こんにちは、物欲紳士です。
今回は、筆者の弟が高校時代に使用していたものを強奪(!)して愛用中のミリタリー腕時計を紹介したい。
この記事で紹介するのは、ウェンガー (Wenger) の通称「青島モデル」、コマンド・クロノグラフ (70725 S.A.K.) 。
90年代の製品ゆえ、残念ながら現在は新品では入手不可能。
一種の「物欲ジマン」だと捉えていただけると幸いです…
ブランド(ウェンガー)と、コマンドクロノについて
ウェンガー(Wenger) について
ウェンガー (Wenger) は、スイスのナイフ・腕時計のメーカー・ブランド。
1893年創業。
元々は同じくスイスのビクトリノックス (Victrinox) と双璧をなす、マルチツールで有名なナイフメーカーだった。
現在はビクトリノックス傘下のブランドとなっている。
ウェンガーの腕時計コレクションは、1997年に開始。
「腕時計とナイフ」って、技術的な面では結構離れていると思う。
でも「スイス」「ミリタリー」といった同じキーワードが交錯する製品として、ウェンガー社が腕時計製品に取り組んだのは、ある意味で必然の流れだったのかもしれない。
現在ではナイフ製造業者というよりも「ミリタリーテイストのスイス時計ブランド」と認識されているように思える。
コマンド・クロノグラフ (70725) について
そんなウェンガーの「腕時計ブランドとしての原点」と言えるのが、コマンド (Commando) と呼ばれるシリーズ。
中でもクロノグラフは人気モデル。
モッズコートでお馴染みの「踊る大捜査線」の青島刑事(織田裕二演)や、「海猿」の仙崎保安官(伊藤英明演)など、当時ヒットしたドラマ作品に登場したことでも知られる。
現在、筆者の手元にあるRef. 70725は、その「踊る大捜査線」で登場したものと同モデル。
ブランドロゴが旧ロゴの初期モデルで、ブランド名の下に付記される記述から通称S.A.K. と呼ばれる人気バージョンでもある。
(*なおS.A.K. とは "Swiss Army Knife" の略称)
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ウェンガーのコマンドークロノ:魅力とイマイチな点
腕時計ブランドとしてのウェンガーの「原点にして名作」と言っても良い、コマンド・クロノグラフ。
筆者が手元で愛用していて感じる、魅力とイマイチな点は、下記の通り。
ケース径39mmの手頃なサイズ感
「押し出し感」が強すぎないデザインバランスの良さ
クオーツムーブメントは現在でも修理が可能
ケースと風防はキズには弱い
それぞれについて、以下で詳細を述べていきたい!
ケース径39mmの適度なボリューム感
魅力としてまず挙げたいのは、ケース外径が39mmというサイズ感。
近年は腕時計で「クラシカル回帰」の流れから同程度のサイズ感の製品も増えているけど、クロノグラフとしては小さめな部類に入ると言えそうだ。
筆者の腕が細めなこともあるけど、この腕時計のボリューム感は着用時のバランス感が良くてお気に入り。
視認性の面では若干劣るのも事実だけど、万人に向けて着用時の取り回しが良いサイズ感だと感じる。
「押し出し感」が強すぎない、デザインバランスの良さ
手頃なサイズ感に加え、デザイン面でも「押し出し感」が強すぎず、良い意味で抑制的なのも良い。
前述した「旧ロゴ」の控えめな雰囲気にも、この良さが現れている気がする。
文字盤を見ると、まず目につくのはインデックスのアラビア数字。
数字が目立つのは視認性を重視したデザインで、ミリタリー系の腕時計に見られる仕様。
別記事(下記)で触れた米軍ウォッチなど、ミリタリーウォッチの名作を基に、実用本位でデザインされたのだろう。
また近年の製品では、「製品の特徴をアピールする」ためか、クロノグラフ用の小窓(インダイアル)を目立たせるデザインの製品も多い。
コマンドクロノの初期モデルでは、インダイアルのデザインはあくまでも地味。
クロノグラフ機構はあくまでも「味付け」で、視認性はそれほど重視していないということなのだろう。
見方によっては「メリハリに欠ける」とも言えるけど、本品のデザインに見られる繊細さと虚飾のなさは、20世紀の製品の魅力でもあると感じる。
クオーツムーブメントは現在でも修理が可能
本品はクロノグラフだけど、使用しているムーブメントはクオーツ。
スイスのエボーシュ(ムーブメントメーカー)、ETA社のG10.211を採用。
このムーブメントの特色は、まず「クオーツのクロノグラフである」こと。
現在では色々と種類があるけど、当時は汎用的なクオーツのクロノグラフの機械は、このETA社のムーブメント1択という感じだった。
そんな理由から同じムーブメントを採用しているモデルは、特にスイス系のメーカーに数多い。
例えば上のスウォッチなども、インダイアルの機能や配置が酷似していて、(ほぼ)同一の機械を使用していると思われる。
G10.211は後継モデル (G10.212) にモデルチェンジしている。
修理はムーブメント全体の交換が前提で、後継機種とも互換性がある。
ので、若干仕様が変わるものの、基本的に現在でも修理が可能。
筆者の腕時計もカレンダーが故障したけど、(結構お金がかかったけど)無事修理ができた。
安価な製品ではあるけど、だからこそ現在もリペアができるのはありがたい。
ムーブメントとしての特長は、クオーツの利点を生かした1/10単位での計時が可能な点。
現在はスマホもあり、あまり実用性のある機能とは言えないけど、「メカ好き」のハートをグッと掴む部分ではありそうだ。
ケースと風防は、キズには弱い
イマイチな点としては、風防(全面ガラス)はキズに強いサファイアガラスではない。
なお、ケースはステンレス製のようだけど、ミリタリーのイメージなのか表面は塗装仕上げ。
通常のミネラルガラスはキズが付きやすいし、塗装仕上げのケースは小キズをポリッシュして消すことができず、使用に伴う小キズには弱い。
この辺りは「20世紀の製品」と考えて割り切り、キズを愛でながら使うのが良さそうだ。
まとめ:「ストーリー性」を求める方に、プライスレスな1本!
今回は腕時計コレクションの中から、ウェンガー (Wenger) の90年代の腕時計、コマンド・クロノグラフ (70725SAK) を紹介した。
ケース径38mmの適度なボリューム感
押し出しが強すぎないデザインバランスの良さ
クオーツムーブメントは現在でも修理が可能
ケースと風防はキズに弱い
総合評価 ★★★★☆
デザイン ★★★★★
90年代らしい虚飾のない仕上がりに好感
機能性 ★★★★☆
クオーツならではの実用性の高さ
装着感 ★★★★☆
適度なサイズ感で良好
価格 特になし
*新品で入手不可のため
耐久性 ★★★☆☆
ムーブメントの故障頻度は気になるが、修理可能な点は評価したい
その他 ★★★★☆
ストーリー性のある、筆者お気に入りの1本
冒頭でも触れた通り「◯◯に登場」的なストーリー性がある腕時計。
高価なモノではないけど、この手のウンチクが好きな方にはプライスレスな1本だろう。
モノとしても、現在の量販店を賑わせる「派手な製品」とはやや異なる繊細な感覚もあり、そんなデザイン性にも惹かれる。
まだリペアもできるので、質の良い中古品が見つかればゲットしてみるのも良い
Phoenix社製 NATO軍G10 時計用ストラップ ナイロンベルト・バンド
写真で使用中のナイロンベルト。グレーのベルトはコーディネート上も使いやすくてお気に入り
(★おまけ)製品のデータ
ブランド ウェンガー (Wenger)
モデル名 コマンド・クロノグラフ (Commando Chronograph)
品番 Ref. 70725
サイズ 39mm(ケース径)
文字盤色 黒
ムーブメント クロノグラフ(クオーツ、ETA G10.211)
価格 38,000円+税(新品当時)
製造国 スイス
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