ(クローズアップフィルター)などを都度脱着する必要が出てくる。
画質的な問題はそれほど気にならないけど、単純に操作として面倒。
一方で本機(GR IIIx)の場合、近接撮影の能力も高い。
レンズを繰り出して近接撮影を行う「マクロモード」を搭載している。
限界領域はあまり使わないけど、その気になればカメラのみでくらいまで近接可能。
近接撮影能力が高いのは、単焦点レンズのメリット。
一般的な「ブツ撮り」ならアクセサリーなしで可能で、撮影がますます「サクサク」になるのは嬉しい。
ヌケが良く素直な写りで、撮影後の編集もラク
描写性について。
感覚的な評価だけど、本機の画質は「光学的な素性の良さ」を感じさせる写り。
結果的に、撮影後の「編集段階」でガチャガチャと画像補正をする手間が不要なのでラク。
スマホのカメラユニットって、サイズが極小な割に描写は素晴らしい。
理由としては光学技術(レンズ・イメージセンサー)が相当進歩しているのも事実だろうけど、ソフト処理による効果が大きいのも明らか。
ユーザーが直接見ることはできないけど、「スマホカメラ内で撮影後、ソフト処理をかける前の『生の画』」って、多分結構ショボいはず。
「元のショボい画」を「見栄えが良い写真」にしてくれる、ある種の「魔法」がソフト処理。
現代のスマホ用CPUって、かなり高性能。
ソフト処理で「キレイな画を作り出す」こともできてしまうわけだ。
何はともあれ、キレイな画なら「スマホで撮った写真」を当ブログで使うことも、頑張れば可能。
だけど「ソフト処理に頼る」のは色調などが現物から変わったりするし、「カット間のばらつき」も大きい。
これらに対応するための編集段階での画像修正が面倒になるわけだ。
この点が、「『魔法』をかけてしまった写真」を使うデメリット。
率直に言うと、この作業を想像しただけでウンザリさせられる
久々にGRシリーズを使って素晴らしく感じたのは、例えるなら「山の神様がくれた水」っぽい清涼感のあるクリアな写り。
ソフト処理に頼らず、光学的な素性で勝負をしている「オーガニックな画」だと、直感的に理解できる。
画質的にも「ブログ用として全く問題ない画」。「ソフト処理による味付け」が薄味なためカット間のばらつきもほぼ出ない。
結果的に編集時の画像調整の手間が大幅に省け、「作業がさらにサクサクになる」のはありがたい!
APS+標準画角による、大きなボケ量
最後にポイントとして挙げたいのが、この手のカメラの中では圧倒的に大きなボケ量。
「背景をボカした写真」というと「お洒落写真」とか「インスタ映え(?)」なんかも連想するけど、筆者が求めるのはそういう話でない。
例えばの写真を見てほしいけど、背景をボカすのは「撮りたいモノ」を引き立たせて「パッと見」で分かりやすい写真にする効果がある。
さらに、副次的なメリットもある。
それは「画像データが軽くなる」ということ!
汎用的な画像圧縮形式(JPEGなど)のファイルサイズって、画像サイズや圧縮率以外にも「画像のゴチャゴチャ具合」でも変化する。
背景などの不要な部分の情報量を落とすことで、ファイルサイズは相当軽くなるのだ。
結果的にページの表示速度が速くなるし、(微量ながら)読者の方のデータ通信料の節約にもなるはず。
注意点としては「ピントの深さ」も浅くなるため、「必要箇所のピンぼけ」には注意が必要。
だけどモノ撮りの場合、概して「背景などをボカしておいて悪いことはほぼない」と言ってもよさそうだ。
まとめ:「モノ撮りスナップ」にも最適な、使える1台!
今回はリコー (Ricoh) のGR IIIxのレビュー記事の前編として、GRシリーズの歴史を振り返った上で、本機の魅力について書いてみた。
筆者の青春の想い出もあり、「GR愛」が湧き上がる内容になった
ストレスがないサイズ感・起動速度・操作性
扱いやすい「40mm相当レンズ」の画角・描写性
大判だけど近接撮影性能も高い
ヌケが良く素直な写りで撮影後の編集もラク
APS+標準レンズによる大きなボケ量
現代は、スマホという「カメラとしても便利なデバイス」がある時代。
GRシリーズは、スマホよりも携行性が良くはないし、万能なカメラでもない。
だけど、「専用カメラでないと撮れない画」があるのも事実。
GR IIIは、そんな画が撮れるカメラの中で究極の「サクサク感」がある1台だと感じた。
またフィルム時代以降の約20年を経て再び使ってみて、「画質の方向性」にも共感を覚えた。
フィルムの時代には、「カメラの中で、画質に関わる要素」ってレンズのみだった。
「ソフト的な画像処理の違い」とか、面倒なことを言う必要のない時代だったわけだ。
いま改めてデジタルのGRを使うと、ソフト処理が介入しすぎない「自然体な画作り」が心地よい。
言うまでもなく、まず「レンズ&センサーの性能の高さ」があり、はじめて可能な画作りではある。
スマホのカメラを多用するほどに、心が洗われる(?)写りをしてくれることは請け合いだ。
小さいけれど写欲を高めてくれる、1枚1枚の写真に丁寧に向き合いたくなる1台だと感じた
RICOH GR IIIx デジタルカメラ
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